第11話 じかん
「お嬢様! サブレさん!」
「……いたたた、大丈夫でしてようちの子。全身レジェンダリーの私がこの程度どうってことないですわ!」
「お嬢様、ホワイト様! 私も無事です。まだ戦えます!」
ふたりは大破した扇風機カーゴの元へと駆け寄る。
「うちの子!! あなた怪我してるじゃないの!!!!」
「ホワイト様!!!!」
ドリーマーエノキングのえのきに被弾し、前面カバーが半壊した扇風機。
「俺は無事ですお嬢様、サブレさん。それより俺をカーゴから剥がしてください」
サブレがカーゴと合体していた扇風機を手早く外す。
「人族! 珍妙族! 正々堂々執行タイムのじかんだ!! もう逃がさん!!」
死の足音をたて距離を詰めてくるえのき軍団とその親玉。
「命燃え尽きようとも、やるしかなくってよ!」
「お嬢様、ホワイト様! お守り致します!」
くっそ、どうすればいい。ここで終わるのか俺たちは…………。お嬢様、サブレさんだけでもどうにか…………。
……ん? この感覚は焦っていて気付かなかったが、俺の中に何かチカラがストックされ溜まっているのがわかる。
これは……。じかんだ!!!!
「お嬢様! 俺のつまみをおもいっきり回してください!!!!」
「つまみ?」
「俺の足元の4つの突起の上にあるやつです!」
「これね! わかったわうちの子! また、何か魅せてくれるんでして!! いきますわーーーーー、えいっ!!」
どぅるるるるるるる。扇風機のつまみが高貴な指先で回される。
その瞬間、ミラクルとアオとドリーム色のケーブルが俺たち3人を繋ぐ。身体が黄金ミラクル色に輝く扇風機、お嬢様、サブレたち。
「これは……!! ものすごいチカラを感じますわーーーーーーーー」
「すごい、溢れてきます!! これがホワイト様の希望の光、お嬢様パワー……!!!!」
「説明してる暇はありません! 逆転タイムのじかんです。お嬢様! サブレさん! 行きましょう!!!!」
「ええ、よろしくって!! 逆転タイムのじかんですわーーーー!!!!」
「逆転タイムのじかん! ドリーマータイム!」
「ドリーマーエノキング覚悟はよろしくって?」
「むむ、珍妙な!! だが、何をしようとももう遅い!! 正々堂々執行!! 一斉ドリーマーショットガン、一斉ドリーマー胞子スペシャルだ!! 人族! 珍妙族!」
えのきの軍勢が総攻撃の弾幕をお嬢様パーティに撃ち込む。
「じかんだ!」
「じかん!」
「じかんですわ!」
「エンジェリックエレガントドリーマータイムハリケーーーーン!!!!!!」
エレガントでドリーマーな暴風が扇風機から吹き荒れる。
高貴な暴風がえのきの弾幕を呑み込む。
「むむ、我の正々堂々一斉攻撃が消されただと!!!! だが、ドリーマーなら効かぬ!!!!」
ドリーマーエノキングは硬質化したえのきを前面に集め防御の体制を取る。
「どりぐおおおおおおおおおおおおおお」
エンジェリックでエレガントでドリーマーな暴風に飲まれたえのきの軍勢と親玉は塵となり吹き飛ばされていった。
そしてストックされたじかんは切れた。3人を包んでいた黄金ミラクル色のオーラはパッと空に消えた。
「ハァハァハァ…………。勝てましたわーーーー、まじゅーゆに!! うちの子!! サブレ!!」
「はぁはぁ……やった、やりました!! お嬢様! ホワイト様!」
「お嬢様! サブレさん! おつかれ様です!! いやー、もう動けない!! あのえのき、ざまぁみやがれ……!!」
「弱! 休んでください、お嬢様、サブレさん」
「ふふ、はぁーーーー、ここちよいですわーー」
「ホワイト様の勝利の息吹…………」
魔十遊ドリーマーエノキングと扇風機、お嬢様、サブレたちの戦いの結末は。
青空の下、大地に、少し強い弱風が吹いた。
扇風機お嬢様無双、第11話までお読み下さりありがとうございます。
ハイテンションでエレガントでドリーマーな風に乗り駆け抜けて来ました扇風機お嬢様。
まだまだ物語はつづきます。ハイテンションでエンジェリックでエレガントでドリーマーなお嬢様一行パーティの活躍を見守っていて下さい。今後ともよろしくお願いします。
では




