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一番近くにある日常 入!  作者: 友城にい
暑かりし、草野球編
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また会おう、その時は絶対ナツ! 三十一球目

友城「〝次回から試合〟と言ったな? あれはウソだ」

夜夏「チクショーーーーー!!!」

となわけで。

2年6か月ぶりの更新。

そしてここだけ見てくれた方に一応自己紹介を。

主人公の名前は「中野夜夏なかのよなつ」です。よろしくお願いします。

 ピンポーーン。

 同日の夕方。六人で明日に向けての最後のミーティングを食堂でやっていると、インターホンが鳴った。

 もう十八時を回っている。


「ヨル出てきてくださいまし」

「わーってるよ。ったく、こんな時間に誰だよ……」


 屋内なのに監督みたいな帽子を被って踏ん反り返るヒメに急かされ、門の外を見に行く。屋敷の中のなら、監視カメラで確認できるんだがな。


「はーいはい、どちらさまでしょうか、っと――」


 まだまだ日が高い中、茜色の空と庭の外灯がシェアし始める。比べる暑さを肌でマシに感じながら、サンダルを履いて出向くと、小さな三人の少女が立っていた。


「あー、えっと……ご用件を伺ってもよろしいですか?」


 しどろもどろになるのは、さすがに情けない。グッと堪え、目線を合わせる。

 三人とも長そでに長ズボン、そしてツバの大きい帽子を着用していた。顔や手からは薄く焼けた肌を覗かせる。クツもガッチリしているのを履いていて丈夫そうだ。


「なんか思ってた感じと違うね」

「え?」


 一人の少女のひそひそ声が僕にも届く。


「ダメだよ雪華せっかちゃん、そういうこと言っちゃあ。もっとオブラートに包まないと」

「えー、なんでよ? でもさ、しょうがなくない? この辺で一番デカい家の主に会えるってなったら誰だって期待するじゃん」


 あ、主ではないです。


「たしかにしたけど」


 キミもなかなか言うね! ごめんね、当主の住む家じゃなくて!


 以降、「雪華」と呼ばれる少女は不満そうに僕を睨んでいた。


「あはは……改めて用件を伺うけど、いいかな?」

「え? あぁ、ああ、す、すみません。うちのおバカが騒がしくしちゃって。今回お訪ねしたわけは――」

「明日からの助っ人だよ。あらかじめ合流メンバーが見たくて来てみました。ちなみに真卯まうはお兄ちゃん嫌いじゃないよ」


 割って入ってきたのは三人の中で一番小柄な少女。上目遣いからの初手「お兄ちゃんブースト」は超絶あざとい。


 不意打ちだったこともあり、身体中が火照ってきだした。抑えろ……耐性……。


「もう、真卯! そんなむやみやたらに男の人を勘違いさせたらダメ、って何回も言ってるでしょ! あとわたしのセリフ取らないで!」


 怖いもの知らずらしい「真卯」と言った少女は、僕を見たまま動かなくなった。

 ただただキレイな瞳孔を向けられる。


「だいじょぶだよ。こんなすごい家に住んでる人だし、許婚ぐらいいるよ絶対。だからなにやってもだいじょぶ」


 いないですね……。


「そうなんですか! や、やっぱり、キレイな方なんですか!?」


 真卯(勝手に呼び捨て)の許婚ことばを真に受けるしっかりしてそうな彼女は、二人より前のめりで手を結びながら、僕に羨望の眼差しを浴びせる。


 僕はそんな大層な人間じゃないんだが……と、三人を見渡したところで気がついた。


 ……あれ?


 今、三人ともから見られてる?


 おもわずたじろいでしまい足を一歩引くが、三人も詰めてきた。

 睨まれ、好奇がられ、羨ましがられる三者三様の視線が絶え間なく僕に降り注がれていく。


 いったいどうすれば……。


 脳内の選択肢アンサーを確認してみる。



                      ↓

 ・肯定 ・否定 ・ごまかす ・逃げる ・口説く



 うむ、とりあえず下二つは却下だが、『ごまかす』という選択はCプランで盛りこんでおいてもいいだろう。残るは是非の問題のほうで――


「…………」


 ……って。


 なんで矢印の初期位置そこなんだよ! 口説かねぇから! 出会い頭に色目使えるほど女たらしできないからな、僕は!


 ――と、自分の脳内選択肢にツッコミつつ、考える。


 否定するのは簡単だ。三人が思い描くお金持ちのイメージは、あくまでもオーバーイメージに過ぎないのだから。

 明日の助っ人だけの短い付き合いでいろいろ押しつけられて、嗅ぎ回られるのも、こっちとしても心が痛むのだ。

 失望されるなら早いほうがいい。きっと。


「っ…………」


 が――。


 はたして本当にそれでいいのだろうか。サンタの存在を信じる子どもに、ツバを吐きかけるように真実を教える大人の神経に、僕は反吐が出る側の人間だ。

 なにより、いずれ失望されることは確定なのだし、わざわざこの場で告げる必要はないはずだ。

だったら僕は、この子たちの夢憧れの時間を少しでも長く守る選択を取る。


 目線を少し逸らし、


「あー、うん、いるよ。キレイというよりも、可愛い系の子、かな……?」


 明らかに特定の女の子のことを無意識にイメージしてしまって頬がゆるんだ。

本当は3人の少女との顔合わせ(姫夏などとも)シーンまで書きたかったのですが切りました。次回更新もいつになるやら。

しかし、放置はしません。いずれ完結まで持っていきます。


友城にい

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