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ある学生の仮説2

作者: 岸亜里沙

教授「今回も、君は大胆な仮説を立てたようだね。早速聞かせてもらおうか」


学生「はい。今回は未解決事件について仮説を立ててみました」


教授「私もミステリーは大好物だ。なんの事件の仮説かね?」


学生「1971年に起きた、D.B.クーパー事件です」


教授「知っているよ。アメリカのオレゴン州からワシントン州に向かっていたボーイング727がハイジャックされた事件だね。ダン・クーパーと名乗った犯人が、要求した身代金を持ち、パラシュートを背負って飛行機から飛び降りて逃走したという」


学生「そうです。ダン・クーパーではないかと疑われる被疑者は何人もいましたが、逮捕には至っていません」


教授「今でも未解決なのは、パラシュートで降下した際に、被疑者が死亡したのではないか?」


学生「確かにそのような憶測もされていましたね。犯人に渡された何個かのパラシュートの中で、何故か型の古いパラシュートを使ったようでしたから」


教授「だが君の仮説は、犯人死亡というものではないんだろ?」


学生「ええ。私が考える仮説は、ダン・クーパーは存在していなかったというものです」


教授「なんだって?」


学生「存在していないと仮定する根拠のひとつに、乗務員たちしか犯人の姿を見ていないという点です」


教授「いや、そこでもう矛盾が生じているぞ。乗務員が見た時点で、犯人は確実に存在しているはずだよ」


学生「乗務員たちが、嘘をついているとしたら、どうです?」


教授「嘘?」


学生「乗務員たち、強いては航空会社がグルとなり、ダン・クーパーという犯人をでっち上げたのです」


教授「一体なんの為に?」


学生「やはりお金でしょう。ハイジャックされたボーイング727を所有していたノースウエスト航空は、この事件の翌年に新しい航空機を導入していますし」


教授「確かに、可能性がゼロではなさそうだね」


学生「それに、ハイジャックされた飛行機を、アメリカ空軍の戦闘機が数機で追尾していたそうです。いくら雷雨で視界が悪かったとしても、優秀な空軍パイロットが、飛行機の後部から飛び降りる犯人を見落とすはずがありません。犯人は身代金とパラシュートを要求しているわけですから」


教授「いやぁ、君の仮説はいつ聞いても面白い。また何か仮説があれば、まず初めに私に聞かせてほしい」




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