また会おう、その時は絶対ナツ! 二十一球目
「戻ってきましたわね。では、さっそく始めましょうか」
冬葉もそそくさとクーラーボックスから食材を取りだし袋に入れて、ちゃぶ台を囲った。
「灯り、ダウン、ですわ」
手元のボタンで電灯が消えるや、なにも見えなくなった。
するとあたりから袋をこする音。瞬間、鍋に物体が放りこまれる音が続々してくる。かと思いきや、液体やらも注がれている音もしてきた。一体、なにを……。
僕も鍋を入れたところで、ヒメが「いいかしら?」と聞いてきたので、「いいぞ」と返事をすると、灯りが戻る。
「どうだったかしら?」
「うんとまあ、いろいろ言いたいことはある。まず一ついいか」
「なにかしら?」
「さっきから鍋の様子がおかしい」
「まさかの進化……!?」
「するか! あまりの組み合わせに煮込み切れていないだけだろ!」
想像を絶する鍋のかたかた具合。すぐにでも蓋がUFO化しそうで怖い。
「なぁ、大丈夫なんだろうな」
僕の不安をよそにるんるんで受け皿を用意するヒメ。
そこに軽く肩を叩かれ、
「なにを心配している。案じるな、おれがいるじゃないか」
振り向くとグッドをする暖がいた。
見たくはなかったが、ひさしぶりに炸裂した暖のウザキャラ。
「思いだしたかのように披露しなくていいよ、お兄ちゃん。するなら疲労してよ」
対峙するように向かい合わせの兄妹。
誰にでも優しそうな冬葉だが、やっぱり兄の暖にだけ対応が冷たい。
それでも引き下がろうとしない暖は、
「兄ちゃんはこの程度ではへこたれん! 悪いが待ち望んでいる人たちがいるんだ」
「誰が!? 誰がお兄ちゃんに尊大な期待を負わせてるの!? お兄ちゃんに期待するぐらいなら、仮○ライダーに期待したほうが1兆倍裕福だよ!」
で、でたあああぁぁぁぁ。
研ぎ澄まされた冬葉の新奥義がでたあああぁぁぁぁ。
「冬葉、世の中には言っていい冗談と悪い冗談があるんだ。冗談はよせ。兄ちゃんなら余裕で仮面○イダーに小指で勝て――」
「ないよ! どんなに努力を積んでも小物扱いだよ! むしろ相手されないよ!」
決まったぁぁぁぁぁぁ、怒涛のツッコミラッシュがみぞおちに入ったぁぁぁぁぁ。
これが特訓の成果。
実践の成せる技!
そう。
これが、
冬葉・改だ!
そして、的確に指摘を受けた暖は、
「相手にされない。ふっ。いい言葉だ。つまりはおれの気迫に恐れおののいた証拠ってことだろ。まさに完勝。おれ最強。おれ世界一のお兄ちゃん」
「…………」
冬葉はあまりの滑稽さに絶句した。
しかし、僕個人として聞き捨てならない言葉があって、
「暖、違うぞ。僕が世界一のお兄ちゃんだ!」
「夜夏くん急にどうしたの!?」
「ほほお、夜夏。それは宣戦布告と受け取って相違はないのか?」
「もちろんだ。男に二言はない。暖、かかってこいや!」
高田○彦のポーズで挑発する。
「いい度胸だ。まあ、ちょうどいい勝負内容があるじゃないか。勝負は闇鍋を食べて先に倒れたほうが負け。それで、勝ったら」
「僕が勝ったら暖しか知らない冬葉の恥ずかしいエピソードを教えてくれ」
「ふ。いいだろ」
「いいだろ、じゃない! それお兄ちゃんにリスクないよ! リスク負うのわたし!」
「ちなみにおれが勝ったら、夜夏しか知らない冬葉の裏の顔を教えてくれ」
「く……冬葉の恥ずかしいエピソードを知るリスクとしては相等か。仕方ない。それでいこう」
「それでいこうじゃないでしょ! 何度も言うけど二人にリスクないよ! どっちが勝ってもわたししか被害ない! あとわたしの裏の顔、わたし自身も知らないんだけど!?」
「場が温まったところでリア充風鍋パーティーを始めましょうか」
「姫夏ちゃんよく終始スルーできたね!?」
冬葉のツッコミスキルが想像以上に向上していることを確認しつつ、僕と暖の壮絶な《冬葉を懸けた》勝負が幕を開けたのだった。
「だから、なんでそこまで熾烈な戦い感をだせるの!?」
鍋の話を長引かせすぎて、もう予定より四、五話は多くなりそうですね。
友城にい




