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振り返るとボブの少女が走ってきた。
「ようやく会えた!怪我はない?」
私は走ってきた少女と抱き合いながらそう聞いた。
少年も怪我の有無を目視で確認していた。
私たちはぎゅっと抱き締めあったあと、少年と話していたことを伝えた。
日本屋敷であったこと、墓地であったこと、森の奥から戻されたこと、…緑のインナーカラーの少女が死んだこと。
ボブの少女は全部聞いたあと今にも泣きそうな声で言った。
「どうして私たちがこんな目に遭わなきゃいけないんだろうね。誰が何の目的でこんな事をしてるんだろう。青いピアスの彼も無事なのかな…。無事、だと信じるしかないんだよね。」
私と少年は何も答えられなかった。
だって私たちも何も分からないのだから。
「とにかく進もう。」
3人で進み始めてからも特に変化はなく、互いの趣味など雑談をしていた。
遠目に森が見えてきたところで、倒れている人を見つけた。
そばに寄る前にその人は消えてしまったが、地面に文字が残っていた。
<めが┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈>
読めたのはこれだけだった。
他の文字は潰れてしまっていて読み取れなかった。
「めがって目、か?」
「そう、なのかな?」
「でも他に“め”で考えつくものある?」
私たちは考え込んだ。
「ちょっと思ったんだけど…。」
私は思ったことを話した。
「ここに来た時に最初に聞いた音が今も全然思い出せないけど、言葉だったことは確かなんだよね。森の奥に行く前に見つけた人のメモにも『_が____ますよ。』って書いてあってそんなような事だったようなって思ってたの。この地面の文字も関係してるんだったら『目が____ますよ。』ってことにならないかな?」
「確かに!」
「その考えだったら『目』関する何らかの行動をしてみる価値がありそうだな。」
分からないことだらけだが少しだけここから抜け出す答えに近づけた。
「どうする?『目』に関係する行動を考えてみる?それとも進んでみる?」
ボブの少女が問い掛けた。
「進みながら考えよう。進んでたら他にも情報があるかもしれないしな。他の人も探したいし、青いピアスのあいつも無事を確かめたい。」
「そうだね。行こう。」
私たちはさっきよりも明るい表情で進み始めた。