鏡の館Ⅰ ~薄暗い森と奇妙な建物②~
今回は滑り落ちているときの描写?です
「キャーーーーーー」
意味もなくとにかく悲鳴を上げる。
「う、うわぁーーーー」
とにかく悲鳴を上げる。
「い、いやぁーーーー」
色とりどりの悲鳴を上げていた迷だがふと誰かの声をつかんだ。
「め・、・う・・? だ・じょ・・・? ・・いく・・・」
紳斗の声がうっすら聞こえる。何を言ってるのかわからない。滑り落ちる雑音でよく聞こえない。そうなるほどのスピードで滑り落ちているのだ。
車に乗っているときに窓からすれ違う車を見るときの感覚といえば伝わるだろうか。
「紳斗だ。なにいってるんだろ? 聞こえないよー、ここだよー助けてー紳斗ー」
悲鳴をやめて、紳斗に助けを求めるが雑音が邪魔して届かない。そしてまた悲鳴を上げる。助けを求めるのはあきらめ、周りにある枝や茎をつかんで滑り落ちるのを止めようとするがポキっと簡単に折れてしまう。手にあたるもの、目に見えるものとにかくつかんでは、折れ、つかんでは、折れるの繰り返しだ。
「もうどうしよー」
だんだん頭が混乱してきた。
「あー、どうすればいいんだよー神様、仏様どうかわたしをお救いください」
最終的にとった行動は神頼みだった。
手を合わせギュッと握りしめて、目を閉じて少し下向きに首を曲げる。そして、たすけてください、たすけてくださいと念じはじめた。
そんな神頼みが叶うわけなく・・・・・・
・・・・・・・が・・・・・・・
スピードがだんだん落ちてきた。
そんなことに気付かない迷はいまだに神頼みを続けている。目を閉じているのだから当たり前といえば当たり前だが・・・。さらにスピードは落ちていく。すでに本気で走るときよりに感じる風よりも緩やかな風が当たっている。スピードは落ちながらもまだまだ滑り落ちて行っている。
その長かったさかも・・・・・・
すぽっ
空気砲のようにきれいなスポッ響かせきれいに飛び出た。
あとは落ちるのみ・・・・・・
ドォォ~ン