また会おう、その時は絶対ナツ! 四十二球目
四十二
これは余談なんだが、雪華に、
「ちなみに暖はどう呼ぶつもりなんだ?」
と聞いた。
「あの倒れている人?」
「そうそう。無類の野球好きで野球バカだけど、情に熱く、仲間思いでなにごとにも一生懸命なやつなんだ。暑苦しいのが玉に瑕だが」
「エッグマン」
「え?」
「エッグマン。双子って知ったときからそう呼ぼうってあたしの中で決めてた」
エッグマンって本名じゃなく、ソ○ックが呼ぶ蔑称らしいが。
「断られたらどうするんだ?」
「そんときはそんときかな。まあ、ご主人さまの話が本当なら話しかけたくないタイプの人だけど」
反論できんな……。
「明日の試合では間違いなく一番頼りになるやつだ。会話しなくとも応援はしてやってほしい」
「思ってたけど、ご主人さまってやっぱりお人好しだよね。あんまり優しいと後悔するかもしれないよ。あたしもそういう子、近くにいるから」
「……そうだね。肝に銘じておく。でも、僕ね、誰かの世話を焼くのべつに嫌いじゃないんだ。とくに僕と仲よくしてくれる人たちのは」
雪華の近くにいる子。小想か真卯、兄弟って可能性もあるのか……って、僕が深入りできるとこじゃないな。
そんな無粋なことを考えていると、雪華がさりげなしに呟く。
「……ずるいずるいずるい……あたしはこんなに苦労してるのに……ずるい……」
「雪華……?」
僕が声をかけるとハッと我に返って「こっちの話だから」と誤魔化される。そしてそのまま気まずくなってしまったのか、最後に、
「そ、それと、明日はちゃんとみんな応援するから。もちろんご主人さまも」
なにかまた癪に障ることを言ってしまったのかも、と不安になるが問い詰めるわけにも行かず、小想と真卯のところに戻る雪華の背中を追うことしかできなかった。
☆
「次は真卯のターンだよ。覚悟しててね」
なにを? と言いたくなるが呼び方サミットの続きをどうぞ。
「心配はありませんのよ、真卯。真卯、あなたの言う質問はもうわかりきっていてよ」
「おおお。さすがお嬢さまだね。お嬢さまになるとエスパーも使えるの?」
大丈夫だよ真卯。ここにいる人たちたまに僕の心を読んでくるから僕を除いて全人類エスパーだよ、きっと(嘘泣き)。
「エスパーではありませんが、私はこの中での年長者。皆さまの些細な動きなどからすぐに判断し、理解する。そして考えるのですわ。一人でも多くの心を救いたい、と。それが中野家に生まれた者の使命ですから」
ヒメが威厳のような見栄を張ったようなことを言う。妙に知ったようなことを言うときはあるっちゃあるけど。
「? 真卯にはよくわからないけど、お嬢さまのことは『先生』って呼んでいい?」
「!? な、なんでそうなりますの?」
呼ばれたい愛称があるためかヒメが一旦聞き返す。
「うーん、かっこいいから?」
「!? ……なら仕方ありませんわね。お姉ちゃんは、諦め……たくない……っ!」
「潔くよくないな、お姉ちゃん」
「くっ……ヨルに呼ばれてもなぜだか全然嬉しくありませんわ。TSして出直してくださる?」
「なんでだよ。あと先生呼び嬉しいだろ。中の人が呼ばれたい敬称だぞ(実話)」
僕もブル○カのような先生になって、どこかしこにもいる可愛い女の子から先生って呼ばれる環境に身を置きたい。
「今も大差ないよ?」
前触れもなく冬葉のツッコミが入る。
やはり冬葉はエスパー。これはガチ。
「あと中の人とかのメタもやめようね」
懲りずにこちらを書いていました。来週あたりに次話を更新しようと思っています。新作も鋭意執筆中です。
本編は相変わらずでいいでは? と書きました。冬葉のツッコミ終わり久しぶり感。お姉ちゃん呼びは全女性の願望!(適当)




