第2話 侵攻タイムのじかん
「スパイラルエレクトリックファンエレガントソーーーード!!」「ですわ」
最強のふたりの技が白い魔神に炸裂する。
「……ぐおおお……いい死合だったゾぉ……ワッハーーーー……」
村を襲っていた白い魔神は塵となり風に運ばれていった。
「こいつ絶対あいつの親戚だろ」
地に舞い降りたお嬢様と扇風機。
抜刀した白銀の剣を納刀し。
「ふぅ……うちの子、サブレ、よくやってくれました」
「いえ、私など、お嬢様とホワイト様のチカラです」
ホワイト様、あれからなぜか俺はサブレにそう呼ばれている。こんな安物の型落ち扇風機をホワイト様って呼ぶのは、少々かわいすぎるな。
「そんなことないわサブレ、これからも3人でどんどん侵攻タイムのじかんですわ」
「ところで、お嬢様。俺その侵攻タイムのじかん、がわからないのですが」
「あら? そうねごめんなさいうちの子。サブレ説明してあげて」
「はい、お嬢様。ホワイト様、侵攻タイムのじかんは、ひとことで言えば魔神のお遊びなのです。圧倒的なチカラを持つ魔神たちは人間をわざと生かし、侵攻タイムのじかんと称した人間の強者狩りをしてたのしんでいるのです。人間には侵攻タイムのじかんまでの、猶予、が与えられその間にダンジョンにアタックし装備を手に入れたり自身の腕を磨き侵攻タイムのじかんに備える、そういうルールになっています」
……侵攻タイムのじかんの連打で頭が爆発しそうだな……。
「は、はぁ……。つまりその侵攻タイムのじかんに俺たちがさっきみたいに割り込めばいいんですね」
「そうですわ。侵攻タイムのじかんを逆に利用して魔神たちを狩る、これが当面の旅の目的ですわ」
「なるほど。でも、その魔神たちってとんでもないヤツらですね。狩っていればラスボス的なの出てくるのかな」
「ラスボスがいるかどうかはわかりませんが、魔神たちの数にも限りはあるかと、魔神たちがお遊びでいる今が好機といえます」
「今が攻めどきかー、まあ、さっきのやつは大したことなかったけど、デスハーラーより強いやつがいるかもしれないよなあ。お嬢様、サブレさんもっと俺たちの連携を深めて行きましょう!」
「はい、ホワイト様の足手まといにならないよう精一杯努めてまいります!」
まあ足はかろうじてあるか……。
「そうですわね、うちの子との連携も大事ですが……そろそろ装備をいただきに行くべきかしらね。この戦力ならダンジョンへのアタックでレジェンダリーも容易にゲットできましてよ」
ダンジョンかー、まさか扇風機がダンジョン攻略に出ることになるとは思わなかったなあ。まあボス戦の前に装備を整えるのは基本か。……なんかやっとまともな冒険になってきた気がせんでもない。だいたいあのデスなんとかのせいだが……。
「わかりましたお嬢様! サブレさん! レアドロップがっぽがっぽいただきましょう!」
「ふふ、ホワイト様は私の希望の光です」
「ではこの村で補給を済ませたらいきますわよ。ダンジョンへ侵攻タイムのじかんですわー!」
村人の歓声がわきおこる。家の窓を開放したり、人々は魔神の脅威から篭っていた身で外に続々と踊るように出て来てお嬢様一行を英雄のように祭り上げた。
魔神の脅威が去ったニワ村に光が訪れた。




