「また会おう、その時は絶対ナツ! 二十二球目
都内の住宅街にある一軒の豪邸の庭で毎週日曜日に行われているお茶会――。お嬢様である中野姫夏を中心に五人(たまに六人)で騒いで、笑って、喜んで、驚いて、ツッコんだりもう日曜日なんて関係ない。ほぼ毎日がお祭りなんだと思ってくれ。話に遊びや神懸かり的な実験をすることもしばしばやってしまう。仲間思いで、それでいて泣いて、なにかを見つける。そんなのでも、これが僕らにとっての当たり前な日常で在り続けていた平凡記である――。
だが――。
そんなんだったのは昨年の8月までのこと。
作者が倒れ、我らが愛してやまなかった『一番近くにある日常』は突如、終わりを告げたのだ。
そう――
ただただ屋敷内でバカやる話は流行らないのだ。
時代は学園内で物語るのだ。
だからこそ――
いまは――
『宮○学園極大権限保有最上級生徒会』
略して――
極上生徒か――ごふっ」
「いいかげんにしろ」
「え? え? え? あ! よく見たらサブタイトルに『「』がついてる!?」
冬葉が丁寧に説明してくれているうちに、
「関係ないけど、あのヒロインが後のデート・○・ライブの四糸○のよし○んに丸ごとキャラを持っていかれた、あの極○生徒会を言ったんだよな?」
「本当に関係なかった!? あと持っていかれてないと思うよ!?」
「はいはい、騒がない、騒がない、アホだと思われますわ」
「主犯は姫夏ちゃんだよね!? 最初にボケたの姫夏ちゃんだよね!?」
「そうでしたっけ? まあ、なにあれ、いざご開帳」
流れをぶった切り、進行に戻るヒメに冬葉もこれ以上はツッコミをやめる。
そんな過去の行いに興味を示さないヒメに呆れつつ、煮えたぎる鍋の蓋を浮かすや、
「うっ……な、なんだ、この食べ物は……本当にこの世のものか」
よく漫画やラノベなので、『やみなべ』と聞くと真っ黒いスープをイメージするだろう。
たしかにそのイメージに偽りはない。
現に僕らが作ったやみなべも混沌と化していた。
匂いも一言で表せば、
『生』
臭かった。
それでいて、獣臭もなぜかしている。思わず表情が歪む。
「おれはなんだか、わくわくしてきたな。誰の目から見ても食べれそうな食べ物よりかは、好奇心がそそられるな」
エグイ見た目に暖はポジティブに捉えた。
「なんだかわたしは遠慮したいんだけど、やっぱり作った手前、食べないと罰当たり……だよね」
たしかに捨てるのは、よくはない。作ったからには平らげなければならない。あと戻りは、正直したい。
だが、ぐつぐつ煮える黒いスープの中にかすかに見え隠れする具材をひとつ箸で摘まみあげた。けっこう重量がある。
ぐちゃ……
それを見て、ヒメを除く三人。
「「「…………げ」」」
とてもじゃないが、こんなものを混入させてくるとは思わなかったので、真っ先にヒメに問い詰める。
「なにこれ」
「なにって、見ればわかるじゃない。くまの手よ」
うん。たしかにひと目でわかるよ、くまの手。鋭利な爪にごつごつの毛、それでいて見た目に沿わない柔らかそうな肉球かがでな。
「食うか! 誰がくまの手食うかよ! あと……」
僕はくまの手と一緒に見つけたヒメが混入させたであろう具材をもうひとつ摘まんで、
「これもヒメだろが!」
僕が摘まみあげた具材を見て、冬葉と暖は、
「「…………うわぁ」」
「もう冬葉と暖のモチベがバブル崩壊だよ!」
「それ夜夏くんが例えで言っていいネタなの!?」
「コラーゲンがたっぷりでお肌がぷるんぷるんのつやつやになりますわよ?」
「――ぴくん」
お肌つやつやという単語を聞いて、無頓着なヒメと違い、冬葉が反応を示す。
「夜夏くん」
「な、なに?」
「ちょうだい」
「え?」
「いま、夜夏くんが掴んでいる食材、わたしにちょうだい」
「ま、マジで言ってんの? だって……これだよ?」
「いいの!」
「う、うん、冬葉が食べたいっていうんなら、べつにいいが」
僕は冬葉の器に『つばめの巣』を入れたのだった。
「さすが冬葉。じょしりょくのためなら、ゲテモノ料理もいくのですわね」
ようわからんことを呟くヒメを傍目に、やみなべ大会は始まった。
およそ8か月ぶりの更新。
ここ最近は、ネタぎれ感が拭い切れないです。
次の更新では大幅に物語を進めていけたら、と思っておりますので、お楽しみに。
友城にい




