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一番近くにある日常 入!  作者: 友城にい
暑かりし、草野球編
18/78

また会おう、その時は絶対ナツ! 三球目

「ピッチャーは莉乃ちゃんで行く。異論は許さん」

「まあ、ないけど」


 僕の言葉に続く人はいなかった。みんな納得ということだろう。


「負けた時は莉乃の責任にしていいってことですわよね。そういうことですわよね。ねぇ暖」

「それは、ノーコメントで。一概にピッチャーの全責任とは言えないからな」


 暖にそう言われて、少し動揺するヒメ。そこまで責任を押しつけたかったのか?


「あれ。試合するつもりなのか?」

「しないんですの?」

「どこと? あと九人いないだろ」

「…………」


 僕の指摘にヒメは黙りこんだ。


「…………」


 待ってもなにも言わない。

 この人……。


「考えてないのかよ!」

「…………」

「なにか言えよ! 僕はてっきり今日だけの遊びかと」


 ヒメのだんまり。


「そういうつもりだったのか夜夏。おれとも遊びだったのかよ!」

「ややこしくなるから、今は引っこんでてくれ! それと言葉を選べ!」


 ああもう三人ほど冷ややかな目で見え始めたじゃないか! 僕にそんな趣味はない、けして。


「くすん……」

「嘘泣きよせ!」

「あーい」


 ガ○モちゃんかよ。最近はフジ○ンのパクリのほうが印象高いけど。


「わかりましたわ。明日までに対戦相手をさがしておきます。それでよろしくて、ヨル」

「いや、試合したくないんだが……どうせ負けるし」


 ど素人と試合を申し込むとすればそれなりのチームと戦いそうだ。ヒメのことだし。これじゃまるで運動神経悪いうんたらと少年野球チームとやりあうのと同レベル。途中から回最初から満塁。ファイブアウト。相手はワンアウト制度になるに決まってる。


「だまらっしゃい! 負けるのが怖くてなにもできますか! 私はやりますわよ、やるならとことん最後まで諦めずに!」


 ヒメが熱い。金髪なのに赤髪に見えてきた。これじゃ莉乃とキャラ被りだな。


「わかったよ。やればいいんだろ、やれば。で、あとメンバー足りないが?」

「そこは心配いりませんわ。こんなこともあろうかと助っ人を呼んでおきましたから。入ってらっしゃい」


 手をぱんぱんと叩く。すると奥のほうからすたすたと走ってくる人が三人。あれ?


「紹介しますわ。この人は――」

「ストーップ!」

「なんですの?」

「なんで新○ょうに城○まに清○ら、なんだよ!」

「清は○はファーストではなく、サードをやってもらうよう頼んであります。彼はこれでも西武時代はサードをやっていたんですのよ」

「そこじゃねえよ! いいのか、出して!」


 なんかもうアウト臭が半端ない。大丈夫か、僕の姉。


「問題ないですわよ。コレもそこいらのバラエティより多めに出しておきましたんで」


 ヒメは指で輪っかを作る。ああ、あれね。うん、あえて言わない。

 そのあと三人にはホテルに帰ってもらった。試合の日に呼ぶらしい。それまで帝○ホテルに泊まってもらうのか、もらわないとか。


「凄かったね……でもわたし桑○さんを見たかったな」

「南雲は、よくわからないですけどぉ~。ドカ○ンという人を見たいですねぇ~」


 いや、実在しないから。架空の選手だから。

 二人の微笑ましい会話もいいが、次のステップに移行する。


「よし。ポジションは決まったな。本当ならここで体力を作ってほしいが、そんな余裕も時間もなさそうだ。なので、守備練習を行おうと思う。いいか」


 暖に言われるがままに五人は、それぞれの位置についた。

 当然、僕のいる外野は反対側に冬葉がいるだけでガラガラ。暖がその通りのところに打てるのかも不安だ。だってそこにいかなかったら捕りにいくのは僕だし。

 ここから暖の場所は遠い。

 暖が「いくぞー」の声も大きいはずなのに小さく聞こえた。

 瞬間にキーン、と弾く音がし、二塁近くにいる南雲ちゃんのところにいく。


「捕りますよぉ~」


 ぼてぼての当たり。南雲ちゃんは腰を低くしてグローブを差しだす。

 だがボールは南雲ちゃんの股のあいだを抜けて、僕のところにくる。まあ初心者ならそうなるよな。


「あれれ~? おかしいなぁ~いめーじとれーにんぐぅー(親指を立てる)は、完璧だったのにぃ~」


 途中のなに? エ○はるみ?

 そこに。


「夜夏ー」


 暖がこっちに走ってきた。なにかあったのか?


「なに?」

「夜夏。おれ、衝撃の事実。いや、新境地を発見した。聞いてくれないか」

「なんだよ」

「あのな」


 溜めに溜めを作る。

 暖の顔は真剣そのものだ。いったいなにを言う気なんだ?


「南雲ちゃんのおっぱいがそこいらのグラビアよりエロい」

「…………」


 ゴッツンコ、


「あいたっ!」


 暖の旋毛つむじあたりをグーでどつく。ヒメとか女性ならパーで、乗せる程度だがな。


「なにをするんだ。夜夏も好きだろ、おっぱい」

「そりゃ好きだが……」

「聞いてくれ。南雲ちゃんのおっぱいはな。天然なんだよ」

「あの歳で整形のほうが嫌だがな」


 南雲ちゃんのおぱーいが整形なら、僕はあそこまで執着してないだろう。なんてったってなぐおっぱいだし。

 それにしても暖が熱い。いや、たしかに外気も暑いが、暖は、体温じゃなく、魂があつ……暑苦しい。


「おれな、見たんだよ!」

「なにを……!」


 ま、まさか、僕でさえ見ていない南雲ちゃんのち……。


「ばいんばいんに揺れるのを。ありゃエロを超えた新の芸術だな。絶対」

「ほっ……」

「なんで安堵してんだ?」

「いや」


 よかった、谷間か。本当によかった、初めてがこんなバカ(暖)じゃなくて。


「いや~。これが終わったら語らね? おっぱいでさ」

「ああ、わかったから練習早くやれ。暑いんだよ、こっちは」

「あいよー」


 みんなから訝しみの目で見られていたが、場所が場所なだけに話は聞こえていない。

 そんなことはどうでもいいのか、何事もなかったかのように暖は大声を出して、ノックを再開した。

 次はファースト。


「私ですわね。まかせて……あれ?」


 ヒメもトンネル。南雲ちゃんと同じ結果になった。

 僕はこっちに来ないことを察して、南雲ちゃんのすぐ後ろに着いた。


「ぷぷ。姫夏ヘタだなぁ。あたしを見てろ。さあこっちにこい、暖」


 案の定、喧嘩がおっぱじめそうな雰囲気。


「おっ。さすがエースだ。いくぞ、莉乃ちゃん!」


 暖が目の前の投手に軽めにバットに当てる。


「きたきた。見せてやる。あたしの華麗な捌きを!」


 できる気満々の莉乃の前に立ちふさがったのは、ボールじゃなかった。


「させますかーっ!」


 ヒメのドロップキックだった。高らかに決めるライ○ーキックにも見える。

 避けることはできない。そのため、キックが捕球中の莉乃の弁慶にクリティカルヒットゥー。


「ぎゃあああああ! き、姫夏……。馬鹿野郎ーっ!! 姫夏、誰をってる!? ふざけるなーっ!!」


 莉乃のどこかで聞いたことがあるような叫び。

 その隣でニヤニヤするヒメ。


つならあたし以外の人間の足をて!! なにをやってる。せめて暖だろ!!」


 莉乃の言ってることが滅茶苦茶だ。


「なんでおれ? まあいいけどよ。野郎じゃないし」


 いいのかよ。美少女限定の罵られて興奮する、ドM体質なのか。なんか僕の中の暖がどんどん変態になっている気がする。


「莉乃。あなたは私をバカにしました。それの報いです」

「はは、ならこっち(暴力)じゃなくて、こっち(野球)でこいよ」

「ふふ、それもそうですわね。私としたことが。まあ攻撃して反撃されてません。――し、半分は私の勝ちですわよね……」


 後半小声のつもりで言ったヒメ。こっちまで聞こえてるぞ。


「なにか言ったか?」

「いいえ。なにも」


 外野の僕にも聞こえたのに、目の前の莉乃が聞こえていないはずないだろうよ。あれはわざとだな。


「じゃあ、バッティング勝負をしようぜ。どちらがより遠くに飛ばせるか勝負だ」

「いいでしょう。それなら私にも勝ち目ありそうですし」


 勝てるのか? それ。

 投球のときは、それなりに力がありそうに窺えたが、素人がそうバットに当てられるものじゃない。


「五球で勝負! いくぜ」

「ええ」


 こうして、また寄り道が始まった。

暖も男。ヨルも男。ならやはり南雲ちゃんのおぱーいはロマンです。


それよりまたバトルになりました。


友城にい

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