お祝い企画 人気キャラランキング結果発表 四個目
遅くなりました。
では、四個目です。どうぞ
ルール改訂しました。すみません。
僕の突然の宣言に反応したのは二人だった。
まずはヒメ。
「ふふ、面白そうじゃない。いいですわよ、私は」
不敵な笑みをこぼしながら、了承。
続いては莉乃。
「どれで勝負するんだよ」
「勝負、というより遊びだけどね。それと――」
僕は冬葉と南雲ちゃんを見る。
「このゲームは僕、ヒメ、莉乃の三人でしたいんだ。悪いけど観戦しててくれないかな?」
そう。
これは三人でやるから、僕は意味があると思っている。
三人でお楽しみ、というのはもちろん二人にとっては我儘に見えたかもしれない。
「うん。わかった」
「南雲はお肉食べてますね~」
予想の十倍以上を上回るほど、二人はいい子だった。
さて、と僕は改めて向き直り、ゲームの説明を行う。
「ゲーム内容は、いわゆる『ランキング当て』だ。でもこのままじゃヒメが有利になる。だから、こうする」
ヒメは司会をしていた。
すべてを把握してはいないだろうけど、一応だ。
だから、ルールを特殊にするのだ。
「ヒメに確認するけど、ランキング内に人間以外の物ってある?」
「人間以外、といいますと?」
「電話とかの家具とか」
「えっと……」
ヒメがクリップボードに挟んでいる紙を確認しようとしたので、僕は慌てて取り上げる。
「なにしますの?」
「ごめん、把握しているわけないか。じゃあ、ほとんど公平というわけだな」
「むぅー。何気にバカにしてません?」
「いや、ごめん」
クリップボードを冬葉と南雲ちゃんに渡すことにした。審判だ。
「それより早くルール言えよ」と莉乃。
「そ、そうだったな。ヒメは順位をほとんど把握していない。なら、ルールをそんなに小難しくする必要はない」
「だからなにをするんだよ」
「えっと、『六個の項目』を僕らは当てるんだ」
僕はそれを言うと二人から「なんの?」と予想通りの質問をされる。
「えっと『男性』『女性』『物(建物あり)』『食材』『アニメ』『チャンス(主要キャラ)』ってところ?」
僕が加えて「ダメか?」と二人に尋ねると。
「まあ、いいんじゃないですか? ほかには?」とヒメ。
「えっとな、これを六個から一回ずつ選ぶ、全六回の対決だ。えっと順番は莉乃→ヒメ→僕→莉乃とする。たとえば僕がジャンル『女性』を選ぶ。それと『キャラ名』を名乗り上げる。それを莉乃が順位を当てるんだ」
「それは難しくありません?」
ヒメの言うことはもっともだ。
だが、考えがある。
「大丈夫。おそらくだが、ドンピシャで当てられるとは僕も思っていない。だから、一番近い人の勝ちだ。同率だったら、どっちも勝ちにする」
「勝ったらなにかくれんの?」
と莉乃がまだ不満げに聞いてくる。
「逆になにがいい? 現金、宝飾品以外で」
「ちっ」
「今舌打ちした?」
明らかに『ちっ』という音が聞こえた。まあいいか。
「じゃあ、SL○MD○NK連載時の井上○彦先生のサイン色紙でいいよ」
「レベルたけぇな! あとそこがこだわりなんだ!」
「ありますわよ」
「あるの!?」
ヒメのあっさりした発言におもわず驚いてしまった。
「でもあげませんわよ。あの方のサインは中々手に入りませんので」
「ケチ」
「ケチじゃありません! 莉乃にあげるくらいなら漫画博物館で飾ってもらったほうが一〇〇%あのサインは価値が上がりますわ!」
そりゃそうだな。
「それはなんだよ。あたしがサインを粗末に扱うとでも言うのかよ」
「それ以外になにかあるかしら、かしら?」
なぜ『かしら』を二回言ったんだ?
「まあいい。あたしが勝ったらサインはもらうぜ」
「ええ、その時は潔く諦めて莉乃におしりぺんぺんしながらあげますわよ」
「ふん。じゃあ、そのシーンを南雲に撮ってもらって某動画サイトにでもあげておくよ」
「…………」
ヒメが急に黙った。
僕が「どうした?」と聞くと。
「それは……」
よく聞き取れなかった。なので「聞こえないぞ」と問い詰める。
すると、
「それは勘弁なさいまし!」
「うおっ!」
いきなり大声を出すものだから、僕は尻もちをついてしまった。痛い……。
それを聞いた莉乃が、
「へっ」
とヒメを一蹴。
「むむむ……」
なんてヒメは唸る。よっぽどイヤみたいだ。
「それってさ……」
「なんですの」
莉乃の顔が悪魔に最も近い表情をしていた。
口角をつりあげて、目を細め、顔を上げる。身長はヒメより低いのに今のこの光景は莉乃がヒメを見下していた。
「なに? 動画で全世界に痴態を晒すのが怖いの? それともそんな〝程度〟の知名度を上げるのがイヤだったり?」
「くぅ~~~~」
ヒメはここ一番の悔しい顔を見せる。
僕が「動画上げはさすがにやめよう」と言おうとする前に、
「それはいけませ~~ん!」
続いて「ぴぴぴーっ」と口で笛をやる声が聞こえる。
「莉乃ちゃ~ん。それはねぇ~。『いじめ』の範囲になるからぁ~。ルール違反になりまぁ~す。よって、莉乃ちゃんにぃ~イエローカードぉ~」
南雲ちゃんが口周りにソースをつけた状態で莉乃の元に駆け寄り、いつ用意したのかわからない、ポケットから黄色いカードを莉乃に突きつける
ちなみに「ぴぴぴーっ」と言ったのは冬葉です。非常に可愛らしい。
「いつの間にそんなルールブックができたんだよ!」
莉乃が南雲ちゃんに聞かず、僕に尋ねる。
「いや、僕も知らないんだが」
僕が困惑する中、南雲ちゃんがさらに詳しく説明する。
「イエローカード、二枚でぇ~退場になりまぁ~す。ちなみにぃ~退場になったらねぇ~ゲーム参加と、食事〝が〟! あ~できなくなりまぁ~す」
なんで今『食事が!』と強調したんだ? まさか、そこに並んでる料理全部食べようとしてる? 太るよ? ねえねえ、この作品の癒し系がでぶっちょのぽっちゃり枠を超えたなにかになるよ? ねえねえ? 僕はそんなのイヤだ!
とかいって僕に南雲ちゃんに「太るよ? そこらへんでやめといたら?」なんて言えないけどね。
だって食べてる時の南雲ちゃんの顔がすっげー幸せそうに食べるんだもん!
あれを奪うことなんて僕にはできない……なあ、全世界の男子諸君。君たちにあんな残酷なことができるのか? もし平気でできる奴がいたら僕は無表情で無言でハンマーで遠慮なく……あ、語りすぎたようだ。
「くそ……なら、後日みんなで観賞会程度にするよ」
撮ることは決定なのかよ! とはツッコまなかった。
「それぐらいならいいでしょ」
ヒメ。それもけっこうな失態だよ?
「それより姫夏か夜夏が勝ったら、どうするんだよ」
「私? なら莉乃に一日メイドにでもなってもらおうかしら」
「なっ!」
「ダメですの?」
「くっ……バイト代出せよ」
バイト代出せば、いいのか? なら僕も冬葉と南雲ちゃんに頼んでみようかな? あ、莉乃よ、そんな顔するなよ。し、しないから、多分……。
「莉乃どうしましたの?」
「いや、夜夏がいやらしいことを考えてた気がしたから」
「ヨル、なに考えてましたの?」
「え? なにも考えてないよ、冬葉と南雲ちゃんにメイドになってもらって僕の奉仕をしてもらおうだなんて考えてないよ?」
自爆しました。
次回。ついに――
次回はついにやるのか?
乞うご期待
友城にい