8話 仲良くなるには
今年も夏が終わる・・・まぁそんなことは良いんだけど。むしろ暑いのではやく過ぎ去って欲しい。
でも夏アニメが終わるのはつらい~
今期は原作がコミックのものが多くて中でもりょこどるは面白かったな~。
特に後半が・・・あんな展開になるなんて。
ひとりぶつぶつ考えながらパソコンのキーボードを忙しく動かすわたし。
「あった・・・」
辿り着いた先はアニメのまとめサイト。
私は数ある記事の中から今期アニメの感想というページを開く。
期待とファンが入り混じるから無性にドキドキしてしまう。
「今期は微妙なのが多かったw」
「いやむしろひとつも面白くなかっただろ」
何だこの人たちは・・・・!
りょこどるあんなに面白かったのに。
・・・うんでも人の好みはそれぞれだけれども。
私は自分を納得させなんとか怒りを抑える。
あ、そういえば・・・
あおいさんもりょこどる好きだったっけ、確か聖地に行くって言っていたような?
私はまとめサイトを閉じてツイッターを開き
自分のフォローからあおいさんのページへと行く。
そういえば最近全然ツイッターにアクセスしてなかった。
「8月12日 コミケに行ってきました~!パルさんありがとうございました♪」
やっぱりコミケに行ったんだ。パルさん?誰だろう。確かだけどあおいさんの友達はヲタクでは無かったはず・・・
・・・・も、もしかしてこ、恋人とか?
「8月12日 買いたいものはだいだい買えたかな」
という投稿には写真が載っている。あおいさん随分買ったなー
私の好きなアニメの物もあってうずうずしてくる
うん。実際行ったら・・・(行くことは無いけれど)これぐらいは買ってしまうかもしれない。
「8月23日 今日は友達と遊んできました~。東京のお土産持っていったら
コミケに行ったのと聞かれてしまい素直にはいといいました」
少し笑ってしまった。そしてやっぱりコミケに一緒に行ったのは
いつもの友達では無かったみたい。
「おおいさん楽しそうだなー・・・」
そして私以外とももちろん交流があるわけで・・・
良くわからないけれど複雑な気持ちになってしまう。
あおいさんの友達・・・どんな人なんだろ。
私ももっとあおいさんと仲良く・・・。
「エレナ、ごはん出来たよ」
「は、はいっ」
考え始めたところで唐突にドア越しに呼ばれて私はつい敬語になってしまう。
そういえばパパ帰って来てたんだった。
うん・・・敬語?
あおいさんともずっと敬語で話してる。
ため口は苦手だったけれどもあおいさんともう少し楽に話せたらいいなー
ー
パソコンをシャットダウンし居間へとむかうと
食卓にお昼ごはんのそうめんが置かれていた。夏だね・・・。
向かい合い椅子に座るとパパは早速質問を投げかけてきた。
「あおいさんに話せたのか?」
「うん、大丈夫だった・・・パパあのね」
「なんだ?」
「人と仲良くなるにはため口の方がいいとおもう?」
「どうだろうな。ため口でも敬語でも仲の良い友達ってのは
いるからな。エレナはどうしたいんだ」
「ほんとはため口で話したいなってー・・・」
「じゃあそのこともあおいさんに相談したらいいんじゃないか?」
「そっか・・・」
何故かパパに放棄された気がするけど一理ある。
あおいさんならきっと大丈夫・・・。
この前の件であおいさんに何か打ち明けることにすっかり安心してしまった私がいる。
ー
お昼ごはんを食べ終えて部屋へと戻り
私は早速あおいさんへとメールをする。
『あおいさんとつぜんですがこれからはためぐちではなしても
いいですか』
すぐにお返事が来るかもしれないとしばらくスマホでサイトめぐりなど
しながら待っていたけれど来なかった。
うーん・・・
それからベッドに寝転がりまんがを1冊読み終わった辺りで
お返事が・・・。
『エレナちゃんメールありがとう~!もちろんいいよ(^^)
私もその方が嬉しいな』
良かった大丈夫だった・・・!
それから早速打ってみるも
『ありがとうさっそくつかうね』
こ、これは・・・すごく照れる
思えばパパ以外に砕けた話し方しないんだよね(友達もいないし)
などと考えているうちに次のメールが来る。
『早速使ってくれてありがとう!これからももっと仲良くなれる気がするよ』
なんとも嬉しいお言葉が・・・!
あおいさんも仲良くなりたいって思ってくれてるんだなーと考えると
またなにか嬉しいものが込み上げてくる。