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夢桜  作者: 空亜
第1章
21/22

20.ロードの場合④

 


 目が覚めてから施設のみんなと食事をした後、ロードはカミサマ達がいるという塔へ向かった。


 塔の扉を開くとすぐ、うさぎのぬいぐるみだった。


「ナンノ ゴヨウ デスカ」

 カタコトで喋るそれは、どうやら違う言葉で喋っているようだがロードには自然と何を喋っているのか理解できた。これも魔法の一種だろうか。

「アクアに、会いたいんだけど」

「ドウゾ」


 黄色いうさぎのぬいぐるみは、トテトテと足音を立てて塔の中へ入って行った。

 塔の中へ入ると、そこは広いリビングと食堂が繋がった部屋になっている。部屋のソファにはオレンジ色の髪の少女が1人座って分厚い本を読んでいた。


「だれかしら?」

「えっ…っと、アクアに会いに来たんだけど」

「アクアは、お出かけ中よ。」

「えっと…じゃあ、ここで待っててもいい?」

「どうぞ」

 オレンジ色の髪の少女は微笑んで、ソファへロードを促した。

 この少女もぬいぐるみと同じで、違う言語で話しているようだが何故か話している意味はわかった。


「…君も、この世界のカミサマなの?」

「この世界を創った、と言う意味なら、そうよ」


 少女は微笑んだ顔のまま答えた。


「…名前はなんて言うの?僕はロード。」

「私は彩よ。よろしく、ロード」


 自己紹介をしあったタイミングで、扉の開く音がした。


「ロード、いらっしゃい。お姉ちゃん、ただいま」

「お帰りなさい、アクア」

 部屋に入ってきたのは金髪の少女---ロードが待っていた相手だ。ロードが塔にいることに特に驚いた様子もなく、ロードと彩に挨拶をする。


「…アクア、話があるんだけど」

「うん、そうだと思った」



 ♪



「え?なんでリゼットたちがこっちにいるか教えてくれなかったのかって?…ロード、あなたはリゼットが死後の世界にいるって聞いたら死ぬの?私はねロード。そういう選び方でこっちの世界に連れてくるのは嫌だったの。『生きて行くため』にこちらの世界に来ることを選んで欲しかったの。」


 アクアは悪びれもなく、当たり前の事のようにそう言った。言っている事はわかるが、どうにもそう簡単に納得はできない。


「…本当にアクアたちがこの世界を創ったの?」

「うん、そうだよ。小さい空間だけどね。ロードが触れた枝、覚えてる?あの枝は、この世界の軸になってる木の一部。あの木の力が大半を占めてるんだよ。」

「世界を創る魔法は、禁止されてるよ」

「…あぁ、ロードは魔法界出身だっけ。禁止されてるのは魔法界での話でしょ?」

「魔法界を知っているの?」

「もちろん。暮らした事もあるよ。魔法界を知っていると色々思うところはあると思うけど、大丈夫だよ。」

「…なにが、大丈夫なの」

「私がなんとかするから。人間界や魔法界で私ができる事って少ないけど、この世界なら出来るから。この世界はね、夢が実現した世界だよ。現実であって現実じゃないの。でも現実だよ。」

「……?」

「私が皆んなを守るよ」


 どういう意味なのだろうか。何から守るというのだろう。ロードが口を開いて言いかけた時、騒がしい声とともにドアが開いた。


「ただいまぁー!あ、うさぴんょんただいま!」

 部屋に入ってきたのはまた、少女だった。先ほど出迎えたウサギのぬいぐるみを抱いている。


「…ん?その人は?」

「おかえりなさい、風呼」

「おかえり風呼!この人は昨日来たばかりのロードだよ。カトリーヌたちの友達!」

「あぁ!!ロード、さん?初めまして、風呼です」

「あ…えーっと…」


 ただいまと言って塔に帰って来たという事は、この少女もカミサマなのだろうか?ロードが悩んでいると、その心を見透かしたかのようにアクアが「風呼は私たちの仲間だよ」と言った。


「風呼、ファミールと一緒じゃなかったの?」

「そー!一緒だったんだけどねー…なんか景子さんやハマさんのやる事に興味深々で夢中になってるから預けてきちゃった!でね、あたしアクアに話があって戻ってきたんだよね!アクアが塔に戻る気配感じたからね!ね、布が実る木とか欲しくない?」

「布かぁ。ワタの木さえないもんねぇ」

「でしょ?!今、服とか調達しようと思ったらあっち戻らないとだし、ここで作れるようになった方がいいと思うんだよね!!東の森とかなんかよくわかんない実が成るじゃん?それと同じ感じで実らないかなあ?!」

「う〜ん。どうだろ、思い通りになるかなあ。東の森の木はね、魔法界…魔法使いの国から持ってきた植物も多いし、その上、予想外な進化と突然変異の結果ああなっちゃっただけで、わざとじゃないから」

「え〜〜そっかぁ…」

「でも、とりあえず突然変異を願って育ててみる?」

「!!!うん、やってみようよ!!」

「明日にでも、ワタの木とか、そういうのになりそうな木の種とか持ってくるね」

「うん!うん!!ありがとうアクア!!!」


 風呼というカミサマはアクアと違い、子供らしい表情豊かな少女だとロードは思いながら会話を聞いていた。


「あ、ロードさんごめん!なんかアクアと話し中だった?」

 風呼はロードがいる事を思い出したかのように急にロードに話しかけるので、ロードは思わず「あ…いや…」としか言えなかったが、風呼は気にせずまた疑問を重ねる。


「ロードさんは島の体験終わった?!あたし案内しようか?あ、カトリーヌやマリア達にもうしてもらった?」

「や…まだ…」

「よし、じゃあ行こうよ!!」

「えっ」

「あ、待って風呼、オウキはどこにいるかわかる?」

「ミカと大地と夕美さんたちと一緒に東の森で遊んでるみたいだよ!」

「そっかそっか。ありがと」

「じゃあ行ってくるね!ロードさんいこ!」

  「え、ちょ、まっ」


 風呼はまた返事を待たずにロードの手を引き塔を出た。

 そうしてロードはその日一日中、カミサマである風呼に島中を案内つれまわされ、リゼットに「どこ行ってたのよ!!」とまた泣きつかれることになるのだった。


なんかルビとか改行とかが簡単に出来る機能が出来てる!

そのうち前の回のそういうとことかも含めて手直しします_(:3」∠)_

その時は書く事に必死すぎて気づかない事も、後から見直すと、なんやこらぁー!?ってなりまよね。あるある

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