神と不思議な空間
私は普通のOLでした。いや、少し普通とは違うかもしれません。普通の人に比べて私は大分幸運だったと思います。
どのくらい幸運だったか例をあげましょう。
・宝くじ(1等)がやった回数全部あたった。
・テストのやまがあたった。
・四つ葉のクローバーを1度に3つ以上見つけられる。
など、その他モロモロです。そして、私は今睡眠中のはずです。はずですが、
「ここどこ?」
真っ白な空間にいます。上も下も右も左もない、ただ真っ白い空間にいます。これは夢だと思いますが、
「‥‥痛い」
頬を引っ張りましたが痛いです。ここは現実と認識してよいのでしょう。嫌ですけど。
「やあ、君は花岡みおだね?」
後ろから声が聞こえました。振り替えると、そこには私と同じ年齢のく青年がいました。
「え?どうして私の名前を‥‥」
「簡単な話さ。それは僕が神様だからだよ」
「‥‥あなたは漆黒の翼とか俺の右手が疼くとかそういう類いの人ですか?」
「僕は中二病ってわけじゃないよ」
青年はため息をついた。なんかバカにされました。
「さっきも言ったように僕は神だ。そして、僕は君が許せない」
「へ?私なにかしました?」
「ああ、君は無自覚だろうけど他人の幸せを奪っているんだ」
「おうえええええ!?」
他人の幸せを奪っている!?いつの間にそんなことを!
私はいわゆる『悪女』ってことですか!?
「別の人の幸運を君は取っているんだ」
「さっきも言いましたね。いつの間に‥‥」
「‥‥君は『運そのものを取っている』んだ。だから他人の何倍も君は幸運だった。今までうまいぐわいにことが進んでいただろう?」
確かに自分はとても幸運でした。うまくいきすぎて怖いくらいでした。まさかその幸運は他人の幸運も混じっているなんて思いもよりませんでした。
「だから僕は君に天罰を下す!」
「えええええ!?」
マジもんの天罰きちゃいましたよ!どうしましょう!死んじゃいます!
「君は今からとある乙女ゲームの悪役に転生してもらう!精々そこで不幸になった人の気持ちを感じるんだな!」
「転生?‥‥‥ってことは、私死んじゃうんですか!?うそん!」
「まだ享年がきてない人間を殺すことは天界の規則に反するが」
駄目ですよ!規則破っちゃ駄目ですよ!それに天界の規則って凄そう。
「今の残りの寿命を転生後にくっつければ問題ない」
「私ものすごい長生きになるじゃないですか!嫌ですよそんな化け物みたいなの」
「神の命令は絶対だ!」
「なんか理不尽!!」
次の瞬間目の前が霞んできました。涙が出てきたかと思い、手を目に当てるが液体はどこにもありません。そして、薄れゆく意識の中である一言が聞こえました。
「これだけで終わるとは思うなよ!」
よくわからない青年の叫び声でした。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
「‥‥‥ん?」
今度はさっきの空間とは違い、真っ暗な空間です。
ああ、私は転生したんだと思いましたが違いました。ここはどこなんだろう。
「目覚めねたね?花岡みおさん」
「え?何で私の名前を?それにどこから‥‥」
「あなたの後ろよ」
振り替えるとさっきの青年ではなく、私と同じくらいの年齢の女性が立っていた。
女性は私に微笑みました。お美しい、美人なお方ですね。
「私は女神の中の1人よ。さっきの神と同じようなものよ」
「神様の次は女神様ですか。はぁ、1日にお空の向こうにいるような方と2回も会うなんて‥‥ついてるかついてないかわかりません」
「まあまああなたは運がいいんだからついてるってことでいいじゃない」
「‥‥‥そうですね」
そして、美人のお姉さまは私に説明してくれました。
「本来ならあなたはファル‥‥‥‥あ、さっきの青年ね。ファルの力で転生させられるはずだったけど、私が邪魔したの。だからあなたは今、私が作った空間にいるの」
「何故です?」
「んーファルは私の直属の部下にあたる子なの。だから私があの子のやったことの尻拭いをするためってこと」
んんん???言っていることがよくわかりません。あれですか?部下の失敗を上司がカバーするみたいな。
「尻拭いってあなたは私に何をしてくださるのですか?」
「そーねー、あなたを生き返らせたいところだけど‥‥‥」
生き返らせたいところ?私死んだんですか?え?うそん。
「あの子、結構段取りしていたみたいでね。あなたはもう転生するしかないっぽいのよ。しかも異世界に‥‥私の教育が行き届いてなかったばかりに‥ごめんなさいね」
「え?じゃあ私、もう友達と会えないってことですか?」
「そうね‥‥‥でも」
そんな!もう両親や友達に会えないなんて‥‥‥悲しすぎます!
「だからね?あたなの転生後、私がサポートするわ!」
「‥‥‥‥はい?」