第二十話「木下先輩」
第二十話「木下先輩」
俺はその日自宅に帰り、これからのサッカー部の廃部について
考えた。このままでは本当に潰れてしまう・・
その前になんとかしたいと俺は思っていた。
だけど何故自分が入部したサッカー部が廃部になるのだろうか
でも、あのまま木下先輩が部長であったなら多分サッカー部が廃部になることは
なかっただろう・・自分が入部した当初は何の問題もサッカー部にはなかったのだから
全ては林先輩が部長になってからおかしくなった・・・
そんな気がする。
そしてさっきまで思い出していた忌まわしい窃盗事件
あのとき、木下先輩がいなかったら自分は今どうなっていただろう
あのとき、木下先輩が証拠となる写真と放送を流してくれなかったら
多分俺はサッカー部も学校も行くのが嫌になって不登校になっていただろう
俺の為に一生懸命無罪を証明してくれてそして三か月の謹慎処分をうけてくれた
木下先輩にはとても感謝してる。今でも本当に・・・。
だけどあんなこと出来たなんてって木下先輩に言ったら先輩は笑いながら
こういったんだ。
「俺もそれなりの覚悟をしていたよ、校内放送しかもお昼にあんな放送を
流したら自分がどうなるかって事も。でも俺はお前を救いたかった
どうしても無実を証明したかったんだ。
あの時、青木たちの会話を目撃したとき、チャンスだと思った
俺は生徒会の仕事がその日遅くなってしまった
部室にカメラを忘れたことを思い出したんだ。
ほら、俺、写真とか風景とかカメラで撮るのがすきなんだ。
よく一人旅とかすると景色とか撮ったりしていたからね
生徒会でもカメラは必要だったし。
それでロッカーに取りに行ったんだ。そしたら奥の方でほのかな明かりを見つけてさ。
そして不信に思ったから覗いたら放送で流した会話を青木たちがしてたってわけ。
それで青木たちを止める前に様子を見ていたんだけどふとこのカメラで証拠写真が
撮れたらと思ったんだ」そう木下先輩は話してくれた
つづく




