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一番近くにある日常 入!  作者: 友城にい
暑かりし、草野球編
29/78

また会おう、その時は絶対ナツ! 十四球目

 ここは――


「僕は最奥でいいよ。ということで暖が冬葉のとなり――」


 どっぽおおおおおおおーん、


「※¥@$!?☆∀〒!?&〆!?÷」←僕


 言いかけた時、僕の泊まる部屋になるであろう部屋から物凄い破壊音がする。


「な、なに今の音……?」


 なんだ、と動揺していると一人の人物に目が止まる。


「あっれれぇー、おっかしいぞぉー」


 目線を上にやって、人差し指で額を抑える。ついでに舌を出していた。

 明らかに怪しい言動をしだすヒメ。


「なにを狙ってる、ヒメ」


 どうみてもあの音はヒメが関係していることには間違いない。


「え、私ですか? 私はなぁーんにも知りませんわよ。冬葉と同室にしようとして、部屋を破壊なんて私ぜーったいしませんもの」


 自分で白状した。


「わ、わたしと、ど、同室!?」


 冬葉は冬葉で変なところに反応する。


「怒らないから話せ」

「本当に?」


 よそ見で言うヒメ。


「ああ、嘘じゃない。だから、話せ」

「神に誓える?」

「誓う」

「ファイナルアンサー?」

「ファイナルアンサー」

「『本当によろしいのですか。そうであれば《イエス》をクリックしてください』」

「ポチ」


 小指を差しだす。


「約束ですわよ」

「ああ」


 小指で交わす。


「指きり拳万嘘ついたら針千本飲ーます。指切った」


 小指を放した。ようやく話すか?

 と思いきや、懐から契約書らしき紙を向けて、


「では、ここに印鑑を」

「早く言えやあああああ!」

「すいやせん、総長!」

「総長じゃねえええ!」


 僕の堪忍袋に応じて、ヒメがやっと話す。


「モヤモヤさま○ーずになって、モンケンでやりました。後悔はしてない。だって、面白そうだったから」


 とりあえず、鼻を摘まんだ。

 モンケンとは、クレーン車のようなものの先に鉄球がついていて、それで解体作業などをやっていたそうです。そうですというのは、今はあまり使われないそうで。


「フガー。なにをしますのー」

「罪と罰を与えた。以上」



  ☆



 落ち着いたところで道を戻す。


「僕は、その……冬葉と同室なのか? それなら、暖と――」


 真面目に悩んでいるのにヒメは暖に耳打ちをしていた。また嫌な予感が……。


「そういうことなら仕方ない。冬葉は夜夏に挙げよう」

「え?」

「ふふ、交渉成立のようですわね」

「え、なにやってんの?」


 僕が問うと。


「ああ、夜夏。お前はおれの愛おしい妹とルームシェアをしてくれ。おれは……都合が悪いんでな」

「え、なんで?」

「なんでと言われてもな。そういうことなんだ。それともおれと一緒に『筋トレオールナイト』を明かすかい」

「なにそれ……。内容によっては、そっちのほうが僕のためになりそうだが」

「止めといたほうがいい。夜夏では、あっちに方向転換しかねない。まともなうちに遠慮したほうが身のためだぞ」

「あっちってなんだよ」

「ホモでしょ」


 横からヒメが「今でしょ」の言い方で立っていた。


「わかった。そこまで言うなら……」


 何気なく冬葉のほうを見やった。


「わたしと夜夏くんが……ひとつの部屋を共有……こ、これって、もう……どうせ…………い」

「冬葉?」

「ふひゃー。な、なに夜夏くん」

「僕、泊まるところがないんだ。だから、冬葉。僕を泊めてくれないか。あ、もちろん嫌なら屋敷に――」

「屋敷は絶賛改装中ですので、立ち入り禁止になってますの」

「ええ!?」

「この際なので、内装をワンランクアップしようと思いまして。ほら、試合とかもしますし、見栄えを良くしようと。ちなみに完了予定日は、試合の一日前になってます」


 ヒメのとんでも発言に本当に寝泊まりの場所を失った僕は、改めて冬葉と面を向かった。


「ということなんだが……」

「う、うん……いいよ。わたしの部屋でよければ」

「ほ、本当か!」

「うん。その代わり」

「ああ、僕でよければご飯の用意や掃除とか手伝うぞ」


 藁にもすがる思いだ。だが、冬葉は「ち、違うよ」とあわあわしだし、


「じゃあ、なんだ?」

「わたしのお話を毎晩聞いてね。じつは、毎日お兄ちゃんにその日のことをお話しながらおさらいしてるんだ。だから、今日から夜夏くんがお兄ちゃんの代わり」


 そんなことをしてるのか。初耳だ。


「ああ、お安い御用だ」

「ありがとう」


 冬葉のはにかむ顔。何度見ても可愛い。


「では、各自一度、部屋を確認して、十分後にここに集合。わかりまして」


 ヒメの指揮により、僕と冬葉は階段手前の部屋に入った。

 そこで……。


「え? これって……」

「うん……そうだよね。元々一人部屋だったわけだから……」


 僕と冬葉は、お互いに視線がぶつかり、照れるように反らした。

 だって。


「どうする」

「わたしは、夜夏くんがよければ……」

「そ、それはいくらなんでも……まずいだろ……」


 なにがまずいって。


 シングルベッドが一個しかないから。


どきどきな展開の最初に訪れるおふとんイベント。はたしてヨルと冬葉は、同じベッドで寝てしまうのか!

不純は、僕の目が黒いうちは許しませんよ!


友城にい

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