願いという呪い
ツイッター投稿日:2015年7月13日
傾向:恋愛風味、切ない
「彼女とずっと友達でいられますように」
幼いころ、神様にそんな願い事をした。神様は願いを叶えてくれた。
神様はすごい。願い事が永遠に叶い続けるように、魔法をかけてくれた。
あれから十数年、ずっと変わらない友だち関係を築いている。
その間に僕の彼女への思いも変わり始めていた。
僕は彼女に恋をしていた。想いを伝えたけれど、振られてしまった。
想いを伝えたら良くも悪くも以前と同じではいられない。
そんな心配はいらなかったのだろうか。
振られはしたものの彼女は以前と同じ優しい笑みを、僕に向けてくれていた。
僕も表面上は仲の良い友人であり続けていたけれど、彼女の恋人になれないことが悲しかった。
「彼女とずっと友達でいられますように」
神様、僕は幼いころにそうお願いしたよ。
今彼女と恋人になれないのは僕のせい? それとも神様の魔法のせいなの?
願い事が永遠に叶い続ける、ずっと友達でいられる。
昔はそのことがとてもうれしくて、奇跡の魔法のように感じたよ。
だけど今は……僕と彼女の関係を「友達」の鎖で縛り付ける、呪いのようにしか思えない。
今も、きっとこれからも、僕たちは友達なんだろうな。