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3話 脱引きこもり

7月10日


9日はやっぱりなかなか寝付けなくて

朝5時に睡魔が襲ってきてくれたおかげで眠ると・・・目覚めたのは7月10日13時だった。


『今日楽しみですね。晴れることを祈ります><』


朝7時に受信されたらしいセーキさんからのメールを読み、窓から外を確認すると蒼い空がひろがていた。

いつ雨が降ってたの・・・!?


それにしても

逃げたい

とっても

逃げたい

われながら意志の弱さが嫌になるが

もう雨に濡れた子犬のように全身震えてだめだった。



とりあえず気を紛らわせよう。とてもいられないよ。

待ち合わせは18時だから時間が少々ある。


「そうだ・・・この前録画したアニメの音楽特番みよう」


私ははテレビを付けHDDを起動させ録画していたアニメの音楽の特番を再生。


「わーこのアニソン懐かしい・・・あこの曲好き。ゆいちゃん・・・!」


大好きな声優ゆいちゃんの出番が来るとふとターキーさんと話した時の事を想い出す。


「ターキーさんと話せて楽しかった・・・・」


自分でも不思議なくらいそんな感情が沸き起こっていた。


「それにしてもゆいちゃんかわいいなー!」



最後まで視聴を終え時刻は16時。

前に通販で買ったお洋服をハンガーから取って着替えようと椅子から立とうとすると

ターキさんからのメールを受信。


『ミルクセーキさんこんばんは(^^)晴れて良かったですね!

学校が終わって自宅で着替えてから行きますね^^

本日はよろしくお願いいたします』


『よろしくお願いいたします。緊張しますね』


『私も緊張します(^^;)』


私が返すとまたもやターキさんからの返事がはやくも。

ターキーさんの緊張とは何かが違う気がするー・・・。




着替えを終えて

ベッドに座すると17時になってしまっていた。深呼吸なんかを繰り返してみる。

効果はあまり感じない。


「はぁ・・・わたしほんとうに行くのかな・・・」


まだ逃げたい気持ちは消えない・・・

しかしこのまま行かなかったらターキーさんを傷付ける。

葛藤・・・


「行くしかない・・・決めたんだから」


玄関へと向かい靴を履きいよいよ玄関の扉へと手をかける


「普段運送屋さんと対面する時ぐらいしか開けない扉開け放つよ」


私は恐る恐る扉を開け外の風に触れる。

いつもなら運送屋さんと対面してこれで終わりだけれど・・・

今日はこの先をずっと歩んでいかなければならなかった。


「あつい・・・・」


外に出るなり太陽がじりじりと身体を焼き付けてきた。太陽はなんて引きこもりに厳しい。

きっと世界で太陽に一瞬で負けるのは引きこもりと吸血鬼かもしれない・・・。

地面には水たまりがあって、やっぱり雨も降ったんだーと感心。

そういえば・・・自然を感じるのも久しぶり。


夏はやっぱりいやだな・・・あついな。

そんな夏に負けそうになりつつも重い足を進ませる。

幸い人通りが少ない街に住んでるせいかひとまず歩く人とは行き会うことは無かった。


「疲れた。のどかわいた・・・」


まだ3歩しか歩いていないけれど。

疲れとのど渇いたのが襲ってきた。弱い・・・弱いよぉ。

家に帰る・・・い、いや今一度帰ったらきっと家のクーラーの快適さに外に出るのをやめる。

耐えるんだ・・・わたし。


ゆーっくりゆーっくりと歩みを進めていくと

赤い機体が眼に入る。


「なにこれ・・・ジュースはいってる!」


あぁ!アニメで見たことある。確か・・・そう自動販売機。これで奢られると美味しいらしい。

そんな相手もいないのだけれど

いやそれよりも・・・


「コーラ飲みたい。どうやって使うんだろう・・・わかんない」


使い方すらわからない・・・。

説明も書いていないなんて不親切だなー?

・・・諦めよう。


「ひっ、ひとっ・・・」


前面を歩いてくるお母さんと幼稚園児ぐらいの小さな子供。私はおもわず石のごとく硬直して歩めなくなる。

とうとう人と会ってしまった。

でも親子は私の存在に1ミリも気づくことすらなく通り過ぎていく。

良かった・・・。分かっていたけれど存在感は薄いらしい。


「メール?」


また少し歩みすすめたところでかばんから固定的な着信音が鳴り

もしかしてと考えなくても、主はターキさんしかいないのだけどと思いつつスマホを取り出す。


『こんばんは、今からそちらへ向かうところです!学校から帰宅するのが遅くなってしまったため

到着が遅くなるかもしれません(><)すいません』


『大丈夫です。私も遅くなるかもしれないので』


送信し終え。仕舞おうとしたところで返事が来る。


『何かあったのですか?大丈夫ですか?』


私のメールは心配させてしまったようで。


「久しぶりの外に戸惑っているなんて・・・言えるはずがない・・・」


『あ、大丈夫です。家の事情です』


学校が遅くなったなんて言おうとしたが

ウソにウソ重ねるのが心苦しい

と悩ましくなっていると返信来たる。


『了解いたしました(><)困ったことがあったらいつでもいってくださいね』


「ターキさん・・・・・・」


信頼できているわけではないけどターキさんのそんな優しさが少しは嬉しかった。

必ず行こう・・・そう決意し私は足取りをすすめた。



人に脅えること数回、街の出来事に驚くこと3回

ようやく到着した待ち合わせの公園のベンチに座り息切れする。

正直もう疲れた・・・。

遅い時間もあってか未だに噴水とベンチだけで形成されれいた公園には人がいない。

私としては嬉しい。


「17時10分・・・もしかしたらターキさん来ないのでは。それにしても

ターキさんって・・・どんな人なんだろう。名前からして筋肉質な女の子かな」


「17時15分になった。来ない帰る。今がチャンス・・・」


スマホを出したりしまったりしながら頻繁に時間を確認。

時間だけが過ぎていく。

帰りたい・・・。

時間が増すごとに緊張していく。

ターキーさんには事情をあとで説明しよう。帰ろう。

さっきの決意も放棄寸前で立ち上がろうとした。けどこちらに向かってくる人影に行為を阻まれる。


「え・・・」


夏という事もあり

完全に日が落ちてないおかげでその姿は遠目からでも良く確認できた。

もしかしてイメージと違う女の子!?

ちなみにイメージしていたのはマッチョ体系の強そうな女の子である。


呆然と眺めていると女の子はもうすぐ目の前に現れていたその女の子は

らりと背が高い(だいたい143cmの私の半分くらいはある)、腰辺りまでかかる茶髪のロングヘアーの

可愛い女の子だった。

可愛い・・・!

可愛い女の子好きとしてはまた別の意味で緊張してしまった。


「ミルクセーキさんですか?」


「えっ・・・あハイ」


わーなんか声まで優しい。


「あー良かった!すいません、遅れてしまって」


「あ・・・いいですょぉ」


申し訳なさそうに謝るターキーさんに

しゃべるうちにどんどんすごい小声になりながらもなんとか返事を返すと

今度は少し照れたような笑顔で


「ありがとうございます・・・!なんだかすごく可愛いらしくて別の意味で緊張しちゃいます」


とても信じられないような言葉をターキーさんは浴びせる。私が・・・可愛い?

ターキーさんの方が断然可愛いのに。


「あ・・・可愛いなんてことは。はいよろしくお願いします・・・」


「よろしくお願いします。あ、そろそ街の方へ行きましょうか?」


「はい・・・え?」


そういえば完全に忘れたけれど

今日私はおでかけに誘われていたのだった。それは街にも行くよね。公園が目的でそこでお話ししてさよなら~って日程かと勘違いしてた・・・。

どうしよう街かぁ・・・。街といったら人がたくさんいるはず。


目の前の美人のお姉さんに救いのまなざしを向けると

どうしたんだろうという風に私を見ている。

本当の事は言えない・・・。


「えーと大丈夫ですか?」


「あ、はい。行きます・・・」




いや・・・どうしよう恥ずかしい

人と歩くことないから恥ずかしい。しかも可愛い女の子と歩くことないからどうしたらいいか分からないよ。

私は・・・人がいる街に行く前に。お姉さんに緊張してしまっている。

並んでとなりを歩いてい・・・・あれ?

横を見るとそこには家の塀だけしかなかった。

慌てて探そうとしたところ


「あ、あれ・・・?すいません!歩くの速かったですか?」


ターキーさんが掛け声とともにこちらへと向かっている。

どうやらいつの間にかターキーさんは前を歩いていたらしい。

そういえば・・・私歩くのが遅いんだった・・・。


「い、いえ」


「一緒に歩きましょ」


「・・・でもわたし遅いのでご迷惑を」


「いいよ~気にしないで?」


ターキーさんは再び私の隣に並び直し歩き出す。

何故だか楽しそう・・・。


店などが立ち並ぶ街中へと行くと想像通り人間が大勢いた。

こわさのあまりあまり姿を確認できないのだけれど。

どうしよう・・・こわくてしょうがない。

私は少し俯き加減になってしまう。

どうしよう・・・ターキーさんに変に思われるかな。

そもそも・・・。


「ミルクセーキさんお腹すきませんか?ドーナツ食べませんか?」


「は、はいっ」


ターキーさんに急に話しかけられてどきっとしてしまったけれど。

ネガティブ回路に陥る寸前で現実世界に何とか戻ることが出来た。

えーと・・・ドーナツ

私はいつの間に辿り着いたのかもわからない、こじんまりしたドーナツショップというものを見上げる。

なんだろう・・・これ。ドーナツ?とは?


「もし嫌でしたらほかのお店でも」


「い、いえ大丈夫・・・ですが初めてで」


言ってから、ドーナツが初めてって言うのは変だったかなと

焦ったけど大丈夫だったようで。


「あ、そうだったのですね。とても美味しいですよ」


「はい・・・。ではおじゃまします」


ターキーさんはごく普通に受け流した。

ドーナツが初めての人ってたくさんいるのかな?



お店の中に入ると、レジ下のガラスケースの中にドーナツがたくさん並んでいた。

・・・なんかいいにおいだしすごく美味しそう。


「レジに行って注文するんですよ」


「え、レジの人に・・・ですか?」


そうかあれはレジの人に言わないと食べられないものなのか。

ハードル高い・・・ターキーさんと話すだけで精一杯なのに。

やっぱり現実世界で生きていくのは厳しい。


「良かったら、ミルクセーキさんの分も注文してきますよ」


「あ、いえ・・・そんな」


いやここで断ったらドーナツというものが食べられない・・・


「お願いして・・・いいでしょうか?」


私はカバンから財布を取り出し両手に握った千円札をターキーさんに渡す。


「いいよ~ミルクセーキさんは何が食べたいかな?」


「おまかせで・・・・」


とても種類が多くてどれを頼めば良いかわからない。


「わかった。じゃあ買ってくるから席で待っててね」


ターキーさんは私を残しレジへと向かう。

席か・・・店内には数席あってそこそこ埋まっている。

一番端っこの席に行こう・・・

と決意し私は俯き加減で席へと向かう。




「お待たせしました~」


席へと着いてちょっとしたころ

ターキーさんがやってきて、両手に持っていたトレーの上の

皿をテーブルに置く。


「チョコといちごドーナツにしたのですが、気に入っていただけると嬉しいです!」


「は・・はいありがとうございます」


なんてカラフルなんだろう・・・。

これがドーナツ?なの?すごく美味しそう・・・!


「飲み物はオレンジジュースで良かったですか?」


「は・・・はいすきです」


「良かった~・・です!」


ターキーさんはやっぱり住む世界が違うのかも・・・。

ぎこちない私に対して、ずっと笑顔でいてくれるのは有難くて嬉しいのだけれど・・・どことなく切なくもなる。


「お釣りです」


「あ・・・はい」


物を並べ終えようやくして席へとついたターキーさんは

両手を差し出したわたしに小銭を渡す。

随分・・・小銭がじゃらじゃらと。ドーナツって安いのかな?

でもまぁそんなことより・・・ドーナツをはやく食べたい!


食べてもいいですか?と言葉に出さず

目だけで伝えようとする私もなかなかずるい。


「では、食べましょうか?」


「は、はい」


通じた・・・のかな?


まずはチョコレートドーナツの方をちょこっとかじってみる。

う・・・う・・・うんまぁーーーいいいい!チョコのやつぅーーーーーー!

普段カップラーメンしか食べてないから甘いのがすごく美味しく感じる。

もちろんカップラーメンも最高に美味しんだけど


「ミルクセーキさん、美味しいですか?」


「あ、はい」


「良かったです・・・!」


そういえば人と向かい合う食事って久しぶりだなぁ。

そう考えたらますます緊張しちゃう。

私は赤面して僅かにターキーさんから目を逸らす。


「私ミルクセーキさんのイラストすごくかわいくて気に入っていたのですけど

こんなに可愛いい方が描いてると思いませんでした」


まるで天使にでもあったかのようにやんわりとした表情をターキーさんは浮かべる。

か、可愛い・・・?

さっきから可愛いと言われてるけど私はそんな・・・


「かわいいくないです・・・」


「そんなことないですよ、自信を持ってください」


「は・・はい」


自信を持つのはなかなか難しい要望かもしれないけれど

そこまで言ってくれるのは嬉しいな・・・。


「えーと・・・あとその本名聞いても大丈夫ですか?あと、ため口で話してもいいですか?わたしは葵夏(あおい)です」


あおいさんという名前なのか。

私の名前は本名か・・・本名ぐらいなら支障ないかな?


「はい大丈夫です。わたしはエレナです」


「エレナ…エレナちゃん!可愛い~。エレナちゃんって呼んでいいかな?・・・あとエレナちゃんも敬語じゃなくていいよ」


「いいですよ。いえ、あおいさん・・・は年上なので・・・」


「そうなんだ、エレナちゃんはしっかりしてるんだね」


あおいさんは関心のまなざしでわたしを見つめる。

本当は単にため口が慣れてないだけなの。でも折角褒められたから言わないでおこうかな。


「エレナちゃん何処か行きたいところとかあるかな?」


「えーと・・・とくにはないです・・・」


どこにどんなお店があるのかわからない。


「この辺りにアニメグッズが売っている中古のお店が

あるのだけれどそこに行ってみようか?」


「はい・・・そこでお願いします」



食事を終え外へと出ると

先ほどより真っ暗な空になっていた。

人の姿がうやむやになるから、暗い方がいいな…。


「時間遅くなってきたけど大丈夫?お家の人心配してない?」


「・・・・大丈夫です」


親は・・・お父さんはずっと留守にしてるんだよね。

あおいさんに言うまでの事でもないかとその情報は内に仕舞った。


「そっか。じゃあ行こうか」


2人はドーナツショップりよりほど近い中古ショップへと向かう。

相変わらず私の歩くスペースは亀さん並だけれどだあおいさんは合わせてくれている。

有難い。


ドーナツショップからわりと近いところに中古屋さんはあった。

こちらもこじんまりとしている。

看板が錆びていておそらく長年経営されているのだはとひきこもりのみで考察なんかしてみる。


「小さいけど結構レアなものがあるんだよ~」


「そうですか・・・」


お店に入ると狭いのにびっしりとフイギュアやキーホルダーのアニメグッズが並べられていた。

なるほどこれはレアなものがありそう・・・!ワクワクしてきた・・・!


「一緒に見て回る?それとも別々に見て回る?」


「えー・・・あの」


人気が無いけれどまだあおいさんから離れてみて回る勇気は全くない。

だから言わないと・・・


「いい、いっ一緒がいいですっ・・・!」


「・・・ありがとう!じゃあ一緒に視ようか」


波長の安定しない声で精一杯に伝えるとあおいさんは快く承諾してくれた。

良かった・・・。


あおいさんと店内を見て回っていると私は動揺するくらいの代物を発見して思わず足を止めた。

ガラスケースの中一筋の光を放つ(てるように見えてしまう)

列蛇の炎の水子ちゃん・・・!ネットショップであまり出回ることが無くて

誰かが手放したものがネットに売られても5万円クラスはする・・・。


「あ、水子ちゃん・・・」


(あれ・・・そういえば列蛇の炎ずいぶん前に流行った漫画なのにあおいさんどうして知ってるんだろう)


聞けばはやいんだけれど

尋ねるコミュニケーション能力が無い。


「1万5千円なんだ・・・結構なお値段するね」


「えっ!?欲しいです・・・」


あおいさんの言葉に私は耳を疑う。1万5千円!?すごいめちゃくちゃ安い!!安いってもんじゃない!

ここで引き下がるわけにはいかないと私は財布からすばやく1万5千円を取り出す。


「お、お金持ち!?」


と取り出したところでどう先へ進めばいいかわからなくて

お札を手にしたままたじたじ。


「どうすれば・・・」


「店員さんに言ったら鍵開けてもらえるかも?」


え、ここでも店員さんという高いハードルがあるの?

どうしようか困っていると救いの手が。


「良かったら言って来ようか?」


「は・・・はいお願いします」


あおいさん何度もごめんなさい・・・。



「これを買うとは御嬢さんいいセンスしてるねぇ」


「は・・・はいありがとうございます」


レジからやってきたらしい中年男性の店員さんは

鍵を開けながら興味深そうに私を見やる。

見つめられるのが恥ずかしくてつい目を逸らしてしまう。


「この御嬢さんは、ゆりちゃんのお友達?」


そんな私を気にしたのかしていないのか男性はあおいさんをトークのターゲットにかえる。


「はい、そうです!」


違うと言われたらどうしようソ心配してしまったけれどあおいさんはきっぱり

断言する。

認定してくれて嬉しい・・・・。でも隠していることがあるから100%は喜べない・・・。


「じゃあレジで精算するからね。おいで」


「は・・はい」


わたしたちは男性のあとを追いレジに行きお金をはらう。

お店のレジで買う感覚も久しぶり・・・。


「また買いに来てね・・・!列蛇の炎のグッズ探しておくからさ」


「はい・・・」


また来れるかはわからないけれど・・・

ともかく水子ちゃんが買えて良かった・・・

えへへ水子ちゃんっっ・・・!!

レジ袋に丁寧にいれてもらった水子ちゃんのフィギュアを持ちながら頬が緩みそうになった。


「買えて良かったね!」


「は、はい・・・っ!」


あ、いまあおいさんに頬が緩んだの見られたかな・・・

なんか恥ずかしいー。



お店を出るとすっかり日が落ちている。今何時ぐらいなんだろう。

いつ帰っても問題ないけれど。


「あれ・・・もうこんな暗くなっちっちゃったんだね。名残惜しいけど

今日はこの辺りで解散しようか」


「は・・・はい」


もう終わりか・・・

来るときはあんなに逃げ出したかったのに。少し切ない。

あれ?なんで・・・わたし寂しいの・・・?


「公園まで行こうか?」


「はい・・・」


わたしたちはすっかり真っ暗になってしまった空の下

公園まで戻った。


「今日はありがとう。楽しかったよ!また一緒に来ようね。ドーナツもまた一緒に食べよう」


「は・・・はい。こちらこそありがとうございます」


また一緒・・・・

私に出来るのかな。

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