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ALLFO星機構 続書薄物収容施設  作者: セクシー大根教教区長ミニ丸語
シリーズ:外華内貧ラスボス系悪役令嬢の英傑列伝~このアホみたいな世界ブッ壊す~
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5:ダンヴァリュオ上級魔法学院


 ダンヴァリュオ上級魔法学院。

 帝国以前、ゼンプラウ王国3代目国王ダンヴァリュオ自らが開設、校長を務めた貴族専用の魔法学院。

 クルァウティが16歳の時に入学した時点で創立150周年を迎える非常に歴史の長い魔法学院である。

 設立当初は単純に魔法の才能に優れた物を選出する事を目的としていたが、国が安定化するにつれて軍事力強化の側面は薄れ次第に貴族の学び舎に。帝国になる際に上級魔法学院と汎魔法学院に分裂し、身分に関係なく魔法の才能を鍛えたり、魔法研究者の卵の育成としての側面は中級魔法学院に与えられるようになる。


 上級魔法学院は貴族の中でも上流の者達の教育水準をある程度揃え、顔を覚え、縁を繋ぐことを目的としている。その為、徹底して魔法技術の向上を求められる中級に対し、上級では初等教育よりもより深く礼儀作法や歴史、政治などの魔術以外の事も学ぶ学び舎となっている。

 その役割の都合上、上級と中級の接点は薄いように思えるが、まず物理的に隣り合った場所に拠点を持っており、上級に通う学生たちが早い段階で中級に通う優秀な学習を見いだしスカウトを行う場所と言う側面もある為、中級魔法学院に通う生徒たちは少しでも上位の貴族の目に留まるように勉学に励む。中級の者達が成果を披露しやすいよういに敢えて接点を持てる行事なども用意されており、上級貴族にとっても如何に自分の家の強化に繋がる人員を見つけられるか審美眼が試される。

 因みに、一応の決まりで上級の生徒1人につき抱え込んでいいのは5人まで。これは上級と中級に通う生徒の比率が1:5になっている事に由来する。過去にとある上級生徒が多くの中級生徒に唾を付けまくって雇わないというとんでもない事をしでかしたせいでこの決まりが出来たとも言われるが真相は闇の中。


 主人公が通っているのもこちらの中級魔法学院の方で、攻略キャラには上級に通っている者もいれば中級に通っている者もいる。序盤は接点が薄いため、上級側に通っているキャラの方が当然攻略難易度が高く、最初は中級側の攻略キャラを攻略するのがセオリーである。


 一方、クルァウティは通うのが当然上級魔法学院。

 今年度はクルァウティを始め、第二皇子や他六大公王に連なる者達が多く入学した年であり、中級魔法学院に通う生徒たちの熱量もかなり高くなっている。


 後世において、クルァウティの躍進に寄与する多くの家臣が見いだされた世代でもあり、クルァウティが入学した年にこれほどの人材が揃わなければ、歴史は大きく変わっていただろうと述べる者も少なくない。


 



 時系列。

 確かゲームのチャートでは、物語の始まりは5月だったはず。

 革命もクーデーターもやるけど、まず勉学だ。だってクルァウティまだ学生だし。


 凝り性な異母妹はオリジナルの歴を作ってしかも1年を14カ月にしようとか色々とやっていたがプレイヤーに不親切だからやめろと強引にやめさせた。なのでこの国の暦は1年12カ月。学校のスケジュールも日本準拠。というか気候なども日本準拠である。と言っても、ちゃんと四季があった100年くらい前の日本だけど。

 22世紀だと春と秋の影は滅茶苦茶薄い。


 そんでもって今は、4月の終わり。まだ本編開始前。

 うーん、どんなイベントがあったか微妙に覚えてないところがかなりある。

 正直主人公はどうでもいい………どのルートに動くかはわからないけど、いきなりグランドルートに突っ込んでくる事はまず無理だ。だってグランドルートって各ルートを攻略した前提故に序盤RTAバリに動いてないとルート確定は無理だったはずだから。つまり、こっちから働きかけて簡単に妨害できる。特にグランドルート攻略時は必須になるお助けキャラである第二皇子をこっちに引き付けておけば…………これ、実の父親に色仕掛けするみたいで凄く嫌だ。

 

 ん?…………あれ?よく考えたら学校であんまり第二皇子に会わないのでは?


 というのも、この()が通っている学校は貴族の通う上級と平民の通う中級に分かれている。それで、私は上級に通っているのだけれど…………実は第二皇子は主人公の通っている中級に通っている。上級に居る方が影武者。因みにクルァウティはこの事実を知っていたはず。

 変わり者で実利重視の第二皇子は実質貴族学校と化している上級に通う事を嫌って、中級に偽りの身分で通っている。


 ゲーム的に言えば、なんかやたら能力値高くて攻略できないし先生に滅茶苦茶顔効くし中級生徒なのに上級の生徒にもかなり詳しい謎のお助けキャラかと思ったら実は第二皇子でした!ってわけだ。グランドルートはとあるキッカケでこの第二皇子の正体に主人公が気づくことでルート確定だったはず。


 うーん、主人公の初動を潰すなら第二皇子に上級に戻るように言うのが正解?

 駄目そう。ウチの父親に置き換えると、面白い方に行きたがるから強引にそんなことしてものらりくらり躱す。


 思案。

 あっ。いや、これは。

 チャートを思い出していて、どう主人公の首根っこを掴んで不確定要素を潰しておくか考えた末に思いついたオリジナルチャート。

 この身分社会が如実に表れている、同じ学校でありながら貴族の通う上級と平民の通う中級に分かるシステム。これは上級の生徒が中級の優秀な生徒を青田買いする為のシステム。これがあるから平民の主人公でも貴族系の攻略キャラとも接点を持てる。

 この青田買いシステム、卒業後に雇用する事を契約(また、通っている間だその貴族家がその平民のパトロンになる)できるのだが、これを使うという手。

 原作では確か、クルァウティが誰かに目をかけていた記憶はない。この女からしたらどれもあまり魅力を覚えなかったんだろう。第二皇子でようやくだし。

 

 けどこれを使って主人公か第二皇子に早い段階で接触してしまえば?

 パトロンの影響は極めて強い。契約を結んだら出資者にして将来の雇い主になるのだから中級生徒は逆らえるわけがない。そして既に契約を結んでいる生徒に他の上級生徒がモーションをかけるのはご法度と言う暗黙の了解がある。

 上級トップ成績のこの()が唾をつければ、グランドルートでクルァウティ討伐に寄与する他の攻略キャラ達は主人公、あるいは第二皇子に接触できなくなる。暗黙の了解と言いつつ貴族界でも身分さがあるので横紙破りもなくはないが、このクルァウティが唾を付けた生徒に横槍を入れるバカはまずいない。それができるのは第二皇子くらい。でもその本人は影武者に任せて中級生徒やってるんだから私の一強。


 あ、違うな。

 他の強力な攻略キャラを抑えればいいのか。

 主人公はあの歪んだ異母妹が書いたとは思えない聖母マインドしてるから…というかこれも家族の一人がモデルな気がしてきたが、反りは合わない。第二皇子は変に首輪つけたり楽しい中級生徒ライフを邪魔したりして敵対なんかしたら目も当てられない。計画全部パァになる。どっちもリスクがある。一方で他中級生徒ならどうやって攻略すればいいか覚えているし、イージーゲーム。

 一人の貴族で事前雇用契約を結んでいいのは5人まで。中級に通う攻略キャラは6人。そのうち一人は教師なので枠外。だから中級生徒攻略キャラ5人全員を抑えてしまえば?


――――――勝利。


 だよな。

 中の女も頷いている。

 中級生徒攻略キャラはそれぞれ得意分野が違っていて、上手く能力を覚醒させるとかなり強い。単に主人公の力を削ぐだけでなく私にとっても大きなメリット。損はない。うん、悪くない。離反しようとしても潰せる。


 あと力を削ぐとしたら、同性の友人たちを抑えてしまうか。

 でも5枠は攻略キャラで使うから…………。


―――――取り巻きを使えば?


 ああ、いたなそんなの。クルァウティの取り巻き令嬢ズ。悪令嬢のTheテンプレ。カルビにタレくらいのセットでいる嫌な取り巻き。こいつ等にその同性キャラとかグランドルートで支援するキャラ達を抑えさせる。

 太鼓持ちだけは一般的には口だけだと思われがちだけど、この女の太鼓持ちをやれるだけ取り巻きもまぁまぁ優秀なんだよな。この女は無能が大嫌いだし。


 うん、うん。よしこれで行こう。

 

 休日明け。私は学校での動きを確認すると、学校に赴いた。



また地の分だけで終わったが!?

まあいいや外伝だし。の精神

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