また会おう、その時は絶対ナツ! 五十七球目
五十七
少し前に日直を一緒にしたことがきっかけで仲良くなった、と話したと思う。
今回はそこらへんの詳細を小想に語って聞かせるスタイルでお送りする。
「僕とFさんは、最初から許嫁だったわけじゃない」
「そうなんですね。やっぱり、政略結婚とかなんですか?」
「うーん、僕は違うかな。Fさんは一般の人だし」
「違うんですか! だ、だって夜夏さんの家――中野グループは世界でも有数の名の知られた大企業だ、ってお父さんから聞きました。わたしが小さいときから飲んでるお茶やジュースも商品の1つでした。ほかにも……たくさんあります」
「うんありがとう。全従業員さんに聞かせてあげたいくらいだ」
「……てっきりFさんもどこかの御令嬢なのかと勝手に思って。でも、なんで一般のFさんを許嫁に? 失礼は承知の上でお聞きしたいです」
「失礼とか気にしなくていいよ。場を設けたのは僕だし」
「そうですか?」
「単純にイメージアップ戦略ってやつかな。今の社長――僕の父親の結婚相手も一般の人なんだ。あんまり恋路などをビジネスに持ち込みたくないんだと思う」
「ジンクスみたいな感じでしょうか。もしそうなら少しロマンチックなお父さまですね」
「ロマンチック……親父をロマンチストだとか考えたこともなかった。たしかにそれはあるのかもな。小想に気づかされるとは、まさかだった」
「褒めてもらえて嬉しいです」
「まあ、それは置いといて。Fさんとはじめて会ったのは中学一年のとき。いわゆる入学式の日といった、ありふれた出会い方――ではなかった」
「どちらかが転校生とか、ですか?]
「そうじゃない。同じクラスで、もちろん顔見知りではあった。けど、僕は周りから腫れ物扱いされて孤独だったし、Fさんは人見知りが激しい性格で、僕とは違う理由で友達ができなかった」
「Fさん、わたしとよく似ている方なんですね。親近感が湧きます」
「かもね。そんなFさんと五月の梅雨に差しかかったある日、話すきっかけが訪れた」
「日直とかですか? それとも、運動会のパートナーなんかも憧れます」
「同じ組や作業担当になるのはたしかにいいね。きっかけは、偶然同じ日になった日直だった」
「偶然?」
「日直はサイクル性で通常であれば、僕とFさんは被らなかった。でも、日直の人が休んでしまって翌日が日直だった僕が代わりにやることになったんだ」
「もうそこから運命感じますね」
「偶然だったのか、必然だったのか、侑子さんならわかるんかな」
「?」
「あはは……なんでもないなんでもない。続けようか」
ご無沙汰してます、友城です。
今回は、次回もですが会話のみの回になります。案外セリフ考えるの苦手です。会話という名の説明文になりがちですから。
もっとフランクに繋げられたらいいな、と。文の詰め込み癖ですかね。空白を愛せない病。
次回は未定。




