第38話 ルナティッカ王城にて
ファインマインを撃退し王都ルナティッカへやってきたお嬢様パーティと美しい金髪をもつ長身の騎士セシリア。
「この度は本当に助かった。月光騎士団の団長として感謝するお嬢様方」
「あなたがいなければ負けてましてよ」
「私など……ファインマインには手も足も出なかった」
「よければ、このまま王城に招待したいのだが、王もお嬢様方をお待ちでしょう」
「そうですわね。ありがたく参りますわ」
「では! 参りましょう」
セシリアに案内され王に謁見が許されたお嬢様パーティは王城の中へと招待された。
「よく参られた英雄たち。そしてこのルナティッカを魔神の脅威から救ってくれたことまことに大義であった」
「チカラを授かった者として当然のことですわ、王様」
「ルナティックエレガント!! まさに月のように我らを静かに熱く照らし出すその心、素晴らしい!!」
「その偉大なるチカラを持つ英雄よ、そなたらはどこから参られた」
「私たちはキノックを拠点に活動していまして、キノックの長ギリエンの報せで魔神が侵攻した王都ルナティッカに急いで馳せ参じましたわ」
「……キノックのギリエンか? なるほど、ヤツは策士だからな、おおよそこのルナティッカに部下を潜り込ませていたのだろう。魔神の脅威に晒されてからはキノックとの関係も希薄になっていたが、いやよくぞ参られた」
「とんでもございませんわ。ところで王様、なぜ魔神は王都ルナティッカに? ギリエンの情報によると月光騎士団が魔神を討伐したことがあるとの噂でしてよ」
「うむ……それについてはな。セシリア、たのむ」
「はい、王様。お嬢様方、我ら月光騎士団が魔神を討伐しているのは本当ですが、間違いでもあります」
「全てはヤツ、魔十遊ファインマインの遊びに付き合わされていただけなのです。ヤツはこの月光騎士団にわざと魔神を狩らせ自分の遊び相手になるよう育てるという悪趣味な行為をずっと繰り返して来ました」
「そのようなことが……ファインマインなんてやつですの」
「アイツほんとうに戦闘狂だな……」
「お嬢様、ホワイト様。確かにファインマインは、最初から全力を出しているようではありませんでした。純粋に戦いを楽しんでいたということなのでしょうか?」
「あぁ、全く狂っているヤツだが……その認識で間違いない。我ら月光騎士団も散々ヤツ、ファインマインと戦わされたわけだ」
「なるほど、分かりましたわ。では、ファインマイン、やつを撃退はしましたがこの後の動きはどうなるか予想はつきまして? セシリア月光騎士団団長」
「それはなんとも言えないが、負けた相手に仕返しするようなヤツとは思えないな。……おっと……申し訳ない」
「ふふ、堅苦しいのはよろしくってよ」
「そ、そうです、そうか? どうも苦手でな。そう言ってもらえると助かる」
「私の前だぞセシリア」
「あ、王様! 申し訳ございません!!」
「ルナティック冗談だ、セシリア。ハハハハハ」
「…………。王様そのようなことはおやめください」
「ハハハ、すまぬセシリア。これからの動きについてだが、それを考えるのも大事なことではあるが。……そなたら、ボロボロではないか。セシリア」
「……あ! すみません王様! お嬢様方すぐ大浴場に! えっと、その、あなたは……」
「誰もツッコマないから普通に話しちゃってたよ俺……。セシリアさん俺はカーゴ屋に案内してもらえませんか」
「あ、あぁ。白き英雄殿は、私がカーゴ屋に案内しよう」
「すみませんセシリアさん。それと王様、キノックのギリエンさんとカーゴ屋のシジメって人に連絡を取りたいのですが」
「うむ、わかった。それはこちらでやっておこう。王都内にいるギリエンの部下もすぐここに来ることだろう。まずは休まれよ英雄たち」
こうしてルナティッカ王との謁見を済ませたお嬢様パーティは、それぞれ、魔十遊ファインマインとの死闘の疲れを癒すための休養を王都ルナティッカで取ることとなった。




