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一番近くにある日常 入!  作者: 友城にい
暑かりし、草野球編
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四十一・九・九 中野家の一族 後編のおまけ編~義父と夏~

  四十一・九・九 中野家の一族 後編のおまけ編~義父と夏~



 詳しい検査の結果、原因は皆夏のほうにあり、過度なストレスと勤勉すぎるがゆえにもたらしてしまった睡眠不足による、慢性的な疲労などが不妊症の起因にあげられた。

 特効薬はなく、治療といえる治療法が生活習慣の見直しで、どんな薬よりも手っ取り早い改善方法だった。


 が、皆夏はまだ就任して日の浅い社長。おまけに経営は就任前の四年間と数年でだいぶ純利益上昇に弾みをつけ始めたとはいえ、予断は許さない状態。


 妊活に労力を費やすことは皆夏的に優先順位が上がってこない。母上もそれを受け入れてくれた。


 第二子を諦めた数年後。姫夏が四歳になる春、中野家に養子、つまり弟がやってきた。意図はいまだに不明だが、両親親族たちからとても可愛がってもらった。


 皆夏は二人の子を会社の立食パーティーに何度も連れていった。真意はこちらもわからない。たったひとつ、ひとつだけ言えるとするならば、姫夏と夜夏が姉弟きょうだいになったきっかけである。

 中身は省略させてもらうが、いずれ話せればいいな、と思う。義父がこうなることも想定して仕掛けたかというと恐ろしい男になってしまうから考えないほうが身のためか。


 そして夜夏――僕が小学校を卒業し、中学に上がる年度末、ついに世界長者番付にランクインを果たした。


 就任からわずか十三年でここまで伸し上げた敏腕さは、世界中の度肝を抜いたに違いないだろう。

 そんな義父の大成功とは裏腹に、僕が人生で一番参っていた時期であった。こちらも、タイミングを見計らって話したい。


 じゃなく。


 僕の状態を見かねたかどうかはヒメの知るところだが、今いる屋敷に引っ越したのはちょうどこのときだった。

 元々の建築の理由は、長年の長距離移動で腰を悪くした(ということになっている)お婆さまの療養先のつもりで建てられたらしい。一人称の「儂」は子を産んでから呼び替えたみたいだ(登場は人気ランキング回の十二にて)。


 中学の一般公立に行ったのもこれが理由だ。


 一緒に住む条件は、〝お婆さまが利用する三階フロアに出入らないこと〟だけ。あとは好きに使わせてもらった結果が、アニメグッズ、書物(漫画ラノベ)だらけとなった。


 お婆さま――もうおわかりだろうが、四子、改め「夏目なつめ」お婆さまがヒメの趣味嗜好に口出し、ってよりここまでの回想で口出しする場面はなかった。

 完全な受け身の性格は、母譲りと聞いているがそもそもの初代が気にいった人と結婚した現・会長の祖父のことをバッサリこう話している。



 〝愛したことは一瞬たりともない。一緒にいて苦じゃなかっただけ〟



 と。

 圧倒的、祖父からの一方的な愛だけで成り立っている関係だ。寂しい気もするが、一緒にいる写真などでは、楽しそうな感じが伝わっていた。


 この言葉に嘘偽りはないのかもしれない。


 子どもたち、孫たちが大好きなお婆さまは入退院が多いが、在宅であれば三階から僕たちを見守ってくれている。


 もしかすると、幼少期から楽しいことばかり思い浮かぶヒメの才能を見抜き、傍に置くことで、毎日を楽しくしたかったのかもしれないな。


 そう考えると、中野家の遺伝子は凄まじい。


 中野家の一族のお話。


 ~完~


ここまで「中野家の事情」をおよそ5ヶ月に渡りお読みいただきありがとうございます。

当初の予定よりえっぐい長くなりました。1万字も書くつもりなかったのですが……。

そして投稿が遅れてしまい申しわけございません。10日遅れの最終話です。

中身に関しては、後回しな設定や過去が多いですね。深く考えて書いている作品でないはずが(笑)

他にも気になる点などがありましたら気軽に感想欄にどうぞ。

では、いつの日か続きが出せれば。

友城にい

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