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第37話 熱砂に吹いた風

挿絵(By みてみん)






 氷の巨盾は風を得て超特大マインボムフレアを押し返す。



 チカラの均衡は破られた。



 ぶつかり合った大技はやがてファインマインを呑み込もうとする。




「……負けたぜ白いヤツ!! だが! オレもまだ終わってネェ!! 今この瞬間メラメラわきアガるオレの全て!! シボリ出してヤる!!」




「別れて降り注げマインボムフレアスターダスト!!!! 今命名の必殺技だ!! 人族! 白いヤツ! 最高にたのしいぜオマエら!!」




 超特大の玉は分裂し、巨盾をかいくぐった無数のマインボムフレアがお嬢様パーティに降り注ぐ。





「くっ……そーーーーッ!!!!」



 全力を解放しているお嬢様パーティにもはやその降り注いでくる炎の雨は避けられない。



 迫り来る無数の炎球。



「全身レジェンダリー……信じるしかなくて!」


「お嬢様! ホワイト様!」











「ルナティック・ファンタズム」



 突如、あるはずのない眩い月の光がお嬢様パーティを照らす、照らされた者たちは幻影のように姿形が(かす)みその場から消え去った。



 炎の雨が熱砂に降り注ぐ。





 炎の雨は熱砂を焼き焦がし地形を変えるほどの爆発を起こす。



 その爆撃地帯から少し離れた場所にテレポートしたかのように、月の光に照らされ再び姿を現すお嬢様パーティ。




「……たすかったのでして?」


「一体何が……。お嬢様! ホワイト様! 無事ですか!?」


「……サブレさん俺は無事です。何が……」



「くっ…………」



「あなたは!? 大丈夫ですか!?」



 扇風機が声をかける。


 美しい金髪をもつ長身の騎士がそこにいた。かなり疲弊して両の膝をついているようだ。


「……チカラを使い過ぎただけだ。それよりファインマインにトドメを……!!」



 扇風機はまだ状況が少し理解できずにいた。が、それよりもファインマインだった。



「……そうだアイツ!!」






「やるじゃねぇか人族……セシリア……」


 ゆらりゆらりと歩きこちらに近付いてきたファインマイン。

 だが、チカラを使い果たしたのか、その場に身体ごと倒れ込んだ。熱砂のじゃりついた感覚がファインマインを覆う。



「……フン……天罰だったなファインマイン」


 美しい金髪騎士がそう言い放った。



「……天罰? ハハハハハ、これが罰であってたまるかよ!! 全力でぶつかってメラメラで最高の気分だ!!」


 こちらを見ながら笑い叫んでいるファインマイン。



「お嬢様方、ヤツにトドメを……」



「……逃げやしねぇよ。おい人族、白いヤツ! オレは逃げねぇ! トドメはド派手にたのむぜ!!」


 ファインマインは最後のチカラを振り絞り膝を付く格好で強引に起き上がった。



「なんてヤツだ、魔十遊ファインマイン……」


「敵ながらエレガントですわ……」




「お嬢様、ホワイト様、トドメを」




「ええ、いきますわ魔十遊ファインマイン!!」


剣を構えファインマインを見据えるお嬢様。








「ダストダイヤモンド」


 突如、ファインマインとお嬢様、扇風機の間を阻むように氷嵐が吹き荒れる。



「なにごとでして!!」

「新手か!?」


 身構えるお嬢様と扇風機。





「ファインマイン負けた。おれのばん」



 終わりを迎えるはずの熱砂の戦いに突如姿を現した、青い人型。青い長髪に素朴な顔、白い肌、生気のなさそうな目に、細身の長身。どこかまったく違ったタイプのファインマインに少しだけ似ている気もする。



「おい!!!! ブリザード〜るてめぇは引っ込んでろ!!!!」



「だめ、おれがヤる」



「オレの最高のヤリ合いにケチつけんじゃネェ!!!!」



「…………」


「だって……ファインマイン負けた……」



「うるせぇ!! 手ェ出しやがったら死ぬまでぶっ殺す!! ブリザードール!!!!」



「…………」


 命を使うように声を荒げるファインマイン、なぜか今にも泣き出しそうなブリザード〜る。



 ブリザード〜るは熱砂に立ち尽くす。ファインマインの言葉が重くのしかかり動けず何もできずどうしようもない感情が渦巻き目に涙を溜める。








「帰りましてよ、うちの子、サブレ」


「ですね。お嬢様、ほんともうチカラ出し切って動けないですよ」


「はいお嬢様」


 剣を鞘にしまい表情をやわらげるお嬢様。



「ナッ!? おい人族! 白いヤツ! ナニやってやがる!! はやくオレを切り刻めーー!!!!」



「もう勝負は決まりましてよ。これ以上は(こご)えてメラメラしませんわ」



「ナニ……!!!!」



「まじゅーゆーファインマイン、あんた熱すぎて鬱陶しいぜソイツに冷やしてもらえよ」


「置物!! フザケてんじゃ!!」


「ファインマイン、結局天罰だったな……フフフ。……あと、パフェは甘ったるくて私は食わん」



 そう微笑いながら金髪騎士はお嬢様パーティと共に熱砂を去っていった。







「……ハハハハハ、ハハハハハ!!!! 人族、白いヤツ……想像以上の以上じゃねぇか」



「ファインマイン……? ……おれどうすればいいの……これ……?」



「しるかよ」




 長い熱い熱砂の攻防は、こうして幕を閉じた。



 灼けきった熱砂に、ひんやり冷たい風が吹き抜けた。






第37話までお読みいただきありがとうございます。

長いアツイ熱砂の攻防は無事幕を閉じました。


物語はまだまだつづくよ。エレガントにメラメラドリーマーにもっと駆け抜けて行きます。これからもルナティックに扇風機お嬢様無双をよろしくお願いします。では





 ちなみに魔神ギャラリーはこの死闘に大盛り上がりで流れ弾に当たろうが命を散らそうが誰一人水を差すモノはいなかったという。

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