また会おう、その時は絶対ナツ! 四十六球目
四十六
真卯と少々、ほかの人に聞かれたくない会話をしているとようやく冬葉が歩いてきた。相変わらず緊張しい面持ちだ。
伸一郎さんとの対戦の際も緊張を解すのにかなり時間を要したからな。心配だ。
「よ、よろしくね、姫夏ちゃんと真卯ちゃん」
酷いぐらいのドドドド緊張。入学式後のHRの自己紹介でリバースしそうな状態だ。
そんな周り全員が心配になる中、一投目が放りこまれる。
「ぜ、全然見えない……」
過度な緊張のせいか、まともに集中さえできていない。
二球目、三球目と冬葉の様子を見て進めるが、正解はおろか、数字も言えそうにない。真卯も空気を読んでか球速を当てる参加はしなかった。
すかさずタイムに入る。
「ちょっと休ませていいか。これじゃ冬葉が危うい」
「かまいませんわよ。でも時間の都合上、五分とさせてくださいな。いつもならいくらでも待てますのですけど」
「十分だ。冬葉、ちょっと座ろう」
ヒメの許可をもらい、設置してあるベンチに休ませる。
「大丈夫か。なにか飲み物とかいるか?」
「うっ、うっ……うわぁ……お茶がいいかな」
弱々しく声を漏らす冬葉。僕はご希望どおりベンチ横にあった水筒からお茶を注ぐ。
「ほら」
「ありがとう……」
冬葉は極度の上がり症だ。今回のような個人にかかるプレッシャーや、学校生活によくある注目を浴びる場面になると硬直してしまう。国語の授業で行われる音読なんかが良い例だ。
僕たちといるときは基本、ヒメが目立っているから中々なることはないが、一度なると落ち着かせるのに時間がかかるのだ。
そうしていると、莉乃と南雲ちゃんも駆け寄ってきた。
「やっぱ耐えられなかったか。打席入る前にいろいろ発破かけておいたんだけどな」
「発破? たとえば?」
そっとしておけば自滅する冬葉に、わざわざ塩を送るのは莉乃らしいっちゃ莉乃らしいが。
「なんつったか。可愛いとか勤勉とかクソ真面目とか、そんなんより。あたしたち三人のイメージを変えよう。そう――『妹系キャラ』を卒業しよう、てな!」
なんとも壮大そうでちっぽけにも見える目標だ。
「莉乃も冬葉を可愛い評価してたんだな。意外だ。てっきり南雲ちゃんぐらいにしかしてないものかと」
「夜夏があたしをどう思ってんのかは自由だが、女のあたしから見ても冬葉は可愛い女の子だったってだけの話だぜ」
莉乃の言葉を聞き、冬葉が俯き気味にお茶を啜りだした。思いがけないところから飛んできた感じなんだろう。
「ちなみに僕はみんな可愛いと思ってるよ。ヒメ以外は」
「なんで私外しますのよ!?」
マウンドにいるヒメが叫ぶ。こっちがなんでと言いたくなるほど離れているんだが。地獄耳?
「ヒメは可愛いってよりカッコいいが似合うんだ。安心しろ」
「許すっ!」
グッチョブが見える。よかった。……じつを言うと、姉に可愛い評価下すの恥ずいだけなんだけどね。
「――なになに? なに可愛いとかカッコいいとか褒め合っているの?」
「冬葉さんは……?」
お次は雪華と小想がやってきた。
「わたしは、平気だよ。ありがとね、みんな」
冬葉の言葉を聞き、ホッと胸をなで下ろすメンツ。たしかに顔色はましになってきた。他愛のない話をするのも、効果はあるのかもしれないな。
予定より、かなり遅れてしまいました。
悲報ってほどでもありませんがこれでストックが切れました。途中まで書いているのですが。
内容は少し恒例である脇道に逸れましたね。冬葉メインのはずですが、視点を変えて次話へ。
友城にい




