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一番近くにある日常 入!  作者: 友城にい
暑かりし、草野球編
30/78

また会おう、その時は絶対ナツ! 十五球目



 僕は殺風景の部屋を左右、何度も見直した。

 なにか代わりになるものはないか、と祈りながら設置してある簡易クローゼットを開けるが、中身はハンガーだけで空っぽ。布団の代わりになりそうなものは、なさそうだった。


「今日、添い寝でもいいよ。ほら、ソフレって言葉があるぐらいだから、その……わたし夜夏くんを信用してるから」


 添い寝フレンド。お互いに恋愛感情がない仲良しが、お互いを抱き枕みたいにして、就寝だけをする仲のこと。


「冬葉が良くても、男女が同じ毛布で寝るのは、どうなんだ」

「でも床で寝たりしたら、明日からの野球の練習にも支障を来たすかもしれないよ。そっちのほうがお兄ちゃん怒るよ、絶対」


 言いつつも恥ずかしいのか、頬を赤くしている。けど、今日のこの場面に限って、やけに冬葉が押し迫ってくる。どうしたんだ、まさか独りじゃ寝られないとかか。


「今は保留にしよう。じゃあ、廊下に出るぞ」


 強引に後回しにして、廊下に出ようとドアにトコトコと歩く。スリッパがぱたんぱたん、フローリングの床を鳴らす。


「まって」


 冬葉が控えめの声で、止める。


「なに?」

「わたしは絶対に答えを変えないから、ゆっくり考えてね」


 意味深にはにかむ冬葉。


「なんだそれ。逆だろ、普通」


 僕がそう言うと冬葉は「そっか、そうだよね」と僕の後ろをついてきて、ようやく廊下に出た。

 出るとヒメと暖がもう待機していた。。


「来ましたわね。では、今から浴場でよくじょ――」

「そこまでだ!」


 ヒメの言わんばかりの言葉を全力の反射神経ツッコミを駆使して、止めた。


「なにを言うつもりだ」

「ですから浴場でよくじょ――」

「言わせねぇーよ!?」


 我が家の杉○のようなツッコミ文句で、再び制止。


「なら、ヨルが今やった。全力で制止をやったらせい――」「だああああああ!」「が大量に放出されたという、最高の下ネタを――」

「サイテーだよ! ここに冬葉という、純真無垢な女の子がいることを忘れるな!」


 冬葉を盾にヒメを制御する。


「わかりました。では、やりましょうか。建築されたばかりで新品とはいえ、汚ればかりと聞いていますので、体力作りを兼ねて浴場を掃除しようと思いますの。よろしいですか?」

「どれぐらい広いんだ、姫夏殿」


 暖が屈伸をしながら、言う。どんだけ筋トレするんだ。


「それは見てからのお楽しみ、ということで手を打ってください、ですの。では行きますわよ。皆の衆」


 どこの隊長やねん。というツッコミを置いて、僕たち三人はヒメについていった。

 階段を下りて、一階の最奥の引き戸を開けて入っていくと、木製の壁の脱衣所が広がっている。


「最初に女子。あとに男子でいいかしら?」

「うむ。それは致し方ない。本当は一番風呂が好きなんだがな。やはりここはレディーファーストの精神に則り。女子にはどんなときにでも、綺麗でいてほしいという思いも込めて喜んで譲ろうではないか。なあ、夜夏」

「あー、はいはい。ヒメと冬葉はもう浴場に入ったぞ」

「な! うむ、ではおれたちもいこうか」

「先にデッキブラシを持てー」


 適当にあしらい、用具室からデッキブラシ二個と布巾二枚を渡す。僕はバケツとホースを持つ。


「では、行くぞ。無限の彼方へ」


 お前はバ○ライトイヤーか。

 爽快に笑いながら、走りだす暖を追いかけて浴場に入ると、暖が滑りのいいタイルの上で足を滑らせてこけた。


「大丈夫か?」

「なんとかな……」


 バカな暖はともかく、ヒメと冬葉はというと、お湯の張っていない岩でできた浴槽の真ん中で立っていた。


「お二人はタイルをお願いしますわ。私と冬葉はお風呂をしますので」

「ああ、わかった」


 旅館のような立派な風呂の壁には、迫力のある富士山の絵。今から僕たちのやる部分のほうが広い気がするが、気にしないでおきたい。

 骨盤あたりを押さえて、ようやく暖が起き上がって、こっちに来た。蛇口にホースを差し込み、水を引いてばら撒き、洗剤をふんだんに振りまく。


「ほら、さっさとやるぞ」

「承知した。おれは洗い台のほうをこなすことにしよう。細かいところは大好きでな」

「そりゃ助かる」


 布巾を持って、とことこ歩いていった暖を見送り、デッキブラシで磨きつつ、ヒメたちに目をやる。んまあ、でこぼことした岩はとても磨きづらいだろう。二人は奮闘して、必死に岩と岩のあいだなどを、丁寧に力強く擦っていた。ご苦労さまなこった。


遅くなってしまい、すみません。他の作品を書いてまして、こちらを疎かにしています。

あと完全なるネタ切れとかが理由です(笑)。エタりはしませんので、どうか最後まで……。


友城にい

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