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一番近くにある日常 入!  作者: 友城にい
人気キャラランキング結果発表編
13/78

お祝い企画 人気キャラランキング結果発表 十三個目

 燃えるソウル。叫び立つ心臓ハート。震えだすニー

 まさにバトルという名に相応しい展開と空気。そして、厨二――


「ここで一気にたたみかけてやるぜ。あたしに残されたジャンルは、なにがある」


 冬葉がボードでチェック。


「莉乃ちゃんはあと食材と物だよ。姫夏ちゃんが女性とチャンス」


 僕があと、食材と男性。


「あら。私チャンスを使ってませんでしたの? これは、一勝は確定ですわね」


 なんでそうなる。


「なんでそうなる? まだわかんねーだろ?」


 莉乃と言葉が被る。なに、僕と莉乃は意思疎通なの?


「夜夏。べつにあたしはお前のことは好きじゃないぞ?」


 また読んだよ、この人。斉木○雄かよ。


「莉乃ちゃ~ん、つんでれ、ですか?」

「あら、莉乃がツンデレのテンプレを吐くとは。これは空を気にかけたほうがよさそうですわね」


 南雲ちゃんが茶化すと、ヒメが天井を仰ぐ。照明しかないけど。


「莉乃ちゃんも、夜夏くんのことが……」

「あたしなにか失態を犯したのか? みんなの雰囲気が変わったぞ?」


 莉乃が僕を見る。て、照れるじゃねぇか、おい。みんな見てんだぜ。


「ほっぺを赤めるんじゃねぇー! キメェーよ、今のお前サイコーにキモいよ!」

「あんなにバトーしてぇ~。あれが俗にいうぅ~。『てれかくし』なんですねぇ~」


 莉乃の貶しは、じつは愛なんです、と言わんばかりの南雲ちゃんの解釈。


「違うよ! 南雲だけはあたしを信じてくれよ!」

「莉乃。残念ながらヨルには先約がいますの。潔く諦めてくださいな」

「そうさせてもらうよ! べ、べつに夜夏のこと好きじゃねぇし!」

「莉乃ちゃん……」

「冬葉! なに暗い顔してんだよ! なに『わたし負けたよ』みたいな顔してんだよ!」


 慌てふためく莉乃。

 なんだか楽しそうだ。


「本当に好きじゃないの?」

「本当だよ! こんなやつふ……こんなやつ別のやつにいくらでもくれてやらー!」

「なんで一回言い直したの?」

「ここで物語が終わるからだよ! あたしが暴露したら、冬葉の立場がなくなるからだろ」


 すごくメタい。そして、いつにも増して冬葉がしつこい。なにかあったのか?


「莉乃なにか世界の秘密でも握ってんの?」


 鈴と理樹とで、探しているんだろうか。羨ましいなぁ、莉乃。


「夜夏まで入ってくんなよ、大変なんだよ、あたしは。交じる前にあたしを助けろ!」

「あらら、ヨルを巻きこむとは。さすがテンプレートツンデレ。略してテンツレ」

「なんだよ、テンツレって! 意味がわかんねーよ」


 莉乃がんばる。全部にツッコミって律儀だよな。一つくらい無視すればいいのに。挙げるならヒメのとか。

 それと『テンツレ』って流行らないだろうか。


「いい加減始めようぜ! いつまでもやってらんねーよ、こんなの。あたし疲れたし」


 そのときヒメがごそっとなにか言った「計画通り」――と。


「ヒメ、なにか言った?」

「?」


 いい笑み。だが不気味。とんでもないことを企んでいる顔に見える。

 この予感は当たってほしくなかったが。


「あたし行くぞ。ジャンルは『食材』。うーん、あんまり覚えてねぇからな。たしか……あれは出たよな、よし『チーズケーキ』だ」

「そんなの出ました?」


 ヒメと同意見。思わず頷く。


「出たぜ。一話で。名前だけだけどな!」


 なぜか自信満々。高らかに笑う莉乃を横目にヒメは眉間を寄せる。


「むぅ。まあいいですわ。ではいきます。チーズケーキですか。私は好きですけど」


 そこは関係ないだろ。ちなみに僕はレアチーズのほうが好きです。


「わたしも好きだよ。いちごタルトの次に」

「南雲も好きですよぉ~。シュークリームの次にですけどぉ~」

「いや、これ南雲の発言だからな!」


 莉乃が南雲ちゃんにツッコムとは珍しい。

 あとなんで二人とも二番目なの?


「私もじつはショートケーキのほうが好きですわ。まあチーズケーキはせいぜいベスト20位以内くらいですわ」

「せいぜいってなんだよ。誰か一人でもいいからチーズケーキを一位にしてやれよ!」


 力説。

 僕は三人を見渡した。

 しょうがない。


「僕がチーズケーキを一位にするよ」

「そ、それならわたしも一位にする」

「南雲もぉ~」

「仕方ありませんわね。私も一位の座を譲りますわ」


 四人は手を挙げた。

 下ごしらえは整った――あとは、


「莉乃はどうなんだ?」


 僕が爽やかに仲間に誘うように言う。


「もちろん。あたしもさ。これで――」


「「「「どうぞどうぞ」」」」


「え?」


 僕たちは、莉乃にチーズケーキ一位の権利を遠慮なく譲った。

 莉乃は呆然としている。


「え? お前たち、チーズケーキをう、裏切るのか?」

「滅相もございません。僕たちはチーズケーキの意思を尊重しただけの話です」


 ほかの三人も力強く頷いた。


「チーズケーキの尊重って?」

「僕たちがチーズケーキを選んじゃない。チーズケーキが莉乃を選んだってことでございます」

「チーズケーキが、あたしを?」

「そうですわ。私の中じゃ、チーズケーキはいつも二番ですもの」


 ヒメがそう言った瞬間――


「チーズケーキは圏外です」

「ちょ!? 冬葉、今のは、ちが……」

「ち、違うの!? わたしてっきり解答したのかと……ごめんね、姫夏ちゃん」


 冬葉がマジ落ちこみ。

 そんな聞き間違いするのか? と本気で疑問。


「まあいいですわ。次、行きますわよ、ヨル」

「おう、かかってこい」

「あたしをチーズケーキが、なんか……照れるな」


 莉乃は自分の世界に入り浸っていた。


「莉乃は置いておいて、いきますわ。ジャンルは『女性』選ぶのは『水着を買いにいった際にいた女性店員』ですわ」


 えらく細かい。


「なぁ、もしここで僕が『圏外』と答えた場合はどうなるの?」

「姫夏ちゃん、どうなるの?」

「うーん、ノーカウントかしら」

「それでいいか。仕切り直しで」


 僕は悩んだ。

 ここで大きく外すわけにはいかない。

 叶えたい夢のために。


「圏外は選ばない。勝負だ。七十……四位」


 僕はすぐさま冬葉を見た。


「あのときの女性店員は、ランクイン、しています。発表します。第……七十……七位、です」

「よし。三つ差」


 十分に勝ち目はある差だ。

 莉乃を見ると、まだ世界に入り浸っていた。

 ここで、ヒメが。


「今のうちに問題を言っちゃいなさい」

「え?」

「莉乃は自己判断ができる状態じゃありません。このままヨルが問題を出す。そのままタイムアウト。そうなればヨルは三勝。莉乃は二勝。ヨルに負けはなくなりますわ」


 悪魔の囁き……そう受け取る。


「ヒメ。本気で言ってるのか?」

「見るかぎり叶えたい夢があるようでしたから。違いました?」

「ああ、あるよ。けど、ズルしてまで叶えたい夢じゃない」


 ヒメの目は、いつも見るバカで楽しそうな目でも。真剣になにかに取り組む目でもなかった。

 僕の知らない第三の目。

 新たな一面だが、はっきり言って見たくなかったかもしれない。


「でもこのまま莉乃は勝ちますわよ。私の勘は鋭いんですのよ。今の莉乃に勝てる者はいませんわ。女の勘じゃない。勝負師の血が私の血管を疼いています」


 ヒメは腐ってもあの方の娘。

 世界を占める大会社の社長の娘。忘れてはいけないことだった。


「さすが、興味がないとはいえ、金の匂いはわかるんだな。参ったよ」

「ふふ、では――」

「せっかくだけど、断るよ」


 僕がそう断言する。

 するとヒメはわかっていたように、目を閉ざした。


「そうでなくてはいけませんわね。こうでなくては私の弟など務まりません」


 僕は負けない。そう夢に嘘をつかないために。

 莉乃の肩をゆする。


「おい。問題出すから戻ってこい」

「チーズケーキ……ふえ、あたしは今までなにを……」

「よかった。じゃ、いくぞ」


 ヒメが見ていてくれるかぎり、僕は誰にも負けない。絶対に。


チーズケーキ好きです。とくにレアチーズケーキは。

やっぱり諦めきれない『テンツレ』


友城にい

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