第12話 壊れた扇風機
「……あれれ!? 止まっちゃった……。無茶したからガタが来たか……?」
パタパタと音を潜ませ、止み、扇風機の弱風が止まってしまう。
「うちの子、その怪我、やはり大丈夫じゃないのでなくて?」
「ホワイト様。怪我の治療を優先しましょう」
「そうですわね」
「すみません、お嬢様、サブレさん……」
「激闘だったですもの、気にしなくてよくてよ」
「まずは街のカーゴ屋でホワイト様のお怪我を診てもらいましょう。ただ、私たちのカーゴは大破してしまいましたので街までは脚で走っていくことになりますね。ホワイト様の怪我が悪化してはいけないので急ぎましょうお嬢様!」
「ええ! うちの子は、私が抱っこして運んでいくわね」
「いえいえ! お嬢様、サブレさん扇風機なので俺の怪我は悪化しないので大丈夫です! ゆっくり、歩いて行きましょう!」
「……うちの子がそう言うならそうね? じゃあ歩いてまいりましょうか」
「はい、お嬢様、ホワイト様」
「あ! お嬢様これ……」
「ふふ、いいですわね」
何かを拾い上げ俺たちは街へと向かった。
街に銀色の棒を掲げて凱旋するお嬢様一行パーティ。ちなみに俺はサブレに抱っこされている。
銀色の棒、硬質化したえのき、である。
「なんと高貴な……」
「エンジェリック……」
「銀天使様……」
「お嬢様……」
「女神様……」
「英雄様……」
「白太陽様……」
「エレガントエノキ……」
魔神と魔十遊ドリーマーエノキングを倒し街を救ったお嬢様一行パーティ。
もはやこの街で彼女らの存在を知らないものはいないだろう。この街の英雄であり女神様だ。
俺たちは凱旋を終えたその後ある高貴な屋敷に招待された。
「このキノックの街の長のギリエンと申します。この度は、この街を救っていただき本当にありがとうございます!! 何か欲しいモノがあればなんでも言ってくだされ」
「当然のことをしたまでですわ。私たちにはチカラを授かった責任がありましてよ」
「なんと!! 素晴らしい精神!! キノックエレガント!! ぜひ何か、私どもにあなた様方を手伝わせてもらいたい!!」
「そうですわね、なら腕の良いカーゴ屋を紹介してほしいわ」
「カーゴ屋ですか……なら1人しかいません。シジメという男です。すぐに手配します、銀天使様!」
それから俺たちはすぐにシジメのカーゴ屋へと長の用意したカーゴで案内され向かった。




