また会おう、その時は絶対ナツ! 五十三球目
五十三
「――真卯の努力は、真卯が思っている以上の人が知っているはずですから」
「…………」
真卯が長い間を生む。
さっきの言葉の意味は理解できなかったが、これは理解できたようだ。
思えば。
ここに来る前は不安でいっぱいだったのだ。本題の明日の助っ人でもある自分らのプレイスタイルに文句や不満を言われるんじゃないか、チェンジを要求されるんじゃないか、そうなる前に自分が〝使える〟人と認めてもらいたい一心があったのかもしれない。
僕たちはヒメの性格をわかっているが、三人はどこに地雷があるとかわかりやしない。食堂でああいう振る舞いでも、いざ勝負事になるとムキになる人がいるのはたしかだ。
野球対決が始まってからずっと真剣に緊張したような面持ちだったのは、こういった葛藤があったからだろうか。
……まあ、全部僕の想像でしかないんだけど。
「それでも、もし……今の居場所を誰かに取られ、挫けてしまいそうでしたら、私を頼ってくれてかまいませんわ。たいしたことはできませんが」
ヒメがお母さんのようにお姉さんのように優しく微笑む。僕も、あの笑顔に助けられたことは何度もある。
「……なんで、お兄ちゃんやお嬢さまたちは真卯たちに優しいの? 会ったばかりなのに……」
素朴な疑問をぶつけられる。
だけど――
その答えは、僕でなくてもわかっている。
ヒメは迷うことなく言った。
「違いますわ。私たちが優しいんじゃありません。真卯たちが、私たちを受け入れる優しさを持ち合わせていましたから、それに甘えているだけに過ぎませんわ」
それを聞いて、一同が頷いた。
「そうだな。どんな助っ人でもかまわなかったけど、気が合いそうであたしは嬉しいぜ」
「わたしも、どんな人たちが来るのかなー、って不安だったけど、今は全然大丈夫だよ。きっと三人ともが、優しいからだと思う」
「バファ○ンの半分と~残りの半分が優しさでできているみたいですね~」
また南雲ちゃんがおどけたことを。
いや、それ優しさの薬じゃん! と内心でツッコミ。
「みんな同じだったみたいですわね。私じゃなくとも、みんな私が誇りに思う頼れる友です。きっと誰に聞いても、あなた方の悩みを真剣に考えてくれますわ」
「おうよ」
莉乃の歯を見せた笑みは本当、心強い。
「なんでも言ってね。わたしにできるのは、一緒にいてあげるくらいかもだけど」
充分だと僕は思うけどね。それが冬葉のいいところ。
「三人だったら~南雲のお胸を~触ってもいいですよ~? リラックス? 効果もあるみたいなので~」
(夜夏)――ん? その三人の中に僕は入ってますか?
(冬葉)――普通に小想ちゃんと雪華ちゃんと真卯ちゃんだと思うよ。でも、もし仮に夜夏くんが入っていたとしたら……。
(夜夏)――ふ、冬葉……?
(冬葉)――わたしが一生、夜夏くんを軽蔑してあげる。(にこー)
(夜夏)――じょ、冗談ですぜ冬葉さ~ん。(じょぼー)
おでこパシーでもなんでもないが、冬葉に釘を刺されたのでもみもみ券はゲットできなかった。
なんにせよ南雲ちゃんの提案はちょっとばかりズレている気しかしない。莉乃あたりに訂正を求めておくか。
七月になりました。少し…だいぶ遅くなりましたが、更新です。季節は夏になったばかりだというのに、全国各所で厳しい暑さが記録されていますね。自分も熱中症やらに気をつけながら生活、執筆したいと思います。
では、また次回に。忘れないようにします(反省)。
友城にい




