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能力比較

 この世界で学校に入って数日が経ったが、既に僕のいた人間の頃の知識量をを遙かに上回る量の授業の質に僕は驚いていた。

何よりも既に僕のいた大学のレベルを超えているのだ。

そして、精霊の持つ知識量にも関心をしていた。


 そんなある日、担任の先生が急にこんなことを言い出した。

「みんながどのくらいの能力を持っているか見てみたいわ。さぁ、みんな校庭に出ましょう。入学してからこの数日、座学は飽きたでしょう。」

みんなといっても生徒2人しかいない学校。

僕たち2人は先生の指示に従い校庭に出た。


 校庭で担任の先生が

「まず最初に私が手本を見せるわね。」

と言うと自分の能力を見せた。

担任の先生の能力の属性は風だ。

僕らの視線の先に1つの風の渦が出来た。

その風が次第に校庭の砂を巻き込み大きくなっていく。

そしてその風が僕らをも巻き込んでいった。

僕が思わず

「わっ!!」

と避ける仕草をすると先生は

「ハハハッ。大丈夫だから。精霊はあらゆる自然現象に耐性があるから。どんなに強い風だって精霊が吹き飛ばされることはないの。精霊は他の精霊の能力でダメージを負うことはないの。」

と笑って説明した。


 そして先生は

「次はあなたたちの能力を見せて。生まれながらにして2つの能力を持った精霊は珍しいの。しかも2人は能力もかぶっていない。私ともね。2人の能力を見ることは私にとっていい勉強になるわ。」

そう言うとまずは同級生の女の子リャカヤが名乗り出た。

彼女は生前、同じ大学にいた仲だ。

前世では僕よりも年上だったけど僕に年上らしいことは何も見せれなかったと言っていた。

それにこの世界では僕よりも先に精霊として飛べていた。

「この世界ではあなたより私の方が上よ。」と彼女が背中で言っているようだった。

(あくまでも僕の主観です。)


 リャカヤはドヤ顔で天に右手を突き上げた。

すると次第に空が曇りだし始めた。

数分が経つと空が一斉に騒ぎ出した。

ゴロゴロ、ゴロゴロと。

そして彼女は突き上げていた右手一気に振り落とした。

それと同時に轟音と共に雷が校庭のど真ん中に落ちてきたのだ。

かなりの轟音に僕はビックリした。

そして校庭のど真ん中の焦げ跡をを見てその雷の威力に驚いたのであった。


 彼女は自分のした成果に満足げでかなりのドヤ顔だった。

しかし、そのドヤ顔をすぐに消え

「次の能力を見せます。」

そう言うと、彼女は両手を地面に付けた。

そしてしばらく何かに集中しているようだった。

数分間、何の変化も起きず僕がどうしたのと声をかけようか迷っていたとき急に変化が起き始めた。

彼女がの手元の地面が凍り始めたのだ。

それからたったの数分間で校庭全ての地面が凍った。

また僕は驚いてしまった。

そして彼女はまたドヤ顔をしているのだと思った。

しかし、今回はかなりの力を使ったようで彼女はドヤ顔をする余裕もないみたいだった。


 そして、僕の番になった。

まず、僕は炎の能力を見せることにした。

僕は両手を前に出し、校庭いっぱいに火炎放射器のように炎を出してみた。

この技に2人は大いにビックリしてくれた。

僕も思わずドヤ顔で彼女がドヤ顔をしたことも理解できると思った。

次に水の能力を見せるのだが、僕は校庭ではわかりにくいからと教室に戻って見せることにした。


 教室に戻ると僕は教室の床にひざまずき集中し始めた。

僕が何も言わずに始めたものだから彼女たちは最初は戸惑っていた。

しかし、次第に僕のやっていることに理解し始めたようで何も言わずにじっと待っていてくれた。

ぼくのこの大技は非常に時間がかかる。

10分ぐらい集中していると床から水が湧き出てきた。

少しでも水が湧き出るとこっちのものでそこから一気に教室の中を水で満たした。

先生とリャカヤは「すごい!!」と喜んでくれた。


 能力を全て見せたぼくは疲労困憊で床に大の字になって倒れていた。

先生は

「今日は良いものが見れたわ。それにこれからの目標も見つかったし。」

僕たちがキョトンとして聞いていると続けて

「もちろん座学も大事なんだけど、これからは野外実習もしていきましょう。あなたたちの能力を伸ばすために。それに前世では人間だったらしいけれど、人間が決して踏み入れることが出来ない場所でも精霊である私たちは踏み入ることが出来るの。早速帰ってからリストアップするわ。楽しみにしていてね。」

そう言うと先生はそそくさと帰っていった。


 精霊の人生は人間の頃の人生に比べてかなり大変そうだ。

しかし、今日は楽しかった。

そして、精霊としての人生はかくも楽しいものだと思った今日この頃です。






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