序乳 好きすぎて死にそうって言うじゃん?
まず最初に断っておく。
これは俺の物語。
俺が何か物を語れば、物語と言える。
前置きはいいね?よし語る。
俺はおっぱいが好きだ。
何しろ全人類の約半数はおっぱいなのだ。
好きでいた方がお得に決まってる。
できることなら全ての女性へ「お乳よう」と挨拶したい。
"ご機嫌よう"がアリなら乳でも良いじゃん。
褒めなければ逆に失礼だろ。その為に二つもついてんだから。
俺達はTHE哺乳類なのだ。その事実から目を逸らすな。
この偏愛のきっかけは、とある2D格ゲーの女性キャラ。
キャラを動かす度にゆさゆさ揺れる二つの果実にもうメロメロンだった。
最終的にはおっぱいそのものを動かす感覚で操作してたさ。
おっぱいの動きだけで技のモーションの強弱を判定できるまでになってた。
え、俺?俺は三十二歳独身、フリーターだよ。それ以上聞くなよ。
やっすいボロアパートまであと十五分。最寄りのバス停から歩いて帰る途中だ。
今日は何度も年下の上司に叱られた。バカにしやがって。
ちょっといい大学を出ただけの癖に調子に乗るなよ。
お前だっておっぱいが無ければ生きていけない。
お前なんかより俺の方がよっぽどおっぱいの事を真剣に考えてるんだからな。
つまり世の中の事をより大切に、深く考えてるということだ。
叱られながらそんな事を考えていたので、今もこうしておっぱいへの思索を巡らせながら帰宅している。
勘違いしないでほしいんだけど、別にエロい目で見てる訳じゃあないの。
ほら、美術品や自然の風景に欲情したりはしないだろう?
俺にとってはそういうものなの。
例えば、日本刀を思い浮かべてほしい。
柄から刀身、切っ先へ向かって滑らかに反り上がる優美な曲線。
光を受けると妖しく輝く刀紋……。
けど、それを見てどう感じようと、人を実際に斬りたいかどうかは別じゃん?
判る?この感覚。判らないとついて来れないから。
熟練の工匠の優れた知識と技術で鍛えられた鋼の塊。
でもそれだけじゃない。
機能的に使う為の鍔に施された芸術的な装飾。握り手の柄のデザイン。
全てが奇蹟的なバランスで構成された芸術、それが日本刀。
で、おっぱいもそういうもんだっていう話をしたいのよ俺は。したいんですよ!
ただ存在しているだけでも充分な魅力がたっぷりと詰まったコスモの塊だけどそれを包み込み、引き立てる衣装だって勿論!魅力の一つだ。
隠そうとして隠し切れない質量。あからさまに放り出してしまうと情緒ってものがない。
そして、ただ大きければ良いっていうもんでもない。
それぞれにそれぞれの価値があるんだ。声を大にして言いたい。
男は皆、自分にとってのオンリーワンを見つける旅路を生きてるんだよね。
そんなことを考えながら歩いていたら、トラックに轢かれた。