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プロローグ、あるいは罰則

見切り発車の上更新不定期の予定。





ここは、竜の国イスタリア。ドラゴンにとっての天国。

竜と人との共存を第一にした政策、竜に慣れ親しんだ国民たち。

竜は恐ろしいもの、などという考えはここにはない。


また、世界で唯一、竜の繁殖に成功している国でもある。

他の国でも竜の飼育自体はされているが、繁殖に成功しているのはこの国だけ。



そんな、竜の楽園といえるこの国の、竜を育む竜の巣に。

とある竜の悲鳴が響き渡った。


「いやあああああああああ!いやですううううううう!!!!!!」


悲鳴の主は、グウェンドリンという名の雌の竜。


「我儘言わないの、大体こうなったのはあんたのせいでしょ」


答えるのは、グウェンドリンの契約者(マスター)であるコーネリア。

竜の楽園と言われる程ドラゴンたちが自由に過ごせるこの国ではあるが、もちろん一定の規律(ルール)が存在している。

そのルールこそが、契約。

人と竜が結ぶ、共に歩むための魔術である。

これがある限り、人もドラゴンも契約を超えた行為はできない。おおよその契約においては「むやみに暴れない」というような内容を盛り込んでいるため、竜が闊歩するこの国の治安は守られている。


……と、竜と人との契約については置いておいて。

コーネリアとグウェンドリンがなぜこのような言い争いをしているかといえば。


「戦いが嫌いだからリアに任せてたのに、『次の仕事から自分で戦え』って!????無理よーーー、無理!!!!!」


何を隠そう、グウェンドリンは戦いが嫌いだった。自らの力を示すため、戦いを好む傾向にある竜としては珍しいことに。

だが対するコーネリアは容赦なくグウェンドリンに現実を突きつける。


「そんなこと言われても、竜王様のご命令だし。まあ、グウェンが直談判すれば聞いて貰えるかもしれないけど?娘の直談判なら無下には扱わないでしょ。」

「……むり。」

「なら、諦めて自分で戦いなさい。」

「うう……。」


項垂れるグウェンドリン。戦いや争いごとが苦手なだけあって、龍王に直談判する度胸も当然持ち合わせていなかった。


「わ、わかった、わかったよう……。次から、がんばります……」




がんばれグウェンドリン、負けるなグウェンドリン。

龍王とマスターの精一杯の親心を汲んで、強くなれ。

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