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一番近くにある日常 入!  作者: 友城にい
暑かりし、草野球編
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また会おう、その時は絶対ナツ! 二十八球目

 ヒメのツルの一声で『左打ち才能テスト』なるものが開催された。


「やるのはいいが、どこを判断材料にするんだよ。投げる莉乃はまだ物になってないし。暖に投げてもらうのか?」

「心配いりません。そう言うと思いまして、今日からこの子が練習に加わります!」


 じゃじゃーん、と紹介されて登場したのは想像していたのより〝いいもの〟だった。


「いいじゃん。これなら実戦向きの練習ができる」


 加えられたのは『ピッチングマシン』だった。


 これがあればスタミナ等は気にしなくていいし、真っ当な機材だと思った。


「驚くなかれ。この子なんと! ストレートは一五〇キロ出るし、カーブ、スライダー、フォーク、スプリットまで投げられる優れ物ですのよ!」


「球種多いのありがたいが、僕たちが勝負する相手、近所の少年チームじゃなかったか……? 一五〇キロも投げれねぇよ。一〇〇キロくらいを慣らしていれば十分だろ」


「あ、あくまで性能を紹介しただけですから! そ、そんなのわかってますわよ、私だって!」

「なんでそんなに動揺してんだよ……」


 わかりやすく動揺したヒメ。なんかアホに見えた。


「じゃあ、こうしようぜ」


 そこにめらめら燃えている莉乃が出てきた。


「変化球は打つ必要はねぇが、一五〇キロの球を外野まで飛ばした最初の奴を左打ちに任命することにしよう」

「悪くありませんわね。しかし。安全面を考慮すると容認できません」


 出た。ヒメの保護者側の意見。たしかに一五〇キロを生身で接近させるのはケガのリスクは避けられない。


 精密機械でもなにが起こるか、わからない。


「なんだよ。ビビッてんのかよ。ピッチャー戦の二の舞が怖くて逃げるのかよ。それもそうか。スポーツに関してはあたしが一番だからな。しょうがねぇか。べつの案にしてやるよ。姫夏が逃げたってことにし――」


「だーーーーーーーーー! わかりましたわよ。受けて立ちますわよ。しかし、これは私と莉乃だけでやります。あとの三人はべつに審査方法考えてありますから。これでいいですわね」


 何度も見てきた口車に乗って、ヒメと莉乃の『一五〇キロ速球勝負』が幕を開けた。

 発射ボタンを僕がやることになり、バッターボックスには先攻の莉乃が立った。


「お。左は不思議な感覚だな。だが、打てない気はしねぇ」


「自信満々だな。気をつけろよー。じゃあ、一球目、いくぞー」

「おう!」


 ギュッとグリップギリギリに握った手に力が入る莉乃。ボールから目を離すまいと鋭く威圧する瞳。莉乃は本気だ。その目、嫌いじゃない。


 僕はピッチングマシンの発射ボタンを押す。


 圧縮した空気を利用したもので、従来のマシンより正確に指示したコースに投げこんでくれる代物となっている。なによりも安全面や耐久性にこっちを導入するチームも多いらしい。


 しかし僕は気づいた。


「ヒメは一五〇キロ投げられる言ってたが、見てみたら一六〇キロまで投げられるな。いいか、こっちにしてやれ」


 遊び心もあったが、一五〇キロと思って一六〇キロ投げたあとに本当に一五〇キロを投げたとき人間は遅く感じるらしい。ある種の練習にはなりそうだったからである。


 そんな一六〇キロのストレートがセットオンされたバズーカ型の筒から放たれたのだった――。


 スキューン――、


 ボールはあっという間に莉乃からストライクを取ったのである。

 コースは当たらなければ意味がないので、ど真ん中に設定していたのだが。


「夜夏! どうした! まだか!」

「……いや、投げたが……」

「なに!?」

「後ろ見ろよ。網に入ってるし」


 キャッチャーは誰にさせても危ないから代わりにボール網を設置している。そこに莉乃が覗きこむ。


「本当だな。速すぎて見えなかった。よし、次だ!」


 仕切り直してバットをかまえる。


 僕はセットして同じく一六〇キロで投げ込んだ。


「ふん!」


 ブン! と空振りの音を立てて二ストライクとなった。タイミングは完全な振り遅れだったけど。


「ナイススイング。これで三振したらヒメと交代な。よーくボールを見ろー」

「わかってらー。見てろよ、姫夏。これで――」


 莉乃がより一層、強く握る。ここで打てなくてもヒメも三振すればまた出番は回ってくるが、そうじゃないのだろう。


「終わりに――」


 莉乃のこの一打席に懸けていた。


 だからこそ、僕は前述した作戦を実行する。


「して、や、らーーーーーー!」


 キーーン、


 振り上げた金属バットに当たったボールが飛んでいく。

 どこまでも飛んで行ってしまうように感じる。


 が、軟球であれ、非力の部類の莉乃では限界だったようで。


「当たった……やった、やったやった、やったったですよー!」


 バットを置き捨て、南雲ちゃんのところに駆け寄る。


「やったね~莉乃ちゃ~ん。あと昨日当てたスロ○スタ~トのセリフ使うほど嬉しいんだね~、よかった~」

「え、当たったの! いいなー。わたし、引き運ないから推しの子まだ持ってないんだよね。あとで見せて」

「うん、いいよ~。南雲も~あばばばばば~当たったよ~。可愛いよね~」


 莉乃が喜び報告しにいったのだが、冬葉と南雲ちゃんがべつの話題にすり替えていた。何の話だろう?


 とまあ、それはいいとして莉乃の打球は「ファーストフライ」だ。合格ラインを突破していないが、もうこれは「当てたほうが勝ち」になっているな、うん。


「ふふ、○ら○ァンなら財力を行使して全キャラ覚醒レベルMAXでガチってますわ」


「スケールの小さい金持ちアピールよせ。あと触れるとこそこじゃない」


「おっと」


「すごーい、姫夏ちゃん。あとでフレンドになって、お願い。三ターンで帰っちゃうから困るんだよ」


「南雲も~お願いしま~す」


「あらあら、いいですわよ。なんでも連絡して。すぐサポートに入れておきますから」


「…………」


 勝負ほったらかしに、き○ファ○とやらのゲーム(?)の話をしだした。僕も夜にやってみよう。と思った。



 ~夜~。


「これ、き○ら作品の集大成じゃん! 面白いに決まってるかよ!」


 朝までやったったですよ。

どうにか短いスパンで更新できているように思えます。まだまだ引き伸ばしている作中ですが、段々とこの話の終わりが個人的には見えてきました。

この話が終わっても「一番近くにある日常」は完結しません。まだ続きます。おそらくどこまでも!

最後に

きら○ァンにハマってます。


友城にい

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