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一番近くにある日常 入!  作者: 友城にい
人気キャラランキング結果発表編
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お祝い企画 人気キャラランキング結果発表 最後の一個

 僕が自分で「中野夜夏」を出した時点で残ったのは「冬葉」だけ。そして、冬葉の順位を当てる自信ももちろんあってのこと。

 莉乃は今気づいたらしく、歯をぎりぎりと鳴らす。


「そうゆうことか。これはヤバイな本気で……」

「さぁヨル。何位か、もうわかるでしょ?」


 ヒメからのサービス。

 僕は自信満々に頷いた。


「ああ」


 冬葉はなにも言わず、じっと待つ。


「さぁ言ってみなさい」


 南雲ちゃんが三位だった。

 なら――


「冬葉は二位だ。間違いない」


 これで間違っていたらスゲー恥もの。

 緊迫した空気が流れる。

 ここまで時計の針の音が聴こえる。

 僕は冬葉からの発表を待った。

 冬葉がゆっくりと口を開き――


「夜夏くん……正解です」


 ほっと肩の力が抜け、背もたれに寄りかかる。


「ふぅ……よかった」


 人間本当に嬉しいときほど身体が動かない。安堵のほうが強いのかもしれない。


「ヨル。これで負けがありませんわね」

「ああ」

「夜夏くん……」

「はは、莉乃が南雲ちゃんのことを知り尽くしてるなら、僕は冬葉のことならおまかせってことだよ」


 僕はグッと握り親指を天に向けた。


「はは、これであたしもピタリを当てなきゃいけねぇってわけか。これほど燃える勝負はそうねぇな。なんだかあたし、わくわくしてきた」


 そう。これで勝負がついたわけじゃない。

 これが本当のラストバトル。

 僕は莉乃を見る。


「なんだ。男の目をして」

「僕は負けない。今も莉乃に負けないくらいに胸がわくわくして、心臓が壊れそうだ」

「そうこなくちゃな」

「いくぞ」

「おう。こい」


 僕は最後のジャンルを選択。


「『食材』で莉乃もよく知ってるこれでいく『ベジタブルバーガー』だ」

「ほう。それか。夜夏、本気マジか」

「一切、手は抜かない」


 目は燃え滾る灼熱。手汗は緊張の象徴の証。胸の奥には止まりやしない歯車。


「じゃあ、いくぜ」

「ちょっとまて。莉乃にチャンスをやりたい」

「なんだよ」

「僕はある程度『ベジタブルバーガー』の順位を把握している。今から僕から二択を出す。そして、莉乃はどちら一つを選ぶ。ダメか」


 僕だけサービスで勝っても嬉しくない。勝つなら清々堂々と勝ちたい。


「なんのつまりだ? あたしが外すとでも言いたいのか? 知ってるだろ、あたしが大きく予想を外していないのを」

「知ってる」

「なら――」

「けど、平等に戦い。ただそれだけだ」

「平等?」

「どうしても嫌ならそれでいい。けど提案だけさせてくれ」

「へぇー。さすがお人好し夜夏くんだ。いいだろ、乗った」


 莉乃が了承。


「ありがとう。じゃあいくよ」


 僕は拳を突きだした。


「二十二位か二十位。どちらかだ。間違いない」

「どうなんですの。冬葉」


 冬葉のランキングチャック。そして、うん、と頷いた。


「まあ、あたしもそこらへんを予想してたけどな。おかげで絞りやすくなった」


 やはり今日の莉乃は乗っている。揺さ振りにもならなかったかもしれない。

 ふむ、と悩み。決めた、と声を出す。


「二十二位だ」

「それでいいのか?」

「ああ、あたしにニ言はない」


 最後のジャッジ。

 三人は冬葉を見る。


「ぜ、全員で見られると緊張するなぁ。う、うん、では発表するよ。ベジタブルバーガーの順位は――」


 これが本当の。

 どっくん、どっくん、どっくん…………

 瞬間、


「――第。二十……位です!」


 あいだに「二」の数字はなかった。

 莉乃は、すっきりしたみたいに腕を首に回した。


「あーあ、あたしの負けか。ここまで勝ったのに。ちぇ」

「ヨル。あなたの勝ちですわ」

「夜夏くん、おめでとう!」

「あら~莉乃ちゃん負けちゃったんですかぁ~。あとでよしよししてあげないとぉ~」

「それでヨルはなにが欲しいんですの? ぶっちゃけヨルの欲しいものなんて、今まで聞いたことありませんけど」

「え、そうなの?」

「ええ、ヨルは誰かになにかをねだったりするような子じゃありませんでしたから。これが初めてですわね」

「そ、そうなんだ……夜夏くん、なにが欲しいんだろ」


 冬葉の僕に対する興味。


「それでヨル。なにが欲しいんですの? ヨル?」

「え? ああ、そうだったな」

「また妄想?」

「違う!」

「違うんですの?」

「勝ったんだ、って思ったら力がスゥーと抜けてさ」

「ったく。まったくヨルらしいですわ。早く欲しいものを言ったらどうです?」


 ヒメが腕を組んで、ステージから下りていった。続いて莉乃も頭の後ろに手を組んで下りていく。

 ヒメの使っていたマイクを手に取り、二人が席に着いたのを確認し、僕は堂々と宣言した。


「ありがとう。苦しい戦いだったけど、ヒメや莉乃もすげー強かった」


 そうだ。僕は一人の力で勝ったわけじゃない。


「僕は一人じゃ物凄く弱い人間だ。でも、僕にはこれだけの心強い仲間がいる。それだけで幸せ者だって思ってる」


 自分に酔っているだけかもしれない。現状に満足。それでいい。これが僕だから。


「これからもいろいろある。それでも付き合ってきてくれ」


 四人が「もちろん」と目線を合わせる。


「最後になる。僕の願いだ。これは最初から決めていたことだ。聞いてくれ。僕の願いは――」


 みんなの期待の眼差し。

 僕のたった一つの願い。それは――


「みんなでメイド服……ぐふっ」


 正面からスプーンが飛んで、僕の額にクリティカルヒット。


「ぜってーしねーからなっ! そんな格好!」

「そう? 可愛いと思うけど」

「南雲着てみたいですぅ~」

「二人は陽気だな! まぁ、どうしてもって言うなら」

「着てくれるのか?」

「ば、バイト代出してくれるなら!」

「もちろん出すよ。ヒメは……いいや」

「なんでですの!」

「ヒメも鑑賞側に入りたいのかと」

「なるほど」


 あっけなく納得した。


「で。いつやってくれんの?」

「わたしはいつでもいいよ」

「南雲もいつでもいいですよぉ~」

「南雲ちゃんはその前にお腹引っこめてきてね。マジで。なんだよ、そのお腹」

「は~い。次のお話のときには戻しておきま~す」

「莉乃は?」

「みんなの都合に合わせるよ」


 さて、いつ頼もうか非常にうきうきである。

 こうして長かったランキング発表はけっこう、あっさり幕が下りた。


 これはこれでまた良い思い出になりそうだ。


長かったランキング発表、無事閉幕!


明日も更新します。


友城にい

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