第十三話「木下と青木」
第十三話「木下と青木」
「つい・・この間のことだよな・・・先輩」
「俺達さ、まだあのこと怒ってるんだよね。
お金は返してもらえたけどさ、結局合宿には行けなくなったし
なんで木下先輩がまだここの部活にいるのか不思議だよな~
あの時は先輩がまだ部長だったんだよな。でも林先輩に今年の部長の投票率が
交代になったんだよな。そりゃ~、部活の合宿費用を失くされちゃたまったもんじゃねーよな。こっちは、高いお金払ってるのにさ、しっかりしてくれよ先輩(笑)
あのあとあんたは暫くの自宅謹慎処分だけで済んだけど、消えたお金の行方は
どこにいったんだろうな?なあ、先輩俺達あんたが盗んだとしか思えなくて
普段は優等生ぶっているあんたにも腹が立ったし
丁度、林先輩がこの学校に、転入してくれてサッカー部に入ってくれて助かったよ
あれであんたの信用は丸潰れだよな。それに去年の暴力事件の事もな。
あの事件も悲惨だったよな、あの時はまだ雨宮はいなかったけどな」
青木がそう言った
「あんたさ、もう部長でもなんでもないんだからほっといてくれよ
あんたに説教される言われなんてないし。っていうか俺達を責める前に
さっさと退部しろよ、目障りなんだよ!!」
青木はそう言うなり横に置いてあった金属バッドを手に持った。
「俺達さ、先輩にあとでベラベラしゃべられると困るんだよね
大体さ、覚醒剤の闇ルートを教えてくれたのは林先輩なんだよ
だから俺達だけを責めるなよ!大体自分のやった事を棚にあげてさ
後輩の説教なんて迷惑なんだよな、マジでウザい!!消えろよ!」
青木はそう言って木下目掛けて金属バッドを振り始めた。
木下は驚いて反射的に身をかわした。「チッ!」青木がバッドを振り上げながら
そう呟いた。その時、校舎に違う人影が現れた・・。
それは見回りの警備員でいつも通り見回ってる人だった。
男子生徒数名が集まり、床には煙草の吸い殻と銀紙に包まれた粉末上の粉
生徒一人の手には金属バッドが握られている。この状況を見て驚かないはずがなかった。
「こら!お前らここで何している!」「やべー。警備員だぜ」
青木は「チッ」と舌打ちしてバッドを下ろし・・
その瞬間周りは煙に包まれた つづく




