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一番近くにある日常 入!  作者: 友城にい
暑かりし、草野球編
50/78

また会おう、その時は絶対ナツ! 三十五球目

 冬葉と小想つのりのすれ違う言い合いに争点なんてなかった。一刻も早く、伝えなければ。


 ――と、足を踏みだした僕の肩を掴んで止める手。


「お待ちなさいヨル。その必要はありませんわ。仮にありのままを今話したとしても、真実性に欠けると思いますの」

「真実性……? ……じゃあどうすればいい」


 途方に暮れそうな僕の質問に、淀みのない顔でヒメは即答する。


「単純ですわ。ただ口で説明してわかってもらうには骨が折れますし、なによりものごとには順序ってものがありますでしょ」

「要するに※ステマが必要ってことか?」 ※ステルスマーケティングの意。

「ご明察」


 ニンマリとドヤる姉。意味わかったのか?


「とりあえずヒメの言いたいことはわかった。で、結局僕はどうすればいい。言っておくが、トラウマになるような傷つけはしたくない」

「それに関しては私も同意ですわ。安心してくださいまし、彼女たちにキョウヨウするのは吹聴と区別の二つ。ずばり作戦名は、百聞は一見にしかずならぬ、百見の一聞でことを得る作戦ですわ」


「ですわ、じゃねぇよ。だから僕はなにすりゃいいか聞いてんだが……」


 教養? 強要? という疑問も抱きつつ、ヒメの策に乗ってやった。そもそもヒメが最初に悪ふざけしなればこんなややこしいことにならんかっただろ、というツッコミは置いとくとして。


「あ、ちなみに三十三の『怖』の中にひとつだけ『柿』がありますわ。探してみてくださいまし」

「なぜ今」


 ヒメの作戦概要を聞いていた以前にも、二人のやり取りが続いていたことを忘れてはいけない。

少し遡る。


「――耳を失う、か。たしかにそうかもね。だからこっちも謝らない代わりに、相応の〝ダメージ〟が必要と思った。今回みたいな特殊なケースだけだけどね」

「前のメイド服でご奉仕する~みたいなのですか~?」


 と、まったりな南雲なぐもちゃん。まだやってもらってないけど。


「あ、あたしはそういうのやるぐらいなら謝るからな! らしくないことはしねぇからな! 絶対にだ! ……それでもし許してくれなかったら考えるが……」


 南雲ちゃんとは反対に莉乃は頑固拒否した(?)。じつを言うと、莉乃に着せるのが一番楽しみだ。とびっきり可愛いメイド服を用意してあったりしてなかったり、その日までの秘密にしとく。


「落ち着いて。あくまでも自分に課すだけだよ。夜夏くんに判断を煽ってもらうわけじゃないから。なんでもいいと思うよ。迷惑をかけた相手のための行動なら」


 冬葉がそうつけ加えるが、流れは止まらず、


「メイド服……? メイド服ってあれ……あれ、ですよね。白と黒のデザインで、ふわふわに広がっている短いスカートに絵本の女の子みたいなクツを履いていて……」

「そう~。あ~でも~、安心して~。ここの屋敷基本二人しかいないし、夜夏くんは~、と~ってもやさし~男の子だから~」

「……それは――知ってます。でもあなたからも、同じような匂いがする。誰かを大切に思っていて、その人からも大切にされている実感があるような、そんな匂いがします」

「匂い~? は、よくわかんないけど、ありがと~。えっと~、あ、名前まだだったっけ~? 南雲は吾妻あずま南雲って言います~。よろしくね~」


 簡単に、朗らかに紹介を済ますと南雲ちゃんは、のんびり笑った。


「あたしは莉乃りのだ。一応明日のピッチャーをまかされている。冬葉はああ言っていたが、あたしはやっぱ性に合わない」


 ご不満そうな顔で輪から外れていた莉乃は、三人の前に立つなり頭を深く下げた。


「――さっきはすまなかった」


今年中にもう1話ほど更新したかったのですが、厳しそうですね。皆さまいかがお過ごしでしょうか。今年はどんな年だったでしょうか。僕は、小説を書きたいと思いPCに向かうもまーったく打つ手が進まず、苦しい年でした。来年からはまた少し肩の力を抜けるようやっていきたいです。


内容

野球さっさとやれよ! と作者がツッコミたくなる内容ですね。すみません。


友城にい

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