第三十七話「最後の部活」
第三十七話「最後の部活」
次の日・・木下は校長先生にかけあっていた
「校長先生!お願いします。サッカー部にはいろいろな問題があります
部員も少人数だし、弱い部活なのは分かっているんです
サッカー部の部長の林にもかけあいますが。サッカー部は今までみんなで
一生懸命練習してきたんです。どうか、サッカー部を廃部にしないでください」
「・・・・木下君、君の熱意は分かったが残念だが、もう決まったことなんだ・
サッカー部は明日には部室を取り壊されて廃部になるんだ
優秀な生徒会長の君の頼みでも聞くことは出来ないんだ。
すまないね」
「失礼しました・・・」木下が校長室ら出てくると湊が心配そうな顔をしていた
「どうでしたか?」「駄目だった・・・明日には取り壊されるみたいだ・・雨宮ごめんな」
「・・・先輩お願いがあります。今日、最後の部活をやりましょう
もちろん木下先輩が部長で!林先輩を説得します。元々、部長は木下先輩だったんだから
最後くらい木下先輩がやるべきです!!」
「・・・・雨宮・・・」
放課後 立ち入り禁止となった部室だが、最後に部活をやりたいということで
校長先生にお願いして特別に許可が出た・・。
「今日はサッカー部、最後の部活だ・・・。みんなには本当に
こんなことになってすまないと思っている・・」
木下を中心にサッカー部部員が集まったが全員ではもちろんなかった。
林の側についていて木下を嫌っている部員もいたのだ・・
でも木下には集まってくれる仲間がいるだけで嬉しかった
湊はもちろん部員ではないが、楓の姿もその中にはあった。
これが本当に最後の部活だった。・・それでも湊は満足だった
湊がサッカー部の入部を決めたのは木下がいたからなのだから・・・・。
湊は今、この最後の時を木下とサッカー部員と過ごせたことが何よりも嬉しかった
部活がなくなることはとても悲しいけど木下やサッカーから湊が学んだことは
大きかったから後悔はしていなかった・・・。
つづく




