第十四話「逃亡」
第十四話「逃亡」
周りは煙に包まれた 「うわあ!!なんだこの煙は」
警備員はパニックになっていたが木下は我に返り白い煙を払いのけた
部室のドアの隙間から煙が漏れ始めた・・。
だが、ほかの部室にはまだ気づかれていない様子だった
警備員の悲鳴と共にドアの「ドン」という音がしてそちらに視線を
向けるとうっすらと数名の姿が見えた。木下は慌てて後を追いかけようとしたが
目に涙が溜まっていて目を開けていられなくなった。
この時、先ほどの煙は誰かが巻いた催涙ガスだと気が付いた
「クソっ!逃げられた!!それにしても催涙ガスなんてどこから・・・。」
木下は悔しさと哀しさと苛立ちとか色々な気持ちが混ざっていた。
木下はこの状況の説明を警備員にしてからこのことを担任に報告する羽目になった
「木下は前にも色々事件を起こしているじゃないか・・
サッカー部も問題の多い部活だな」そう担任に言われてその日は帰された。
木下は優等生だが問題の多い生徒の一人だとみんな教師は思っていた
次の日
俺は教室に続く校舎を歩いていた
昨日は散々だった。また今日も苛められるのかな
そんな俺の肩をポンと楓が叩いた
「湊君、おはよう」そこには楓の笑顔があった
「ああ、おはよう」今日は珍しくサッカー部の朝の練習がなかった
誰にも会わずに済むのは俺には嬉しかった。
「あ~あ、こんな学校なんか来なきゃ良かったな
そしたらこんな嫌な思いをしなくて済んだのに」
俺はボソっと文句を言った
楓と共に今日の一日の幕開けともいう教室のドアの前に着いた時
「雨宮!!」振り返ると木下先輩の姿があったが・・
「先輩、何かあったんですか?」木下先輩の顔は絆創膏だらけだった。
「ああ、ちょっとな、それより雨宮真犯人が分かったぞ」
その言葉に俺と楓は目を見合わせた つづく




