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一番近くにある日常 入!  作者: 友城にい
暑かりし、草野球編
41/78

また会おう、その時は絶対ナツ! 二十六球目

 ――話をしよう。


 最初に言っておくが。


 これは断じて故意であり、確信犯ではない!


 僕の今の状況説明をすると、なぜだかわからないが、本当に本当に寝ぼけていただけなんだろうけど、



 冬葉のおっぱいを揉んでいた。



 正確には揉む直前だった、と言うべきだろうが覚醒前が定かでない。もしかすると揉んだのかもしれん。


 僕と冬葉は背中合わせから互いに顔合わせに寝相を変えていた。


 冷房を効かせている部屋だったのに、少しの暑さから毛布を払いのけてしまったらしい。


 いや、まてまて。


 なんで連載開始から六年経ったこのタイミングでT○LOVEる的な展開が巻き起こってるんだよ!

 ここまで散々、貞操観念から肌と肌の接触を避けた健全な物語進行だったりしたのに、急にどうしたってなるだろ!


 ……って、そんなことはどうでもいい。まずはこの状態を抜け出さねば。


 幸いにも冬葉はまだ起きていない。


 早く手を退散させて……さらばだ、冬葉のおっぱいよ。うん、控えめな冬葉のだったけど、やっぱり女の子だけあって、その……柔らかかったです。……ノーブラで布一枚越しでした。ありがとう。一生黙っておこう。


「そーっと……」


 指の力を抜き、手のひらから天国が消える。腕を引くとき改めて朝日の差しこむ明かりの中で冬葉を見てしまった。


「な! 冬葉、これはえっちいぞ……」


 薄着なのはわかっていたが、上も下もはだけている。下着がチラっと見える。へそも大胆におはようしていた。


 天使の寝顔にこちらに向ける呼吸。


 無防備にもほどがある……。


 この状況を逃すのはどうなんだ、と男心に問いかけるがここで色を染めてしまっては台無しになることこの上ないだろう。


 僕が狼を鎖につないで、理性を放し飼いしようとしていた矢先、引いた手が大きな力で悪魔の果実へと戻されてしまった。


「んな!?」


 おもわず変な声が出る。


 片腕を冬葉が寝ぼけて抱きついてきたのだ。こ、これは脱出できない……。


「ふ、冬葉、まずい……寝ているときの冬葉、力強っ」


 ぎゅー、と自身の渓谷に迷いこませてくる。


 幸せ空間だが、目を開けたらどうすれば!


 だ、だああああ。


 悶々ともがく僕をよそに冬葉は寝言を呟く。


「よなつくん……わたしね、よなつくんのこと……むにゃむにゃ」


 僕のことがなんだよおおお!

 夢に僕が出てるのが光栄なことだけど、僕のことがなんなんだ。


 って、また脇道に逸れてしまった。それどころじゃない。


「くっ、がっちりホールドされててこのままだと埒が明かない。いったん、冬葉のほうをゆるめないと――」


 空いた手で冬葉のホールドを解除しようと試みて躍起になっていると油断している僕がいた。


 なんということだろう。


「つかまえた~」


「ごふっ!?」


 いよいよ脱出不可能となった。


 外側からの抵抗に身体が反応したようで、腕だけでなく僕の顔を胸――おっぱいに挟んできた。


 つかまえた、の言葉どおり僕は捕まってしまった。


「よなつくん、もう、はなさないからねぇ……」

「冬葉……」


 照れくさかった。


 いいか。


 諦めよう。


 あとでたっぷり僕が怒られればいいだけ。冬葉の寝顔を特等席で見られる代償と考えれば安いか。


 なので、いまは。


 冬葉の柔らかく高い体温とシャンプーとほのかに代謝された汗の匂いと一緒に目をつぶる結果にたどり着いた。



 ――。


 何時間くらい経ったか、僕は二度寝していたらしい。


 意識が戻ると、柔らかい感触はなくなっていた。


 身体を起こすと冬葉の姿はそこになかった。起きたらしい。


「夜夏くん、おはよう」

「うん? おう、もう着替えたのか。早いな。あ、おはよう、冬葉。さっきは――」

「あああああ! ほ、ほら! もう八時過ぎてるよ。夜夏くんも早く着替えて、ご飯食べようか!」


 僕の言葉を遮って、頬を赤くする。


 これはお互いに忘れようってことなのだろうか。


 まあ、冬葉も起きてびっくりしたことだろう。異性の人を自身の胸に押しつけてるんだから。よっぽど恥ずかしかったに違いない。……嘘寝してればよかったな。


 とくに追求してこないのは、ありがたいが時間が経ってから謝っておこう。


「わかった。先行って食べてていいよ」


 そう断ってから急いで身支度を済ませて一階の食堂に足を運ぶ途中、廊下の壁に背中を預けたヒメが立っていた。


「どうした?」

「帰ってきましたわ」

「? 誰が?」

「ここでは話しても仕方ありませんので、宿舎の裏に移動しますわよ」

「お、おう」


 いつになく真剣なヒメの表情に悪ふざけでないのはすぐわかった。


 そして、誰が帰ってきたのかは聞かれた時点で察するのは容易だった。


 裏に行くと食堂に向かったはずの冬葉と暖もいた。


「よう、いったいどうした――」


 僕は二人のほかにもう一人の存在に気づくのに遅れた。


 二人とはべつの場所に立っていたからだ。


「朝食の前に少しだけ、お話をしましょうか」


 目を見開いた僕のあいだにヒメが入ってくる。


「いや、だって、これって、そういうことだろ」


 僕は勘づいてしまう。


 そのまま進行する。


「おかえりなさい、莉乃」


「ああ」


 莉乃が物陰からみんなの前に現れる。


 しかし、莉乃の横に、


 南雲ちゃんの姿はなかった。

五ヶ月ぶりの更新です。そして、莉乃は四年四ヶ月ぶりの登場になります(おい


次回も年内に更新できれば、と思っています。皆さん見捨てないで!


友城にい

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