お祝い企画 人気キャラランキング結果発表 五個目
今回は少しエロい表現があります。
それをご了承の上でご鑑賞くださいませ。
では、どうぞ。
さてさて、悪ふざけも収まったところで。
さあ――ワタシたちの『対決』を始めましょう。
「メイドになって……よ、よよよ、夜夏くんを……ご奉仕……」
ステージに登っている僕ら三人。
最前列のテーブルに座っている冬葉がごにょごにょとなにかを言ったのが聞こえた。
とくに気にせず進行しようと思うと、突然――
「夜夏く~ん、冬葉ちゃんがぁ~、夜夏くんのことをぉ~ご奉仕したいんだってぇ~」
「な、な、南雲ちゃん!? な、なにを言ってるのかなあああ!?」
冬葉の顔が灼眼の○ャナの髪並に赤くなっていた。ってわかりづらい? ならク○子の髪ならどうだ? どっちにしろ、髪かよ。
その時、僕は一つの仮説を立てて妄想に走った。
~少年妄想モード~
「夜夏くん。ジュースお持ちしました」
「そんなに硬くならなくてもいいよ。いつも通りの冬葉で接してごらん」
僕はソファーに腰かけ、ピンクをベースにしたメイド服を着た冬葉を見つめる。
「よ、夜夏くん……」
「なんだい?」
膝上十センチのフワフワスカートの裾を握りしめて、もじもじとする冬葉。その姿に鼻血が噴き出しそうだが、我慢する。
「はい! オレンジジュースです!」
恥ずかしさをごまかすための行動だろうか。片手に持っていたジュースを僕にグイッと差し出す。
茹で上がった顔が見えないように顔は伏せている。
その仕草で僕は胸の奥に熱いものを感じていた。
でもここは我慢だ。
「冬葉。そのまま僕に飲ませてくれないか?」
「え?」
完熟に蒸れたトマトみたいに真っ赤に染まった頬を僕に見せて、冬葉は呆気に取られる。
「ダメかな? いま僕の両腕はすごく忙しそうなんだ」
それを聞いた冬葉が僕のだらんとソファーにだらけている僕の両腕を交互に見比べる。
当然ながら僕の腕は逆に暇そうだった。
冬葉が当たり前の反応で「あのー……」と困惑していた。
だから僕はこう言う。
「腕たちがな、こう言うんだ『ぼくたちはいま心臓からの輸血で手がいっぱいなんだ。だから冬葉ちゃん。頼むよ。ぼくたちに栄養をくれない?』って」
僕が真剣な眼差しで冬葉を見つめる。
すると冬葉は納得したように「わかった。それなら……仕方ないね」って。
僕としては冬葉の将来が不安になる。ほら、詐欺とかに引っ掛かりそうだなって。でも大丈夫だ。僕と一緒にいればこれからも安泰さ。うん、だから平気だ。うん、冬葉はありのままの姿でいいんだ。
それを言うと冬葉は「あーん」とジュースを僕の口に持っていく。
優しくそっと僕の口元にコップを当て、僕の口腔を潤わせる。
ある一定量を口に含ませると冬葉はコップを放す。
「美味しいですか? 夜夏くん」
冬葉は天使のような笑顔を僕に浴びせる。
おもわずほんわか和みたくなるような気持ちにさせた。
いやいや、まだ序の口だから。本番はこれからだから!
僕は一度「ごほん」と咳払いをし、冬葉に命令口調でこう言った。
「冬葉。そこにある……松茸を手に取りなさい」
なぜリビングの真ん中にポツーンと「松茸」があるのかは聞かないでください。え? そっちじゃない? さて、なんのことやら~。
「松茸をどうするの?」
松茸を両手でしっかり握っている冬葉が当然の疑問をぶつける。
僕……その松茸になりたいお。
「なら、始めに松茸のカサの下らへんを舌で舐めてごらん」
「な、なんで?」
「じつはな。松茸のカサの部分にはセロトニンが豊富に含まれているって雑誌に載ってたんだよ。摂取方法は舐めるほうが舌から多く身体に摂れるんだってさ」
もちろん真っ赤なウソだった。
冬葉は「そ、そうなんだ」といかにも不思議そうに頷く。
そして、小さく短い舌をチロッと出して、僕の言うとおりに松茸のカサの下らへんを舐め上げた。
僕が助言を装ったように「松茸を横にしたら舐めやすいよ」と言うと冬葉は松茸を傾け、もう一ペロ。
「うん、舐めやすいけど……。えっと、ザラザラしてるね」
恍惚そうな表情で必死に僕の目の前で松茸に舌を這わせる。
表情から読み取るに僕が考えている「アレ」ではなく、おそらく「僕が見ていること」が恥ずかしくて、頬が赤くなっているんだろうな、と僕は思う。
僕は次なる命令を下す。
「冬葉。そのやり方じゃ舌が疲れるだろう? もっと楽な方法があるんだ。どう聞きたくない?」
「あるの?」
「あるよ。松茸を丸ごとしゃぶるんだ。ほら、アイス棒みたいにさ。な? 楽で時間短縮な方法だろ」
僕はイヤラシイ心をグッと堪え、平然さを保つ。
冬葉は試すように松茸をカプッとくわえこんだ。
「ほ、ほおんとおわあ。ほえのほおあらふあー」
要訳すると「ほんとだ。これのほうが楽だあー」である。
冬葉は一旦松茸を口から抜き、
「でもこれだと舐めることができないよ?」
なんて純情な娘なんだ!
なんかドンドン心が痛くなってきます。いたた……。
「違うよ。僕がそんな愚かなことを冬葉に教えると思うかい? これはね、舌を使うより数倍の速さで摂取できる最高の方法と言っても過言ではない! その方法とはな――」
僕は冬葉のまっすぐ綺麗な瞳を見つめる。
僕の視線に照れたのか、冬葉が視線をはずそうとする。僕は囁くように「僕を見ろ」と言うと冬葉は我慢して、目をあわせた。
充分に溜めを作ってから僕は告げる。
「松茸をくわえたまま上下に動かせばいいんだ」
決めていうセリフじゃないが、冬葉は、「そ、そっか。そうすればいいんだね」と純粋な反応で松茸を口に含んだ。
僕はもう「いたた……」と胸とかいろんなところを抑えるほかない。
冬葉は目を閉じ、「ん……」と色っぽい声を出し、松茸を上下に動かし始めた。
やばい……予想の千倍以上に、
エロい……
僕……どうする。
手には三枚のカード。
すべてのカードの内容が「あれ、いっとく?」だった。
なので、すべて破り捨てた。
そんな軽いノリでいっとけるはずがないじゃないか!
やばいな……。
僕の……あ、なんでもない。
そのあいだにも冬葉は松茸を上下にゆっくりと舐め染める。松茸からは唾液が滴り、冬葉の手と口周りがべとべとになっていく。
目はトロンとさせて、頬と耳まで赤く広がる。
僕が「も、もういいよ……」と慌てるように止めた。
冬葉は僕の声に松茸を止めるのに五秒ぐらいのロスを作った。
完全に女の顔になった冬葉が、松茸を口から取りだすと松茸の先端から冬葉の唾液がぽたっぽたっと垂れる。
「ふぅ……途中からね。恥ずかしさを紛らわすために夜夏くんのこと考えたんだ。そしたらね。なんだか、わたしの知らない感覚で胸をきゅーと締めつけられて。最初は不安だったんだけど、松茸さんを舐めていたら気持ちよくなっちゃってね。あ。そういえば松茸さんって、おち――」
「だああああああああああああああああ! 終わり!」
「ほえ?」
ふぅ……危ないところだったよ。ヒロインにあんな言葉を言わせたら、この作品は終わっちゃうからね!
「ど、どうだった? セロトニンは摂取された?」
「ん? うん、なんだか、身体が元気になった気がします」
「そうか、そうか、ならよかった。よし!」
僕は立ち上がり、脱力し、へたりこんでしまった冬葉をお姫さまだっこをする。
「夜夏くん、どこに行くの?」
「はは、決まっているだろ? 僕の部屋さ」
「そっか。わたし疲れたから少しお昼寝させてね」
「お安い御用さ。さて、行こうか」
「うん」
~少年妄想モード終了~
「セロトニーン、サイコー!」
僕の意味不な発言に会場の四人がびっくりしたのは言うまでもない。
ついに、次回こそやるのか?
僕の中でもう『ランキング発表』という概念が存在しない退屈な世界になっています。
それでは次回まで。
友城にい