2人目
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相変わらず他の人には会わないまま集落の入口まで戻ってきた。
看板を見ながら少年が口を開いた。
「なぁ、【建物の中は許可がない限り立ち入り禁止】って誰が許可を出すんだろうな。」
「さぁ?動揺してたからあんまり建物の中まで気にしてなかったけど、中に人っていたっけ?いたんだったらその人が許可を出すんじゃないかな。」
「…あんなとこに人って住んでると思うか?」
「…思わない。」
そんなことを話していると看板に文字が現れた。
【追記:中に人は居ません。許可が欲しい場合ナニカを探してください。】
どうやら私たちをここに連れてきた人は監視しているようだ。
「…ナニカって何さ。」
私たちは顔を見合せた。
「中に入る前に周りを探索する?」
「そうしようか。集落に入ったらまた日本屋敷に行かなきゃ行けないしな。」
私たちは柵に沿って進み始めた。
柵はだいぶ広範囲に広がっている。
私たちが通れた範囲にだけ建物が集中しているが、それ以外のところにはぽつぽつと建物があるだけであとは荒地が広がっている。
そのまま進むと建物もなくなり荒地のみになった。
度々柵の中を覗き込みながら気を紛らわす為にも他愛ない事を話しながら進んだ。
「だいぶ進んだけどなんもないな…。」
「景色変わんないね。…戻る?」
「いや、ここまで来たら進もうぜ。」
少年はちょっとヤケになっているようだった。
そんなことを話していると聞き覚えのある声が聞こえた。
「おーい!2人とも待ってー!」