再会
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進み初めて、蜘蛛が近寄ってこないことに気がついた。
遠目には見えるが、柵の近くには寄ってこないようだ。
最初あんなに焦って順番待ちをしていたのに、もっと早く寄ってこないことに気づきたかった。
進んでいると前に人影が見えた。
近寄るとあの赤いメッシュの少年だった。
「ねぇ!待って!無事だったんだね!」
私は声をかけた。
少年はびっくりしたように振り返った。
「!あぁ、びっくりした!おまえも無事でよかった!」
ようやく顔見知りに会えた。
見たところ彼も怪我はしていないようだ。
「私はだいぶ前にあそこから出てきて、墓の外れにある森まで行ってきたよ。森の奥まで行ったら強制的に出口のとこまで戻されちゃった。」
「お前どんだけ早く出てきたんだよ。俺はさっき出てきたとこだぜ。…あのリストに顔見知りっていたか?」
歩きながら情報交換をした。
「出てきたら誰もいなかったし、しばらく待っても誰も出てこなかったんだよ。…あのリストに私が知る限り緑のインナーカラーの娘が載ってたよ。」
「そっか…。あいつ逃げ切れるかわかんないって言ってたしな…。」
少年は残念そうに目を閉じた。
「…あとの2人は?リストに載ってたか?」
「あとの2人は載ってなかったよ。会ってもいないの。でも別の人には会ったよ。ロングの髪の女の子。…さっき見たらその子もリストに載ってたけど。」
私は悲しくなって下を向いた。
彼は頭を撫でて慰めてくれた。
「…他の2人も無事だといいな。森の方に向かってる時に何か他の情報はあったか?」
「森の方に行っているときに、倒れてる人を見つけたの。その人は残念ながら亡くなっていたんだけど、メモを持ってたの。『__が___ますよ。』って書いてあった。…意味わかる?」
私がそう聞くと彼は、
「…いやわかんないな。他の人ならわかるかな。他には何かわかったか?」
「そのメモを見た後に持っていた人に触れなくなってね、消えっていっちゃったの。他に倒れてる人もいなかったから
、たぶん死んで一定時間たつと消えるんだと思う。」
そう言うと彼は考え込んだ。
「…消えてくのは誰が死んだかも分かんなくなるな。森の奥から強制的に戻されるのも仕組みがわかんないし。ここは本当になんなんだ。」
「あ、あと多分だけど“送り犬”がいるよ。」
「“送り犬”?ってなんだ?犬ってついてるから犬なんだろ?」
私は“送り犬”についてと森に行くまで蜘蛛から守ってもらったことを説明した。
「へぇ。そんな妖怪いるんだな。こっち方面でも会えたら嬉しいな。」
「ね!会えるといいな~。」
そんなことを話していると石垣が柵に変わるところまで来た。