うるう年
「あーあ、去年はうるう年だったのにー」
高校2年、もうすぐ3年になる井野嶽桜は、双子の弟の幌に、居間に持ち込んだパソコンを操作しながらグチっていた。
「4年に一度だからな」
幌はというと、晩御飯の後片付けをしている。
「なんでうるう年って、4年に1度しかないんだろうなぁー」
机にへたりながら、伸びをしている桜に、幌がさらっという。
「そりゃ、地球の公転周期が、1年と0.25日分ずれているからだろ」
「でもさー、毎年うるう年だってもいいと思わない?」
「それでもいいけども、姉ちゃんのことだから、そうなってももっと日がほしいって言ってるだろうさ」
きっとそうなるだろうさと、幌はさらにつけたしながら、後片付けを続けていた。