広場にて
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外から見えていた道は正面に建物が見えていたので、恐らく左右のどちらかに曲がるのだろうと予想していたがその通りだった。
門からしばらく進み突き当たりを左に曲がると広場があった。
広場の入口には、外にあったような看板があった。
そこには
【ここは休憩所です。この中に限りルールは無効です。逆走をしても大声を出しても落ちているものに触っても____は来ません。ただし、休憩所に入る前にルールを違反した者と長時間利用した者にはその限りではありません。】
と書いてあった。
広場には中央に小さい噴水があり、その周りをいくつかのベンチが置いてあり、休憩ができるようになっていた。
身体的にも精神的にも疲れていた私たちは少しだけ休憩を兼ねた話し合いをすることにした。
一緒にいるのは、門をくぐる前に話しかけてくれた赤いメッシュの少年、柵の中を覗き込んでいたボブの少女、みんなを励ましてくれた青いピアスをつけている少年、金髪の少年が刺された時に一番泣いていた緑のインナーカラーの少女。
「長時間の利用ってゆーのがどれぐらいのことを指すのか分からないから、早速情報交換をしようぜ。」
赤いメッシュの少年がそう切り出した。
「ここの集落のルールにある<落ちているもの>ってゆーのは、さっきの事から考えると倒れている人も含まれるみたいだな…。倒れているやつの中にはあんまり怪我してそうになかった人も混ざってたのに、声を掛けるしか出来ないのか…。」
青いピアスの少年が言った。
「この集落に出てくるのはあの熊だけなのかな?あの熊だけならルールを違反しない限りここは安全って確認できたってことでいいんだよね?」
ボブの少女が同意を求めるように言った。
「あの熊だけならね。まだこの集落の何処まで進んだか分からないから他に出てこないって保証は出来ないよ。」
私がそう答えた。
「ルールの看板だけじゃなくって地図も一緒に載せておいてくれたらよかったのにねー。」
ボブの少女が少し拗ねたように言った。
「あの、さ…。」
それまで黙っていた緑のインナーカラーの少女が言いづらそうに問いかけた。