邂逅
3話目
午後5時、辺りはだいぶ暗くなり、刺すような北風が頬をひやしながら街を通り抜けていく、そんな中、駅から降りてすぐ、瀟洒なビルの1階にある喫茶店の扉を開け中へ入る。定員は無愛想に豆をガリガリやっている。
店内を見渡すと、一際目立つ男がいる。
そいつが目的の吉田テトリス、私はそいつのいる席へ向かい、向かいに座った。
「よう元気か」と声をかけるとそいつは、「何の用だ」
と素っ気なく返してきた、「一つ、売れる小説のネタはないか」「またそれか、だいたい大学へも行かずにまだ、そんなことにかまけているのか、お前は才能がない、あれだけ書いて一つも面白くないなんて、常人にできることじゃない」
「そんなことを言ってもらうためにこんなとこまで来たんじゃない」私はぶっきらぼうにそう返した。
このテトリスと言う男は大の変人だ、まともぶっちゃあいるが、怪異だの異世界どの、どこぞのオカルト雑誌に出てきそうなものを、盲信している。先日などは、
北海道まで連れてかれた挙げ句、雪の降る中5時間ぶっ続けで訳のわからぬ呪文を唱えさせられた、
それでも旅費を奢ってくれたから良しとしたのだ。
「それなら一つ話をしようか、」
「僕と対話をしてみないか?」
全く意味がわからない、現在進行形で話しているのだ
しかし、私には断るという選択肢は、よういされていないのだった。
感謝以外ありえない






