また会おう、その時は絶対ナツ! 十五球目
僕は殺風景の部屋を左右、何度も見直した。
なにか代わりになるものはないか、と祈りながら設置してある簡易クローゼットを開けるが、中身はハンガーだけで空っぽ。布団の代わりになりそうなものは、なさそうだった。
「今日、添い寝でもいいよ。ほら、ソフレって言葉があるぐらいだから、その……わたし夜夏くんを信用してるから」
添い寝フレンド。お互いに恋愛感情がない仲良しが、お互いを抱き枕みたいにして、就寝だけをする仲のこと。
「冬葉が良くても、男女が同じ毛布で寝るのは、どうなんだ」
「でも床で寝たりしたら、明日からの野球の練習にも支障を来たすかもしれないよ。そっちのほうがお兄ちゃん怒るよ、絶対」
言いつつも恥ずかしいのか、頬を赤くしている。けど、今日のこの場面に限って、やけに冬葉が押し迫ってくる。どうしたんだ、まさか独りじゃ寝られないとかか。
「今は保留にしよう。じゃあ、廊下に出るぞ」
強引に後回しにして、廊下に出ようとドアにトコトコと歩く。スリッパがぱたんぱたん、フローリングの床を鳴らす。
「まって」
冬葉が控えめの声で、止める。
「なに?」
「わたしは絶対に答えを変えないから、ゆっくり考えてね」
意味深にはにかむ冬葉。
「なんだそれ。逆だろ、普通」
僕がそう言うと冬葉は「そっか、そうだよね」と僕の後ろをついてきて、ようやく廊下に出た。
出るとヒメと暖がもう待機していた。。
「来ましたわね。では、今から浴場でよくじょ――」
「そこまでだ!」
ヒメの言わんばかりの言葉を全力の反射神経を駆使して、止めた。
「なにを言うつもりだ」
「ですから浴場でよくじょ――」
「言わせねぇーよ!?」
我が家の杉○のようなツッコミ文句で、再び制止。
「なら、ヨルが今やった。全力で制止をやったらせい――」「だああああああ!」「が大量に放出されたという、最高の下ネタを――」
「サイテーだよ! ここに冬葉という、純真無垢な女の子がいることを忘れるな!」
冬葉を盾にヒメを制御する。
「わかりました。では、やりましょうか。建築されたばかりで新品とはいえ、汚ればかりと聞いていますので、体力作りを兼ねて浴場を掃除しようと思いますの。よろしいですか?」
「どれぐらい広いんだ、姫夏殿」
暖が屈伸をしながら、言う。どんだけ筋トレするんだ。
「それは見てからのお楽しみ、ということで手を打ってください、ですの。では行きますわよ。皆の衆」
どこの隊長やねん。というツッコミを置いて、僕たち三人はヒメについていった。
階段を下りて、一階の最奥の引き戸を開けて入っていくと、木製の壁の脱衣所が広がっている。
「最初に女子。あとに男子でいいかしら?」
「うむ。それは致し方ない。本当は一番風呂が好きなんだがな。やはりここはレディーファーストの精神に則り。女子にはどんなときにでも、綺麗でいてほしいという思いも込めて喜んで譲ろうではないか。なあ、夜夏」
「あー、はいはい。ヒメと冬葉はもう浴場に入ったぞ」
「な! うむ、ではおれたちもいこうか」
「先にデッキブラシを持てー」
適当にあしらい、用具室からデッキブラシ二個と布巾二枚を渡す。僕はバケツとホースを持つ。
「では、行くぞ。無限の彼方へ」
お前はバ○ライトイヤーか。
爽快に笑いながら、走りだす暖を追いかけて浴場に入ると、暖が滑りのいいタイルの上で足を滑らせてこけた。
「大丈夫か?」
「なんとかな……」
バカな暖はともかく、ヒメと冬葉はというと、お湯の張っていない岩でできた浴槽の真ん中で立っていた。
「お二人はタイルをお願いしますわ。私と冬葉はお風呂をしますので」
「ああ、わかった」
旅館のような立派な風呂の壁には、迫力のある富士山の絵。今から僕たちのやる部分のほうが広い気がするが、気にしないでおきたい。
骨盤あたりを押さえて、ようやく暖が起き上がって、こっちに来た。蛇口にホースを差し込み、水を引いてばら撒き、洗剤をふんだんに振りまく。
「ほら、さっさとやるぞ」
「承知した。おれは洗い台のほうをこなすことにしよう。細かいところは大好きでな」
「そりゃ助かる」
布巾を持って、とことこ歩いていった暖を見送り、デッキブラシで磨きつつ、ヒメたちに目をやる。んまあ、でこぼことした岩はとても磨きづらいだろう。二人は奮闘して、必死に岩と岩のあいだなどを、丁寧に力強く擦っていた。ご苦労さまなこった。
遅くなってしまい、すみません。他の作品を書いてまして、こちらを疎かにしています。
あと完全なるネタ切れとかが理由です(笑)。エタりはしませんので、どうか最後まで……。
友城にい




