表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

75/84

エピローグ ~『マリアンヌの崩壊』~


 スラリンを倒したレオナールは、スライムダンジョンを手に入れたことで、魔物の軍勢、ダンジョン収益、そして拠点を手に入れた。


「終わってみれば大満足の結果だったね」

「さすがは旦那様です」


 レオナールとユキリスは第二都市タバサの街道を、肩を並べて歩く。この街の実質的な支配者が彼となった今、目に映る光景も以前とは違って見えた。


「スライムダンジョンのおかげでゴブリンダンジョンは大きな戦力アップを果たすことができた。他にもフォックスダンジョンの戦力を把握できたことは大きい成果だね」


 タマモは今回のダンジョンバトルに多くの戦力を投入した。どれだけの数の魔物がいて、どの程度強いのか、将来、彼女と戦う時がくれば、この情報は価千金になる。


「それに第二都市タバサの都市長の座が手に入ったことも収穫だ。これで王の椅子へまた一歩近づいた」


 レオナールが王座を手に入れるには過半数の都市長から支持を受けなければならない。彼の手元には仲間のモーリーを含め都市長のカードが二枚揃ったことになる。


「僕らの計画はすべて順調に進んでいる。復讐を果たす日も近いね」


 レオナールは仲間たちから追放された日のことを思い出す。信じていた仲間たちに裏切られた彼は、必ず復讐してみせると誓ったが、それとは別に仲間との楽しかった冒険を思い出し、感情が錯綜する。


「…………ッ」

「旦那様……」

「何でもない。僕は平気さ。心の中の復讐心はまだしっかりと燃えているからね」


 レオナールは頭の中からパーティメンバーとの楽しかった思い出を振り払う。彼の瞳はしっかりと前を見据えていた。そんな彼の視界に見覚えのある少女が映る。


 少女は街道の真ん中で空を見上げていた。その人物はレオナールが先ほどまで恨みを向けていた対象であるマリアンヌであった。


「マリアンヌ、そこで何を……」

「ねぇ、見て、お空が真っ黒ですわ」


 マリアンヌは雲一つない快晴を指差し、不気味な言葉を口にする。その瞳は狂気に染まり、濁っていた。


「マリ……アンヌ?」

「あなた、だーれー、アハハ、ハハハッ」


 マリアンヌは乾いた笑い声を漏らしながら、空を見上げて、街中を歩いていく。正気を失った彼女の頬には、悲しいことでもあったのか伝った涙の跡がくっきりと刻まれていた。


「マリアンヌの奴、どうかしたのかな?」

「分かりません。ですが旦那様にあんな酷いことをした人、どうなろうと自業自得です」

「そうだね……」


 レオナールは悲しい目で、立ち去るマリアンヌの背中を見つめる。その瞳に込められた感情は怨嗟ではなく、かつての仲間を心配する思いやりに満ちていた。


これにてマリアンヌ編が完結です。ここまでお付き合い頂き、ありがとうございました!!


また特別篇を数万文字以上追加している書籍版が発売中です(*^_^*)


販売開始から数日の売り上げで続刊が決まるので、もし財布に余裕がある方は応援していただけると助かります

※小説家になろうの書評サイトから購入できます。下の画像をクリックすると移動できます


最後に、書籍化まで辿り着くことができたのは読者の皆様のおかげです。心からの感謝を贈ります。本当にありがとうございました!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
書籍第一巻が11月29に発売予定!!
本編に大幅な改稿を行い、WEB版よりもパワーアップしているだけでなく、
WEB版では未公開の特別編も収録しております。
今後の執筆活動を続けていくためにも、よろしくお願いいたします
i364010
画像をクリックして頂くなろうの書評サイトに移動できます。
― 新着の感想 ―
[良い点] 内容がおもしろいですね。 [気になる点] マリアンはそうしたら狂ってしまったんですか? リリースはどうなるのか気になりますね。 리リサも主人公が助けてくれたのは? [一言] 次の内容を…
[気になる点] マリアンヌ編なのにマリアンヌとレオナールの関わりほとんど無かったね。
[気になる点] >レオナールとリリスは第二都市タバサの街道を、肩を並べて歩く。 ユキリスね。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ