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鬼事  作者: 水蓮
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消えてゆく

ご覧いただきありがとうございます!

進み始めて思ったことは、遺体が全くないなということだった。

最初の時点で少なくとも2人は襲われていいるところを見ている。

その後にも襲われている人はいるはずだ。

どこかに持って行かれたのか、それとも骨一つ残さず食べられてしまったのか。

その時前から走って来る人影に気がついた。

ロングヘアの少女だった。

その子は走りながら、

「この先はお墓しかないよ!どこまで行ってもずーっとお墓!途中で引き返して切っちゃった!反対に進んだ方がいいよ!」

と言って横を走り抜けていった。

私は慌てて

「この先も集落と日本屋敷があるだけで出られる場所はないよ!お墓以外何かなかったの!?」

と言ったが、その子はそのまま走り去ってしまった。

お墓しかないらしいが途中で引き返して来たと言っていた。

何処まで言って引き返してきたのかわからないが、いってみようと思う。

自分が進んでいる墓地参道の2つ隣に誰か倒れているのが見えた。

ピクリとも動かないのでおそらくもう死んでいると思われるが生きている可能性もあるので、様子を見に行った。

近くに行くと上半身に噛み跡があり、頭が食いちぎられていた。

左手に何か持っていることに気がつき、手に触るとまだ温かくし死んで何時間も経っていないと思われる。

持っていた物は血で汚れていたがメモのようで何か書かれていた。

『_が____ますよ。』

読めるのはこれだけだった。

しっかり握っていたので大事なことだったのだと思われる。

黙祷を捧げようと遺体に目を向けると、ノイズが走っていることに気がついた。

びっくりして触ろうとするとさっきまで触れたのにすり抜けてしまった。

オロオロしているとそのまま消えてしまった。

それと同時に手に持っていたメモも消えてしまった。

転がっている遺体が全くなかった理由はこうして一定時間が過ぎるとその人の持っていたものを含めて消えてしまうからだとわかった。

今まで消えてしまった人も、何か情報を残そうとしてくれた人もいたかも知れないがこの空間は無情にも全て消してしまったようだ。

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