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王宮にて

翌日の午前中です。

王様個人の応接室にお父様と私、レオン殿下が来ています。


レオン様が私を見つめている気がするのは、気のせいでしょうか?

なんだか、顔が赤くなってしまいそうで、レオン様を見れません。


昨日レオン様の事を考えてから、何だか変なのです。


いけません、王様の前なのに、上の空でした。

集中しましょう。



「昨夜の話しはレオンに聞いた」

王様は疲れたようにおっしゃいました。


「この後アロンには厳しい沙汰を下すつもりだが、何か希望があれは聞いておこう」


「特にはありません。もう関係は解消して頂きましたし…」


「あまり軽い処置をされては困りますからね」とお父様。

憮然とした態度で陛下を睨んでます。

お父様不敬ですよ。


「分かっているから、そんなに睨まないでくれ、フレッド」


「だから、最初からアロン王子とは婚約させたくないって、あれ程言ったのに、お前がクラウディア様にビシッと断れないから悪いんだジョージ!」


王様相手にこんな事を言えているのは、お父様と陛下がご学友として、とても仲の良い関係だったからです。


でも、いくらプライベート空間とは言え不敬ですよお父様。

まあ、私の事を思って、言ってくださってるので嬉しいとは思いますが。


「こんなことなら、お前の頼みなど、聞くんではなかった」

お父様がため息混じりにいいます。


「本当に悪かったよ、私だってこれ程息子が愚か者だと思わなかったのだ」

陛下がどんどん小さくなっていきます。


お父様そろそろ許して差し上げて下さい。


「お父様、もう済んだことです。私の為にありがとうございます」

そう私が間に入り、取りなすと、


「ロザリア、私は自分の事も許せないのだ、何も気がつかずお前に苦労をかけてしまった」


「いえ、そもそも私がお二人に相談していなかったのですし、それにレオン殿下にとても助けて頂きましたから」


この言葉に陛下が顔をあけて、

「それなんだか、ロザリア嬢改めて、レオンとの婚約を考えてくれないか?」


「…!」


いきなりの事で私は声になりません。


確かにレオン殿下はまだ決まった婚約者の方はいらっしゃらないけど、私は1週間前に婚約解消したばかりだし。



「まだ懲りてないのか?ジョージ、私はもうロザリアが納得しない婚約は結ばない!」

何も言えずに固まってる私をよそに、お父様が言います。


「そこは分かっているよ。だから、ロザリア嬢に聞いてるんじゃないか」


確かに前の婚約は全て整った後に聞かされましたね。


「陛下、率直に申し上げても?」


「構わない」


「正直申しまして、まだアロン様との婚約がやっと解消されたばかりですし、気持ちの整理をつける時間を頂きたいと思います。それと…」


チラッとレオン殿下を見る


「それと、婚約に関して私の気持ちを考えて頂けるのは嬉しいですが、レオン殿下のお気持ちも大事かと」


そうよ、私の事をどう思って下さってるのか…

アロン様みたいに嫌われてはないと思うけど、もしかしたら他に想っている方がいたら、私の返事次第で恨まれるわ。


そう考えたら、また昨夜のように胸が痛みました。


この痛みはやっぱり…

改めて、レオン殿下と他の人が一緒に居るところを想像すると胸が締めつけられました。


ああ、やっぱり私はレオン様を好きになってしまったのね。

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