第一章第一幕 自己紹介
説明回です
――改めて自己紹介といこう
そう言って一番大きな建物に向かい、俺は応接室のような場所に案内された。
しばらくして、オジサンと先程の生首さん、知らない高校生くらいの見た目の女性の3人が入ってきた。
「はじめまして。私はシンガル・ポルトランドという。この部隊の指揮官でもある」
「はじめまして。日本から来ました日野本樹といいます」
「名前がモトキで合っているかい?」
「はい」
西洋風であり、普通名前は前にあるはずなのに後ろの本樹が名前だとすぐにわかったんだろう?
「私はネシア・インタルドと申します」
「マーレ・シアンです」
初見の女性、生首さんの順で自己紹介をしてくれた。落ち着いてみると生首さん―マーレさんは中学生くらいの美少女だった
「さて、早速なんだが謝りたいことが二つほどある」
「はあ」
想像もつかないが嫌な予感はする
「まず一つ目だが、ここは極秘の部隊でな。部外者に知られるのはあまりよくない」
よくあるパターンだな
「そこでまず君にはここで死ぬか、我々の仲間になるかを選んでもらいたい」
「仲間になります」
考えるまでもない。いきなり死にたくはないし、何より俺の異世界ライフは始まったばかりなんだ!
「即答だね…。もう少し考えてもいいんじゃないか?」
「いきなり死にたくはありませんから」
「それもそうだな。では二つ目だ」
そういえば二つほど謝ることがあると行っていたな
「君がここに来てしまったのは我々のせいだ」
「えっ…」
いきなりネタばらしっすか!?
こういうのは後半になってわかるものなんじゃ!?
混乱する俺をよそに話は進んでいく
「その前にまずこの部隊がどういうものなのかを説明させてくれ」
「はい」
「ここは魔法と科学を駆使して人工的に作られた体に超能力を宿したいわば『人造人間』を研究しているところだ。我々はその超能力を持つものを機巧騎士と呼称している」
なるほど
「ちなみに私を含むここにいる3人とも機巧騎士だ」
「えっ!?」
全然わからない…。どっからどう見ても人間だ
「我々は国の命令で悪魔に対抗するための一騎当千の力を持つ兵士を育てることを命じられた」
この世界には悪魔がいて人類に敵対している、と
「そこで最近になって採掘された希少な金属であり、膨大な魔力を内包していることがわかっていたある結晶に注目した」
「それがこれ、魔結晶だよ」
そういってマーレさんが机の上においたのは手のひらサイズの透明な石、いや結晶だった
「これがその魔結晶なんですか?」
「そうだ。そして研究を重ねるうちにあることが判明した」
こっからが本番かな?
「この結晶に生体魔力と呼ばれる人間がもともと持っている魔力を注ぐと超自然的な現象が起こった。それらはどれも違った現象を引き起こした」
ふむふむ
「しかし、ある研究者がやり過ぎてな、暴発して研究所が周りもろともふっとんでしまってな」
…おい
「当然、ほとんどの研究者が殉職してしまった。」
「ほとんど?」
「ああ。首都に報告に行っていた研究者が数名いてな」
運のいい人たちだな
「その研究者たちは田舎に移動して周りに迷惑のかからない場所に移動して研究を続けた。それがここだ」
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