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電車に乗る

作者: WAIai
掲載日:2026/07/23

今日は授業が終わると、すぐに駅に向かう。


俺と彼女はICカードをかざし、停まっている電車に乗る。


「間に合うかな?」


彼女の心配そうな顔に、俺は安心させるように言う。


「大丈夫。この時刻なら、まだ間に合う」


スマホで時刻を確認し、俺は彼女を安心させる。


なぜ、電車に乗ったのかというと、彼女の描いた絵が美術館で評価され、プロに意見を聞きに行くためだった。


「うわ、緊張する!!」

「それはそうだろう。授業で描いたものが評価されたんだから。お前、すごいよ」

「本当!? ありがとう!!」


彼女が俺の手を取ってきて、はしゃいだ声を出す。


「どんなことを言われるんだろう?」

「小難しいこととか言われたら、腹が立ちそうだよな」


俺が指を鳴らすと、彼女は笛を吹く真似をする。


「ピー!! イエローカード!! 怒っちゃ駄目だからね」

「分かっている。俺をみくびるな」

「そんなつもりはないわよ!! ついて来てくれたことに、感謝しているし」


彼女がもごもごと言い、手を組む。

俺は満足し、電車が動くのを待っていると、賑やかな一団が乗り込んできた。


「きゃー!! 涼しい」

「本当だ!! 生き返る!!」


4人の女性陣で、歳は20代くらいだろうか。


夏なので、露出の多い服を着ており、色鮮やかな雰囲気となる。


孔雀みたいだなと俺はちらりと確認すると、彼女が袖を引っ張ってくる。


「美人さん達だね。いいな。憧れるー!!」

「そうか? 俺はお前で十分だぞ?」


素直に告げると、うさぎは顔を真っ赤にする。


「もう!! 嬉しいことを言わないの!!」

「はいはい」


俺は叱れられたライオンみたいに、大人しくする。


乗り込んで来た孔雀達は、明るい性格のようで、華やかな雰囲気となる。


何を喋っているんだと思っていると、

「私の彼がさ」とか「親がね」とか、次々と途切れることなく、喋っていく。

電車内に人が少ないので、俺らも同様に目立つ存在だった。


「そうだ、ビールを飲もう、ビールを」


俺は「え」と思って、孔雀達を見る。

プシュと、何か解放されるような音がし、ごくごくと飲んでいくのが分かる。


「あー、美味しい!! やっぱりビールよね」

「おつまみもあるよ」


きゃきゃと、はしゃぐ孔雀達に、俺は大丈夫かと心配になってくる。


確かにトイレはついているが、まさかこの時間帯に飲むとは思わなかった。


「別の車両に行かなくて大丈夫か?」


俺が彼女に聞くと、首を横に振ってくる。


「大丈夫。お姉様方がいたほうが気が楽かも」


ふーと息を吐い出す彼女。

評価が気になってしょうがないのかもしれない。


「お前もビール飲むか?」


冗談で言うと、足で膝を蹴られる。


「飲むわけがないでしょう。未成年だし」

「はいはい。俺が悪いんですよ」


両手を上げて降参ポーズを取ると、彼女がにこりと笑ってくる。


「あ、来た、来た!!」


孔雀達は更に賑やかとなり、俺と彼女はちらりと目を向ける。

すると、3人、おしゃれな女性陣が乗ってきて、更に甲高い声が響く。


まるで祭りみたいだなと思っていると、女性陣は周りを気にせずに、喋ったり、ビールを飲んだりと、やりたい放題だった。


しかし俺と彼女は無言でいるよりは楽なので、そのまましておく。


「私もあのお姉様方みたいな衣装を着てみようかな」

「やめておけ。お前はセクシーというよりは、可愛い系だから」

「そう? ありがとう」


彼女はそう言うと、窓にもたれる。


「眠っても大丈夫?」

「大丈夫。俺が守ってやるから」


うさぎにそう言うと、しばし休憩するのだった。

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