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一番近くにある日常 入!  作者: 友城にい
人気キャラランキング結果発表編
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お祝い企画 人気キャラランキング結果発表 二個目

 さっきからどうやらゲーム音が聞こえていたし、携帯ゲーム機だろうと思っていた。

 しかし、やっていたのはスマホだった。


「なにやってんの?」


 僕が疑問形に尋ねると答えたのは、莉乃がやっているのを横から見ていた南雲ちゃんだった。


「ポ○パンだよ~」

「ぽ、ぽこ○ん?」

「うん~。ポ○パン。夜夏くんも知らない~?」


「も」ということは南雲ちゃんも詳しくは知らないってことだ。

 そんなタイミングで、ボーナスターイム、と言いパーンと軽やかな弾く音が聞こえると、ようやく黙っていた莉乃がしゃべり出す。


「ああ~自己ベスト超えねぇか」

「なあ莉乃」

「え、なに?」

「それがポ○パン?」

「そうだが、なに? 南雲と一緒で夜夏も知らねぇのか?」


 僕は「イエス」と言うとケータイを取りだした。横の南雲ちゃんが「キリスト~」と繋げてきたが、僕はツッコミが遅れた。


「これでできるの?」


「できるわけねぇだろ、つーか夜夏まだガラケー使ってんのか?」

「わ、悪いかよ……」


 ――ガラパゴスケータイ。通称ガラケー。僕はこれを愛用して早二年。ああ、買った時のことを今も昨日のことのように思える。


「なにカッコつけてんだよ。リア充ならスマホを使ってバンバン女をたぶらかせよな!」


 もしスマホを所持していてもそんなことはしない。心に誓えるよ、いまもずっと。


「誑かすかはともかく、べつにこのケータイで充分だからいいよ、リア充だけに」


 それを言った時、僕の顔の後ろから「ぶふっ」と少しお下品な吹きだしが聞こえた。あと首筋に唾液らしきものがかかった。ハンカチで拭いて保存しとかないとな。

 ふきふきと、ハンカチを常時所持している保存袋(ビニール製)に入れてから、莉乃に「えっと……」と話を戻そうとすると。


「…………」

「どうした? まるで変質者を見るような目で」


 すると莉乃を人差し指を前に突きだした。


「ま、まさか本当に変質者が! そ、それなら早く警察に!」


 侵入者は許さない! 僕は急いで手に持っていたケータイに110と打ちこむ。

 そして、発信ボタンを押そうとした時――



「お前だああああああ! 変質者はああああああああっ!」



 ダダーン!


「え? マジで?」

「その顔やめろ、ウザくなるから」

「いま僕どんな顔?」

「殴ったら治るかもしれん。あたしがこぶしを貸してやろうか?」

「い、痛くするなよ?」

「…………」


 莉乃が僕から視線をそらし、南雲ちゃんと「それでさ」とかまるで僕から遠ざけるような会話をし始めた。


「マジですんませんでした。だから無視だけはやめてください、この通りです」


 イスの上で土下座と金塊きんかいを五本莉乃の前に差し出し、詫びを入れる。


「お前なんちゅうもん取り出してんだよ、金持ちか?」

「?」

「ああ、夜夏にこのツッコミはダメだったな。訂正。このゴミ蟲が!」


 莉乃が女王様に見えたとか見えなかったとか。

 その横で金塊を一本自分の胸に挟もうという荒業に挑戦している少女がいた。


「南雲ちゃんなにやってんの?」

「ほえ~? なにもしてませんよぉ~」

「えっと、じゃあ胸に挟んでるその金色のやつはなんだい?」

「ほえ~? きんいろ? 南雲のおっぱいは元々こんなのですよ~?」


 目の前に金色のおっぱいが現れた。



  ・たたかう

  ・いれかえる

  ・どうぐ

  ・にげる



 僕は無論どうぐを選び、モンスターボールを選択。それを金色のおっぱいに向かって投げた!

 ……まあ、本当にボールを投げたり、それに似せた行為をするわけではないんですけどね。残念だけど。


「南雲ちゃん、たしかに僕は南雲ちゃんとは友達以上、恋人未満の関係ではあるけど、これはこれあれはあれとね」

「夜夏なに言ってんの?」

「へ?」


 割り込みしてきた莉乃が真剣な眼差しで僕を見る。


「南雲がなにかやったのか?」

「だから金塊を……」

「金塊ってなんだよ? 美味いのか? そんなら是非とも食べてみたいね」


 下手な誤魔化しを始めた。なに? 盗むつもりなの? 盗み、ダメ、絶対。


「じゃあ、かじってみるか? 言っとくが……大きくて、太くて、ギンギンに光ってるぞ?」


 わざとじゃないです。だって本当のことだしぃ~。


「それは金塊だろ? そんなの食べるわけないだろ? なに? 頭、イったか?」


 莉乃が「はぁ~? こいつなに言ってんの?」みたいな顔をして「頭」と言った時は自分のこめかみをツンツンと突っついて、僕が頭おかしいようなアピールをする。


「実力行使でいいのか?」

「夜夏があたしに勝てるなら、かかってこいよ」


 拳二つ作って、僕の鼻と顎に突きつける。


「すいません、参りました」

「じゃあ、なにも問題ないな?」

「は、はい……」


 一本一千五百万円相当だと、ガードマンに言われたのに、見事にル○ンにやられた。

「ル○~ン、待たんか~」「あーばよ、とっつあーん」みたいな感じに。


 僕は「はぁ……」とため息を漏らす中、もう一度莉乃を見ると小声で、


「よし、これを帰りに高○の質店に持っていって、P○4を買いにいこう。南雲はなに買う? なんでも買えるぞ」

「南雲ですか~? そうですね~、服とかバックとかの装飾品が欲しいなぁ~」

「お安い御用さ。それまできちんと押さえとけよ。それってめっちゃ重いんだろ?」

「うん~。南雲耐えられるか、わかんないけど莉乃ちゃんのためにがんばるよ~」


 すごい良い雰囲気を出そうとしてるけど、僕はやっぱりそうする。


「やっぱり金塊じゃねーかー!」

「ちっ、バレたか」

「いや、バレバレだからね!? あまりにしらばっくれるから様子を見てただけだからね!?」


 というわけでようやく『金塊騒動?』にピリオドを打った。



 金塊を回収して、僕はそろそろいいかな、と冬葉のほうをうかがう。


「あ、夜夏くん」

「笑いの壺からは抜け出せた?」

「うん、どうにかね。でもあれは傑作だったよね」

「『よね』と言われても僕は知らないんだけど」


 冬葉の顔はまだ少し余韻があるように笑っていた。


「夜夏くんが『おほっ』とか『はひっ』とか『ちょっとやめろよ、やめろよ』とかをね」

「僕そんなこと言う人なのか?」

「だからね、想像だよ。夜夏くんに耳打ちしたら、こういう反応をするのかな、って想像したら自然と笑いがこみ上げてくるんだよ」


 もしそんな(最後のはマシ)声が出たら部屋に閉じこもろうかな。


「えっと、イタズラとかでするなよ?」


 厳重に注意をしておく必要があるな、と思ってそう言うと冬葉は「?」を浮かべるように首を傾げる。

 なにかいやな予感……。


「フリ?」

「違うからね?」

「だって、『するなよ』はフリだって、出○哲郎や上○竜平は言っていたけど」

「その人たちはリアクション芸人といってね、高度な前振りであってね」

「夜夏くんは?」


 冬葉は一時期流行っていたチワワみたいな目で僕を見る。

 それは反則だ。

 危うく、そうだよ、と言ってしまうところだった。あぶねぇ……。


「僕は芸人じゃないからできない」

「そ、そっか」


 冬葉は少しも残念そうにせず、ニコッと笑って僕に元気をくれる。

 僕は「そういえば……」と忘れてかけていたことを思いだし、ステージに目をやると。


「まだ笑ってんのかよ!?」

「はひっ!」


 ヒメはずいぶん経ったのに、いまだに後ろを向いて笑っていた。

 おまけに僕のツッコミにヘンな声出すし、その反応は横に座っていた冬葉の壺に入りやすい新鮮なネタだったので、また笑いだしてしまった。


「やれやれ……」


 僕は呆れるほかなかったのは、言うまでもない。


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